見出し画像

図表を通して改めて 「・・・未だに30万床のまま・・・」を解説!

画像1

① 1925年ごろ、高倉健誕生の少し前から、年間の出生数は毎年ほぼ200万人越えになっている。つまり戦前の「生めよ、増やせよ」の時代を経て、終戦後の団塊の世代へと・・・この約20年の間の4000万人世代が、その先の敗戦からの復興と経済成長の先兵となったのである。一方で、思春期に多くが発症する統合失調症、発病確率は古今東西約100人に1人だ。ならこの間、約40万人。1960年中ごろから1970年にかけての精神病院ブーム、病床30万床、その受け皿となった。

画像2

② 人口動態統計表を反転させてみた。図のように、先に紹介した4000万人世代は高齢化、高倉健も故人となった。もちろんその世代の精神科病院に長期入院の精神障害者も同じ時を経て老い、亡くなっていく。

画像3

画像4

③ 21世紀に入って精神疾患が急増している。そして、「五大疾病」の一つになった。
ただ、入院患者数はほぼ横ばいだ。長期在院患者の死亡退院が続いているはずだが、病床は30万床を維持。

画像5

④ 当院が開院したのは,1957年、64年前である。開院当初の新規受診者500名を調べてみたところ、F2:統合失調症が50%を超えていた。しかし、一昨年の新規受診者500名をみてみると、F2:統合失調症は10%程度である。F3:気分障害(うつ病等)、F1:物質依存(薬物・アルコール依存)、F4:行為依存(ギャンブル依存等)と多彩となっている。他の医療機関においても、各々のHP、年報等の情報から、最近のF2:統合失調症の新規受診者に占める割合は、どこも10%前後だ。いわゆる疾病構造の変化の中での多様な精神疾患が増加している、といっていいだろう。

画像6

⑤ 1987年に改正された「精神保健法」(現、精神保健福祉法)の第20条では、「・・・、精神障害者を入院させる場合においては、本人の同意に基づいて入院が行われるように努めなければならない。」としており、その[要旨]には「・・・本人の人権尊重という観点から極めて重要である・・・」と。ところが近年、その任意入院の減少が続いている。逆に、主に統合失調症が幻覚妄想状態で病識欠如となった急性症状の時期に適応される医療保護入院(非自発的入院)が急増。しかも統合失調症が減っているにもかかわらず・・・だ。どうしたんだろう。精神障害者の人権擁護を目的として設けられている全国の精神医療審査会が、機能不全状態に陥ってないか。

【結論】
精神病院ブーム時代に横行してた統合失調症中心の患者狩りの手法が、
「3ヵ月の縛り」で多様な精神疾患にまで広がり、回転ドア症候群、
そして、社会的入院へ・・・。
それを精神医療審査会は見て見ぬふり!!なるほど!

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?