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*わたしの献立日記 沢村貞子著 読書感想

自分が想像していたより遥かに美味しそうな
料理を沢山食べている。

雑誌のおすすめ本の特集などで何度か見かけ、気になったので図書館で借りる。年季の入った書籍独特の紙の匂いをかぎながら、ページをめくると丁寧な文面と、牛のビフテキやカニ鍋、家に来てくれるという魚やさんから買った新鮮な魚たち、そして鮮度や名だたる涎垂れ下がる料理達に負けない沢村貞子さん作る和食の逸品たち…。日記が書かれた年代からすると、かなり豪華な食事内容で華やかさもあり、さすが女優さんのお宅!と思っていたが様々な経験や子供の時の食事の記憶などが重なっていき、そこから行き着いた豪華だけではないやんわりとしたこだわりも垣間見えた。

面白かったのは献立日記の中にはさまれている「女優沢村貞子」の話やその周りにいる方々との料理にまつわる話。役者の裏話的なものが知れてこの話に出てくる女優Aさんとは誰だろう?!と想像したり調べたりしてしまった
献立日記の後半は歳を重ねたご家庭の料理に変わっていき、魚、豆腐、野菜の文字が増えてくる。少し切なさも感じつつも読了。
献立には沢村貞子の家人に対する気遣いや食事を1食1食丁寧だけではない「食べる」というこだわりを感じ、ずっと読んでいても飽きさせない1冊になっている。

いつでも手元に置いておき、ふとした時に
本を開いて今日のご飯の参考にしたり、お茶を頂きながらゆっくりと時間を過ごす時に手に取るのにちょうど良い一冊です。とりあえずは七色なますとたらの子煮、たべなきゃ。

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