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自分語り、してみました。

はじめまして。仁木崇嗣(にき たかつぐ)と申します。

もともと人前に出ることは得意ではなく、目立ちたいタイプではないのですが、「お前、誰やねん」と思われることが多くなってきたので、自分語りの記事を一つ残しておこうと思います。

何者でもないし、何者かになりたいとも思いませんが、何かをやり遂げる役割はあるような気がしているので、これからのことを考えるにあたり、これまでのことを振り返っておきたいと思います。


生まれと育ち、自衛隊から社会起業まで。

ちょうど今、TBSで『不適切にもほどがある!』という阿部サダヲ主演のタイムトラベル系ドラマが放送されていますが、過去の舞台となっている1986年が私の生まれた年です。奈良県の北西部、大阪のベッドタウンのような地域で生まれました。

チャンネルをガチャガチャ切り替えるブラウン管テレビやダイヤル式の黒電話が記憶にある世代で、物心ついた頃にはインターネットがあり、ガラケーに初めて触れたのは中学生くらいだったと思います。

その頃に読んだ大前研一氏の『やりたいことは全部やれ!』(2001年・講談社)という本が今も印象に残っています。

この本の影響もあったのか、中学を卒業してすぐに自衛官になるコース(現在の高等工科学校と異なり、当時は少年工科学校という名称で、入校と同時に3等陸士に任官する制度でした)で自衛隊に入り、6年間自衛隊に勤めました。

卒業はしませんでしたが通信制大学や予備校に通い、一般幹部候補生の試験を受けました。大卒相当の自信をつけたかったからです。筆記試験の合格通知をいただいたタイミングで民間企業に転職を決意しました。

21歳で退官し、IT系の小さな会社で2年ちょっと経験を積ませてもらい、23歳で起業をすることになります。選挙専門の制作会社です。

縁あって選挙業界に事業者として参入するわけですが、デジタルハリウッド大学院という社会人大学院でデジタルテクノロジーについて学んだことがきっかけで、デジタルネイティブ世代の地方議員ネットワークづくりや様々な領域の勉強会などの社会活動にシフトします。

この辺りの話は、Forbes JAPANさんの記事でお話ししているのでこっ恥ずかしいですがリンクを貼っておきます。

上記の記事の後に、大きなターニングポイントが3つありました。もし明日死ぬとしたら人生を振り返って思い出す3つの出来事です。需要があれば、いつかそれぞれnoteに書きたいと思いますが、ここでは概略だけお伝えします。

3つのターニングポイント

1.香港民主化デモに関するネット署名キャンペーン

2019年6月に香港で起きた大規模デモについて覚えていますでしょうか?
あの報道を見た時の衝撃は大きく、何か行動せねばならないという使命感のようなものを感じました。すぐ動けるものとしてネット署名があると思い立ち、一般社団法人ユースデモクラシー推進機構の取り組みを通じて知り合った地方議員の仲間を一人ひとり誘い、実名表記で賛同人に加わってもらい「香港の行政長官に対して日本国の意思表示をするよう外務大臣に求める」署名キャンペーンを始めました。

2019年6月13日に開始した初回の署名キャンペーンはその後の情勢変化に合わせて6月15日にクローズしましたが、この間に2,038名の方々に署名いただくことができました。

その後、深圳に武装警察が集結しているという報道が流れる等、衝突が激化する中、隅屋輝佳さん(一般社団法人Pnika代表理事・当時)からシビックテック界隈も大変なことになっているという連絡をいただき、関治之さん(一般社団法人コード・フォー・ジャパン代表理事)にも共同発起人に加わっていただく形で、第二弾の署名キャンペーンを8月16日から開始しました。行政府が動くことは難しいと判断し、当時、米国議会で審議中だった「香港人権・民主主義法」と同様の法案を日本の国会でも議論を開始することを求める内容としました。現地でも注目され、17万弱の署名が集まり、励みになったという香港人からのメッセージも多数届きました。

このキャンペーンがきっかけで、自由と民主主義を重視する価値観を持つ人たちとの出会いが増えました。香港民主派グループとの接点も生まれ、ずっと国内だけを見ていた自分の視野の狭さに気づくことになりました。

2.コロナ専門家有志の会オンラインコミュニケーションプロジェクト

時系列通りにお伝えすると、2つ目のターニングポイントは、やはりコロナ禍です。この出来事は私だけでなく、全ての人類にとってのターニングポイントだったと言えると思います。

私に限っていえば、この間、尾身茂先生ら当時の旧・専門家会議や厚労省クラスター対策班等の関係者で組織された専門家による「コロナ専門家有志の会」のオンラインでの情報発信のプロジェクトに関わっていました。2020年4月5日に最初のnoteをリリースし、プロジェクトがスタートしました。

