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COVID-19 新型コロナウィルス関連

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2020年8月の記事一覧

夏の屋外を涼しく過ごすためのアイデア~ゼロエナジークールスポット「COOL TREE」~

豊村 幸毅、大西 宗太郎 日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ 新型コロナウィルスの流行は長期化し、真夏の酷暑環境下でもその生活は続いています。換気のために扉を開け放ったまま営業することを余儀なくされる飲食店等も見られ、室内の温熱環境の悪化と空調エネルギーの増加も懸念されます。 こうした生活を体験してみると、さわやかな自然の風が吹き、密の心配の少ない屋外に、気持ち良く快適に過ごせる空間を創ることの意義を改めて感じます。そこで、日本の暑い夏に、屋外で快適に過ごすた

with COVID-19オフィスにおける 『かけ流し空調』の考察

西山 史記、田辺 慎吾、杉原 浩二 日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ パンデミックによるワークスタイルの転換を通じて、これからの働く場に求められる事項を以下ととらえ、その在り方を考察してみます。 ・多様な働き方を支える、オフィスと在宅の中間領域(サード・スペース※1)が求められる。 ・サード・スペースは人や自然との繋がりを活性化する自由度の高い空間とすることが求められる。 ・これをサポートする安全・安心な空調システムが求められる。 ※1:都市における家と職場

医療者を感染から守る ~対面式感染対策給排気フード~

塚見 史郎 日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ 兼 クライアント・リレーション&ソリューション部門 プロジェクトマネジメント部 ダイレクター 病院設計者の考える医療者を感染から守るための提案 新型コロナウィルス感染症との闘いが半年近く続いてきました。これから第2波、第3波が予想される中で、日々感染と向き合わなければならない医療者に少しでも感染リスクを低減することはできないものか?とステイホーム中に考えていました。 日建設計の病院設計を行うチームのメンバーでは、

コロナ禍の建築におけるデジタル技術が果たす役割

大浦 理路 日建設計 デジタル推進グループ デジタルソリューション室 コンサルタント コロナ禍におけるデジタル技術の活躍と普及というのはとても目覚ましいものがありました。これは、ウイルスの感染拡大により、企業活動や市民生活に大きな制約が出る一方で、デジタル技術の活用により日々の様々な制約の緩和、回避を可能としたからです。とかく、監視社会の助長、データの不正利用など、負の側面で語られることも多いデジタル技術ですが、正しい理解と倫理の下に利用することができれば、人間を人間らしく

TOD×ウォーカブル ~withコロナに順応する駅周辺エリアのソリューション~

和田 雅人 日建設計総合研究所 新領域部門 研究員 “TOD”に対する強烈なカウンターパンチ? TOD(Transit Oriented Development:公共交通指向型都市開発)は、「鉄道駅等の交通結節点周辺に様々な都市機能を複合的に集約させ、自家用車に過度に依存せず、公共交通と徒歩等を基本とした生活圏を形成する街づくり」です。 我が国では、特に大都市圏において、私鉄を中心に鉄道整備と沿線開発が一体的に進められてきたこと、高度経済成長期における人口集中の受け皿として

コロナが契機の環境親話 ~第2編 働く場所が変わるとエネルギーはどう変わるのか~

山田 一樹  日建設計総合研究所 環境部門 主任研究員 STAY HOMEはエネルギー需要を変えるのか? Withコロナの現状では、新型コロナウイルス感染拡大防止を図るために多くの方がSTAY HOMEを実施しています。在宅勤務を実施する企業も増え、今やWEB会議が当たり前になりつつあります。以前は仕事をするためにオフィスに移動することが普通でしたが、今はIT環境の充実などにより自宅から動かずに仕事をすることが定着してきました。テレワークにより住居や住居近いオフィスで働く生

コロナが契機の環境親話 ~第1編 withコロナの新しい生活様式が地球環境を救う~

堤 遼 日建設計総合研究所 環境部門 研究員 新型コロナウイルス問題は、世界中で人々の活動の制限を強制し、人命や健康だけでなく経済活動などに大きな影響を与えており、一刻も早く解決すべきものです。一方、地球温暖化対策という側面からみれば、経済活動の停滞はCO2排出量の低減には寄与しています。例えば、中国では2月のCO2排出量が前月比で約25%低減しました。しかし、この状態は短期的なものであり、経済活動再開とともにリバウンドが生じるリスクが高いと考えます。 今回コロナ禍に陥っ

レスポンシブ・ストリート ~CELLが描く街路の未来~

鈴木 一樹 日建設計 都市部門 都市基盤計画グループ アソシエイト ストリートに求められる進化 米国や欧州の主要都市がストリートで行ったコロナ禍の緊急対応では、自動車交通を思い切って制限し、歩行者空間や自転車レーンを一気に拡充する例が多く見られました。ここにはWith/Afterコロナを見据えた2つの戦略的な視点があります。 一つは、パーソナルな移動空間を確保する交通政策の視点です。これまで大都市圏の公共交通機関は、ピーク時間帯にいわゆる「満員電車」で多くの人を運んでいまし

幸せな移動・楽しい移動を実現する都市をめざして

上杉 昌史  日建設計 都市部門 都市開発部 アソシエイト 移動はなくならない 私たちは新型コロナウイルスの感染拡大防止のため、人の密度が集中しないように求められました。それは各種飲食店から始まり、商業施設しかり、人が集まるとされるあらゆる空間に及びました。政府の緊急事態宣言に基づきステイホームが求められ、オフィスワーカーは可能な範囲で在宅勤務に切り替えたことにより、都心での名物となっていた通勤・通学ラッシュは一時期なくなり、人の移動自体がコロナ前と比較し、約8割減少しまし