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『あわのまにまに』 吉川トリコ

 語り手を変え10年ごとに過去へ遡る物語。
 最初の語りは未来。2029年。
 語り手は子供で、そこから見る親戚たちの関係性がとてもわかりにくい。
 そのわかりにくさが本書の謎そのもので、読み進めていくうちにそういうことだったか、と納得していくことになる。
 
 何を書いてもネタバレになりそうなんだけど、近しい人との愛情関係の不思議、描かれない時間に起きただろうこと(未来は先に描かれているのでわかっている)を思うこと、読者に委ねられている部分が大きく、想像が膨らむ。

 最初に相関図を作成してしまうと良いかもしれないです。


 


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