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信金、中小脱炭素へ体制構築 アドバイザー取得が増加


全信協と信金中金が開いたセミナーには浜松いわた・観音寺・福岡ひびき各信金担当者らが登壇し、全国143信金がオンラインで参加した(7月16日、信金中金本店)

信用金庫は、取引先の中小企業に対して脱炭素化を支援する体制の構築を進めている。浜松いわた信用金庫(浜松市)は、環境省が認定する「脱炭素アドバイザー」の資格を持つ職員が約400人に達した。脱炭素経営に特化した相談窓口を有する観音寺信用金庫(香川県)も、2024年度から次長級以上に同アドバイザーの取得を促している。そのほか、各信金が拠点を置く地域全体の脱炭素化に向け、地元の地方公共団体との連携体制を整備する動きも広がりつつある。

浜松いわた信金は、サステナブルファイナンスの累計実行額を、30年度までに1750億円とする計画だ。その達成に向け、環境関連の融資商品などを多くそろえており、顧客ニーズに応じた提案のために職員のアドバイザー取得を後押ししている。

23年度に取り扱いを始めたサステナビリティ・リンク・ローン(SLL)とポジティブ・インパクト・ファイナンス(PIF)は、これまでにそれぞれ9件実行するなど成果が見えてきた。

観音寺信金は23年10月、本部に「かんしん脱炭素経営に関する相談窓口」を設置した。「補助金に関する相談など、窓口相談のニーズは高く、案件は増加している」(経営支援部の大平真弘部長)という。同窓口や営業店の相談体制の強化に向けて、支店長や次長級の全職員にアドバイザーの取得を推奨しており、有資格者は順調に増えている。

50年までに二酸化炭素(CO2)排出量を実質ゼロにする「ゼロカーボンシティ」の達成を表明した地公体は、国内全体の6割に拡大。こうしたなか、多くの中小企業と接点を持つ信金の役割は高まる一方だ。

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