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『天気の子』を観ました☁️

 流行前線に乗れなかった私は、今更ながら、映画『天気の子』を視聴しました。

 このブログでは、私の感想、妄想、考察等を書き連ねていきます。

1.光の水溜まり

 めっっっちゃ好きな言い回しでした。
 作中に出てくる言葉で、最も綺麗で、最も切ない気持ちにさせる、ベストな表現方法だと思いました。
 "〇〇の水溜まり"と、することで、他の意味での使い方もできそうですよね🌀

2.人の温もりに触れるまで

 序盤は、テンポがゆっくりな映画だと感じました。これは、帆高の現状を生々しく伝えたかったのかな、と。
 これとは打って変わって、K&Aに着き、須賀と夏美に出会ってから、テンポはかなり早くなりました。
 空腹や宿泊場所に悩まされ、何もしない時間というのは、とても長く感じます。けれど、何か目的を持って行動を始めた時、時間は突然早く流れるようになります。
 気づけば朝、気づけば夜。
 K&Aで雇ってもらい、帆高は実家にいた頃では考えられないほど、充実した日々を過ごしていたと思います。

3.視覚と聴覚

 作中、おそらく9割は雨が降っている場面だと思います。その中で、喜びや嬉しさを表す場面においては、挿入歌やBGMで、明るさを送っているように思いました。
 視覚では、雨というマイナスなイメージを、聴覚ではポジティブなイメージを伝えており、不思議な感覚に陥りました。

4.傘

 帆高は中盤前までは、ビニル傘を用いていましたが、それ以降、何かしらの色がついた傘を用いるようになりました。
 これは、何もない(無色透明な)帆高の人生に、色がついた、という表現だと思います。
 雨(透明な水)が止むと、虹(七色)がかかるという、意味の掛け合わせなのかと、思いました。

5.年齢設定

 終盤に差し掛かるまでは、帆高が16歳、陽菜が誕生日を迎えて18歳と、ありました。加えて、陽菜の誕生日プレゼントに、帆高は指輪を選びました。おそらく、この流れに持っていきたく、年齢を詐称していたのでしょう。婚約可能な年齢ですから。
 それと、もう一つ、年齢を偽っていたことには、理由があります。年齢を偽れないと働けなかった、というのもありますが、私は、家出をしてきた帆高に負荷をかけさせないよう、陽菜の姉という一面を見せたかったのだと思いました。

6.「胸、見たでしょ?」

 これは一泡吹かされました。まさか、夏美のこのセリフが(後に陽菜からもあるが)伏線となっていようとは思っていませんでした。
 確かに、私もあのアングルだと、見る他ないと思います。というか、そういうアングルにするのずるいですよね。
 そして、終盤、陽菜が消えてしまう場面。
「どこ見てるのよ」
 泣きながら言う陽菜に対し、
「陽菜を見てるんだ」
 そう答えた帆高。
 私はなぜだか嬉しくて、部屋を歩き回りました。なんてことなさそうなセリフが、形を変えて大事な場面に適用されると、観ている側としては、とても感動させられます。

7.お尋ね者を楽しんでいる

 帆高、陽菜、凪の三人で逃げている時と、夏美が原付に帆高を乗せた時、この二つの場面で、お尋ね者を楽しんでいました。
 前者は未成年では到底、経験できないような冒険をしていて、お尋ね者ではなく、単純にスリルを楽しんでいるように見えました。
 後者は、原付を運転する女性、そこに乗るお尋ね者、それを追うパトカー。どこかで見覚えありませんか?
 私はルパン三世を想起させられました。ルパンはお宝を目当てにしているように、帆高も陽菜と過ごした日々というお宝を目的に、逃亡しているのだと思いました。

8.千と千尋の神隠し

 陽菜が帆高にハンバーガーをあげた場面。あれは紛れもなく、白が千尋におにぎりをあげた場面と重なります。
 空に飛ぶ白い龍。これは白の本来の姿が白い龍であったため、重なっています。
 その直後の場面で、帆高と陽菜が空で手を取り合い、会話をする場面。これも、『千と千尋の神隠し』にありました。
 検索しただけですが、他にもジブリを想起させる場面があったようです。
 陽菜が帆高に振る舞った料理の描写も、確かにジブリに似ているような…🧐

9.帆高を庇う陽菜

 物語終盤、鳥居を目指した帆高の前に現れたのは、命の恩人である須賀だった。
 須賀は帆高を止めようとするが、帆高は拳銃を手に取り、反抗する。まず、ここで拳銃をこの場所に置いてあったことが、話がうまく繋がっているなと思い、気持ちよかったです。それから、命の恩人に銃を向ける行為は、それ相応の覚悟を持っていると言ってるようなものですよね。
 ちょうどこの場面、帆高と須賀を隔てていたのは、日なたでした。それで、この日なたの形、まさに陽菜が今いる雲の形にそっくりなのです。そう思った瞬間、私は人生で二度目の嬉し泣きをしてしまいました。年月にして、11年ぶりです。それほど、帆高を守り抜こうとする陽菜の存在が嬉しかったのです。

10.家族

 この作品で、色んな家族を映していました。
 帆高だけを取り上げると、実の家族、須賀・夏美・帆高、帆高・陽菜・凪です。
 実の家族を描かず、他の二つの家族を全体を通して描いたのは、帆高の人生において、最も大切で、捨てられないものだったから。
 そして、帆高を通して、須賀や陽菜の家族に対する想いが変化していったように感じました。

11.最後に

 拙い文章で、長々と書き連ねてきましたが、正直、物足りません。
 最低限をとりあえず、思いの冷めぬ内に、と思いまして。
 他には、挿入歌であったり、凪はエースストライカーであったり、帆高を最年少のように描いたり、、、どこまで狙って、どこまで妄想なのかはわかりませんが、やっぱり、楽しいですね。
 それから、スタッフロールを見て、初めて生を感じました。名前の数だけ、この世には存在していて、その方たちのおかげで、この作品が世に生み出された。当たり前のようだけども、それを素晴らしいことであると、気づかせてくれました。
 映画を観終えて、私の心は晴れたのでしょうか?

「あーしたてんきになーぁれ」

※画像は映画『天気の子』公式Twitterより引用

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