肥後銀、CO2排出量算定システムを2000先が利用 地域金融機関に推進へ算定・開示対応も
肥後銀行が独自開発した二酸化炭素(CO2)の排出量算定システム「Zero―Carbon―System(通称:炭削くん)」が軌道に乗ってきた。提供半年で2000先超の企業などに導入。今後、地域金融機関に推進するとともに、地域のカーボンニュートラル実現を加速させる。
炭削くんは、利用企業が電気やエネルギーの使用量を入力し、企業活動全体のCO2排出量(Scope1~3)を算定と可視化。その後、排出量削減の目標設定と達成に向けた進捗(しんちょく)管理を行う。そのレポート結果に基づき、サステナブルファイナンスの提案などを通じて顧客の脱炭素化をサポートする。
一般的な同様のシステムは高価格で、中小企業には導入のハードルが高い。一方、炭削くんは初年無料で2年目以降1アカウント月額2200円(税込み)からと低価格なことも特徴だ。2024年1月から全顧客にサービス提供を始めた。
提案先は主に熊本県のSDGs(持続可能な開発目標)登録制度で認定された企業を中心にリスト化。また、専用ホームページ(HP)を作成し、機能紹介の動画を掲載するなど周知活動に取り組んできた。提案時に役立てるため、全行員約2000人に脱炭素アドバイザー「ベーシック」取得も促している。
導入企業は建設業が最も多く、卸売業や小売業、製造業など。建設業は、県の工事入札時の審査基準において環境活動に取り組んでいると有利になることもあり、利用が進む。導入した物流企業からは、「取引時に、自社のCO2排出量を理解している企業だと評価される」と好評を得ている。
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