お勉強324:PACIFICレジメンwith CDDP+S-1 日本のII相試験

イミフィンジのベストペア―は?
ということで、S-1+CDDPを使ったCRTを
使ってみました。という他施設単armII相試験。日本から

CDDP 60 mg/m2, day 1 + S-1 (80–120 mg/body, days 1–14を
4週回しで行うレジメン

S-1は体表面積で投与量調整
1日目からRT60Gy/30Fr
イミフィンジはCRT終了後42日以内に開始
測れる人はPD-L1の発現、ALK/EGFRもチェック

プライマリーエンドポイントは1年時のPFS
1年PFS80%CIを63%-47%と予想して試験を行ったらしい

59人をエントリー
年齢中央値は68歳 70歳以上が59.3%
PSは1が54.2% 全てⅢ期
Sq39% non-Sq 61%
ほとんどが喫煙歴あり

51人がイミフィンジまでたどり着く。
(臨床試験のせいか、若干比率高い印象)
イミフィンジ投与までの中央期間は18日
全治療でレスポンスは72.9% (95% CI: 59.7–83.6%)でえられた

中央観察期間21.9ヶ月でPFSもOSもmedianに達せず。
1年PFSは衝撃の72.5% (80% CI: 64.2–79.2%, 95% CI: 59.1–82.2%)
1年生存は91.5% (95% CI: 80.8–96.4%).

※ちなみにPACIFICはCRT後でPFS:55.9% OS:83.1%

この試験でCRT後だとPFS:70.1% OS:96.1%
G5の有害事象は無し、一番多かった副作用は
予想通り肺炎。 全グレード 78.4%; G3以上 2.0%.

イミフィンジ完遂は(CRTを試みた人すべてを分母として) 52.5%
特に何か優位な予後因子は見つからなかったよう
再発形式は、28人再発のうち
2人がCRT中再発、イミフィンジ投与中が13人
イミフィンジ投与完了後が13人
(完遂症例でも結構再発するんですね…)

局所再発のみが14例、11人が遠隔転移のみ、3人が両方

ステージが違うので、一概にPACIFICとは
比べられないが、いい成績。TS-1のギメラシルがポイント?
(ギメラシルはそれ自体が放射性増感剤として
 研究されていた歴史あり)

成績がいいのはもちろん重要だが、
前向き試験でCRTの完遂率、イミフィンジのコンソリデーションの
完遂率を出した初めての試験と筆者らはその意義を強調。

他の文献でも指摘があるが、意外と局所再発が多い?
遠隔転移が減った影響もあるのか。

イミフィンジ時代に
74Gyはやり過ぎの感はあるが、66~70Gyに
線量を上げるのはアリな気がする。
まぁ、そうするとV20が増えがちなのですが
(増やさないで中心だけSIBというのはありかも)

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