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COVID-19 新型コロナウィルス関連

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2020年7月の記事一覧

医療従事者とともに日本の森林が命を守る ~医療×つな木~

大庭 拓也 日建設計 設計部門 アソシエイト アーキテクト Nikken Wood Lab|「レジリエンス」な社会インフラの提案 コロナウィルスとの闘いは収束を見せず、これから第2波、第3波が懸念されています。それに加え日本では、地震や豪雨などの自然災害も頻繁に発生していることを踏まえると、様々な非常事態に対して弾力的かつ継続的に対応できるシステムが必要と考えられます。 日建設計の木質・木造の開発研究を行うチームNikken Wood Labではこのような社会課題に対して、

都市にリアルな交流を生む  ~可変ユニットで使いこなすパブリックスペース~

伊藤 雅人 日建設計 都市部門 パブリックアセットラボ アソシエイト アーバンデザイナー リアルな交流を実現してこその健全で豊かな都市生活前稿「『疎』をさりげなくつくる~安心で心地よいパブリックスペース~」でも触れられたように、With/After COVID-19の時代において、パブリックスペースが都市の中で大きな役割を果たすことは間違いないでしょう。 オンライン打ち合わせが当たり前になり、「ウェブ飲み」が市民権を得たとしても、リアルな場でのコミュニケーション、例えば友人

「疎」をさりげなくつくる  ~安心で心地よいパブリックスペース~

仁井谷 健  日建設計 都市部門 ランドスケープ設計部 ランドスケープアーキテクト 私たちランドスケープアーキテクトは、建築や都市開発のプロジェクトを通じて、土地の自然や文化に根差した風景や、都市の憩いの場となる屋外空間をデザインしています。 また出来上がった空間が、雨風に晒されてどう変化していくか、植えた木がどう育っていくか、さらには台風などの自然災害にどう付き合っていくかなど、竣工後、重ねていく「時間」に向き合ってデザインしています。 そこへさらに「感染症の拡大を防

Biophilic Design  ~自然と交感する建築~

杉原 浩二 日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ ダイレクター コロナ禍の最中、家に閉じこもってこの原稿を執筆している今、安心して気持ちよく働ける場所があればいいなと切に思い、人や自然との直接的な繋がりを求めている自分に気付きます。 これからの働く場は、それがどこであれ、より人や自然との繋がりを重視した設計が求められることになるでしょう。 Biophilic Designとは、生命や自然との融合を志向する建築デザインのことです。建築と設備の設計においては、新しい

ワーク&ライフスタイルローテーションによって地方にもたらされる新たな価値

平下 貴博 北海道日建設計 都市設計室 次長 コロナパンデミックにより働き方や住まいに関する価値観が変わり、テレワークを支える技術の進展やインフラの普及もあいまって、郊外・地⽅への移住あるいはオフィス移転を考える個⼈や企業が増加する可能性があります。個々人のライフステージで求められる役割に適した場所で仕事を続ける「ワーク&ライフスタイルローテーション」によって、個人と企業が新しいWIN-WINの関係を築くことができれば、地方に新たな価値をもたらすことが可能となるのではないで

感染症を抑える健康・安全都市へのアプローチ

吉田 雄史 日建設計総合研究所  主任研究員 今回のCOVID-19への対応を通じて、先ず守らなくてはならなかったのが「三密」回避です。会議・飲み会はオンライン、店でレジ待ちの際に人と人との間隔を空ける、定期的に部屋を換気するなど、日常のちょっとした行動に至るまで気を配るようになりました。 本稿では、都市における「空間・環境」は感染症にどのように対応できるのか、少し具体的に考えてみたいと思います。 改めて問われる都市づくりへの「公衆衛生」の視点 今回のCOVID-19に限

Smart Operation Building ~withコロナのオフィスビル 5つのキーワード~

後藤 悠 日建設計 エンジニアリング部門 設備設計グループ アソシエイト 非常事態宣言から3か月。現在でも、ほとんどの日は在宅勤務をしていますが、やってみれば意外とできるものだと感じています。 では、オフィスはもういらないのでしょうか。その答えは様々です。完全テレワークに切り替えてオフィスを解約した企業もあれば、ソーシャルディスタンスを確保するために、オフィスを拡張する企業もあるようです。 個人的には、オフィスは必要だと思います。家とは違う居場所、偶発的な刺激、腰の痛く