ジェットコースター人生 その31
連絡が来るまでの2ヶ月間はあっという間に過ぎました。
3件のエステサロン、通販会社、薬局。化粧品会社、運送会社。全く畑違いの業種も今やいろんな方面に手を広げていたのには驚きました。それぞれに製品のデータや提案書を送ります。
新たにサーモグラフィ画像も撮って提案書に添付したり、その会社のパンフレットの打ち合わせなどすることは山ほどあります。
スッカリ忘れかけていたころ連絡がありました。
その女性は何度も試して、今繰り広げているサロンのメニューに加えたら面白いことになると自信ありげに話されます。本社にも呼ばれて上司とも打ち合わせをしました。あの大手のサロンで使ってもらえるなんて。胸の高鳴りは全身に巡って期待は不安をのみこんでしまいました。
仕事を1本に絞って3年。その原料はいろんな製品に使われているものですが、ジェルがなかったのが「隙間」だったのかもしれません。
商品は次々と新しいものが出てきます。どんなに良いものを作っても流行という波に乗るのは生半可なことではありません。
あまりのとんとん拍子にどこか落とし穴があるのではないか?
そんな不安もありましたが、準備を製造会社にお願いしました。
いよいよ納品の前日、電話を入れました。2回、3回繋がりません。
ふと嫌な予感が遮りました。まさかという思いと大丈夫という
思いが何度も交互にやってきます。
丁度健康雑誌に掲載されることが決まっていたので、もしものことがあっても何とか乗り切れる、乗り越えなければと自分に言い聞かせました。
疲れた脳には甘いもの。近くのデパートのスイーツコーナーは癒しの空間となりました。もう一度電話してみよう。よどんだ空模様は今の私の心そのものでした。