このプロジェクトは、以前から理事として関わっていた認定NPO法人全世代を基盤としつつも、危機に呼応して集まった完全ボランティア&プロボノのメンバーが加わり、本当に多くの方々にご協力いただきました。加藤貞顕社長をはじめ、noteの皆さんにも大変お世話になりました(この場を借りて改めてお礼申し上げます)。

インスタライブの裏側

報道でも取り上げられたnoteやTwitter(現・X)、Instagramの取り組み以外にも実は様々な施策を実施しており、とにかく人々が知るべき情報をダイレクトに届け、行動変容に繋げようと試みていました。

実施した施策

このプロジェクトに関わることで、文字通り全身全霊で危機対応にあたる先生方を前にして、公益のために働くということの意味を理解した瞬間でした。

自分の天分以上に社会のための仕事に取り組めたという自負があったので、大袈裟かもしれませんが個人の感情としてはこの世に未練はないというか、自衛官を続けていた人生よりも社会に貢献できたのではないかという自分への納得と、ある種の達成感がありました。

3.国会議員秘書として

上記のプロジェクトがひと段落した頃、1人の国会議員から連絡がありました。山尾志桜里衆議院議員(当時)です。山尾さんは中谷元衆議院議員と共に国会議員の間で香港問題に関する署名集めを主導しており、香港民主派グループが主催する院内集会イベントで初めてお会いし、意気投合した経緯がありました。ちなみに中谷元さんはかつて(仁木が若かりし頃に企画した)「デジ憲2」というイベントにお越しいただいた事があり、私は勝手に自由民権運動のルーツを感じていました。

当時、山尾さんと中谷さんは共同代表を務める形で「対中政策に関する議員連盟」を立ち上げていたのですが、その議連を通じて「マグニツキー法(人権侵害制裁法)」の立法を目指すので一緒にやらないか、というお誘いでした。

以前の私なら、政治と市民社会の間にいる者として、政治的中立性を気にして党派性を帯びることを忌避していたかもしれませんが、コロナのプロジェクトを通して、他人からどう思われようと、自分の信じる大義のためなら瑣末なことだと思えるようになっていました。間違いなく、自由と民主主義のための仕事になる。そう思いました。

結果的に未だ「マグニツキー法」の立法には至っていませんが、議連は「人権外交を超党派で考える議員連盟」として発展し、立法府において人権外交政策を深めるための一定の役割を担っているように思います。

現在は、議員卒業後の山尾さん改め菅野さんと一緒に立ち上げた一般社団法人国際人道プラットフォームとして引き続きサポートしています。

チーム山尾事務所の最終日

永田町での、とりわけ山尾さん(菅野さん)との仕事は、とても充実しており学びの深い日々の連続でした。野党議員でもこれだけの仕事ができるのかと外にいるだけだとわからなかったことがたくさん学べました。色々ありましたが、本当に楽しかった。

秘書ミッションを終えた後は、公共政策系のコンサルファームを手伝ったり、ある財団のプロジェクトに関わったりと、必要とされる場所で必要とされることに関わり、色々と勉強をさせていただきました。

そして、これから。

このようなキャリアなので、自己紹介が難しく、ラフな時は「活動家です」と自称しているのですが、大学で講師として教壇に立つこともあるので、変な誤解を生まないよう補足説明をしなくてはいけないのが実情です。私のライフワークに名前をつけたいというのが最近の悩みです。笑

起業直後の時のように金儲けだけをやっていれば多少の財があったかもしれませんが、社会活動に振り切って代わりに得られたのは、得難い経験と人との出会いでした。これまでの経験と出会いが全て血肉となり私の人格を形成しているように思います。

やりたいことは一通りやってきたようにも思いますが、この国の民主主義をより良いものにしたいという願いはまだ成就していませんし、それについてやれることはまだ残されているように思います。

既にお釣りの方が多い人生ですが、全てをやり切ったと思えたとき、心の底から満足して人生を終えられるのだと思います。そういう意味ではまだ「やるべきこと」があるようにも思います。

30代の終盤になり「やりたいこと」と「やるべきこと」が重なることに、もういっちょ全力で取り組むタイミングが来たかなと感じています。

ということで、これからやりたいこと、やるべきことの土台となるアイディアをnoteにまとめました。1人では大事は成せませんが、命懸けで取り組む仲間が5人もいれば世界は変えられると思います。

これまでも出会いに恵まれましたが、これからも新たな出会いが生まれるといいなぁ。

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