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寄り道はたいせつ

時間に追われなくなって、いろんなところで寄り道、道草を食うようになりました。

青々としたシロツメ草の絨毯にぽつんとベンチ。座りたくなりませんか?

そこに座って、上を見上げると青い空に白い雲、暑すぎる日にはやめておいた方がいいですが、朝の早い時間まだ大丈夫となるとちょっとひと休み。

空高く飛ぶ鳥はそれぞれ高度を変えてさながら飛行機のようです。出遅れたのかのんびりなのかツバメも飛んでいて、一番高いところは黒くて大きな鳥です。カラスとも違って悠々と羽を広げて泳いでいます。

あちこちから違う鳴き声が飛び交って会話のようにも聞こえます。

目的地に向かってほかには目もくれず進んでいた時と違っていろんなことがみえるようになりました。なんだこんなところに神社があった!とか山のすそ野に戦時中の防空壕の穴、石垣に咲くきれいな花、小さな城跡の立て札。乾いた土管をねぐらにしているまち猫は白と黒のぶち…。こんな狭いところからでも向こうに海が見えた!

寄り道で見つけるものはみんな生活の中に溶け込んでいて、ひっそりと存在していますが、何十年もそこで生きつづけていたのだと思うと、ちょっとした歴史を感じます。私が気づかなかっただけでそこにも時間は流れていたのだと改めて…。

人生も同じことが言えます。横道にそれないことがいいように言われてきましたが、果たして豊かな心を育めたかどうか。私たちの親は「横道には逸れないようにね」と言うのが常でした。特に男の子を持つ母親は…。究極のことを言っているのですが小さいことから目を積んでおかないと大変なことになるという心配もあったようです。

私は子供にも寄り道は大切だと思っています。もちろん程度はあります。親の知らないところでいろんなことを知ったり、学んだりと、親にとっては心配なことですがそこは子供を信頼して、見守ることも大切です。

「どこでそんなこと覚えたの⁈」ということもたびたびありました。親の知らぬところでちゃんと成長している証です。それを歓迎するくらいの心の大きさを親は持ちたいものです。

親が教えることには限界があります。いろんな人に出会っていいも悪いも吸収できるのは王道ではなく路地裏にたくさん落ちているものです。またそれは子供たちにとっては魅力的!なことが多いようです。

しかし子供たちが安心して寄り道ができるのも、温かいごはんを作って待ってくれているおうちがあるからです。

疲れても帰るところがあるからです。

人のあたたかさを知っていればまた戻ってきます。

帰っていくことのできる港があれば安心して航海ができることに似ているように思います。

今日もいい日にしましょう!





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