見出し画像

【実像】 試される賃上げ好循環(上)労使で成長ストーリー共創へ


生保労連は加盟単組の賃金交渉結果をホワイトボードに記入している(3月26日)

金融界は2024年春闘で2年連続の「満額ラッシュ」が実現した。メガバンクや大手地方銀行では、基本給を底上げするベースアップ3%以上に踏み切るなど、歴史的な高水準となった。社員の給与抑制など経費削減を通じて収益を追求する「コストカット型」から脱却し、賃上げを続けながら企業も成長する「好循環」の兆しも見えてきた。25年以降、この流れを持続できるかが問われる。

〝果実〟を分かち合う

「24年春闘は事前の意見調整なしでベア要求を前提として執行部で議論できた」――。大手行の労組幹部はそう振り返る。23年度から物価高の局面に突入し、労組も賃上げ要求に目覚め、交渉前から駆け引きする一幕もあった。

約24万人の組合員を束ねる全国生命保険労働組合連合会(生保労連)は23年11月に生命保険協会に対し、24年春闘の基本スタンスを申し入れ、賃金改善に弾みをつけた。

ここから先は

1,685字 / 3画像

¥ 330

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?