お勉強452:乳がん、術前化学療法でpN0なら領域照射は要らない
これのスライド。
前提条件としてN=1~3は意見の分かれるところだが、
pN+の乳癌で、
乳房全切除術後の胸壁への照射を含むRNI(いわゆるPMRT)
乳房温存術後の全乳房照射へのRNIの追加(WBI-RNI)
の有効性は確立している。
今回は術前化学療法を受けた後にypN0となった患者で
果たしてRNIは必要か?というテーマ
cT1-T3、cN1、M0の乳癌で、
8週間以上の術前化学療法(HER2陽性の場合は抗HER2を含む)をして
病理学的にypN0が認められた患者が対象。
RNIの有用性を確かめるためのランダム化フェーズ3試験。
割付因子としては
術式/ホルモン受容体の状態/HER2の状態/術後化学療法の有無
病理学的完全奏効(pCR)の有無
乳房全切除術のみ
または乳房温存術後の全乳房照射のみを行う群(RNIなし群)
PMRTまたはWBI-RNIを行う群(RNI併用群)
のガチンコ試験
解析対象となったのは1556人(RNIなし群が784人、RNI併用群が772人)
https://twitter.com/StephenRameyMD/status/1758615977208451279
患者背景はこんな感じ
60% T2
22% トリプルネガティブ
21% ER+ & H2-
50% H2+
58% 乳房部分切除 42% 乳切
55% SLNB 45%ALND
乳房でもpCRが得られたのは約80%
年齢中央値は52歳
RNIなし群では全員が、
RNI併用群では99%が術後化学療法を受けていた。
浸潤性乳癌無再発期間(IBC-RFI)が主要エンドポイント。
OSは副次エンドポイントだが、
観察期間中央値59.5カ月で
に示されるように驚くほどピッタリな結果。
つまり、ypN0であれば、RNIは要らない!
https://twitter.com/StephenRameyMD/status/1758615983185387942
他のエンドポイントもこんな感じ
少しだけ領域再発が減る「傾向」はあるがたいしたことない。
https://twitter.com/StephenRameyMD/status/1758615998297411606
サブ解析・有害事象はこんな感じ
グレード3の有害事象は、RNIなし群では6.5%、RNI併用群では10.0%
サブ解析はTNは明らかに優位性がないが、
ルミナルタイプはそうでもないかもしれない。
PMRTの適応は結構減りそう。
今は原発pCRになっても乳房温存ならRTしているが、
それも変わってくるかもしれない。
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