お勉強342:前立腺がんオリゴメタへの治療

EXTEND( External Beam Radiation to Eliminate Nominal Metastatic Disease)試験
といういわゆるオリゴメタに対する
外照射のランダム化比較試験バスケット試験で
前立腺がんの患者さんを解析した報告

・間歇的薬物的去勢(アビラテロンなども使っている人もいる)
±オリゴメタへのRT
(原発が治療されていない場合は原発に根治的RTを両群とも行う)

の比較・検討。
転移は5か所以下。ホルモン療法とRTは併用。
(併用下でのRT増感効果を期待して、とのこと
 こういうホルモン療法下での前立腺オリゴメタ治療の
 試験は初めてであると筆者らは主張)

バスケット試験の一部だけの検討
なので片群43/44人という小規模な結果

プライマリーエンドポイントはPFS
(死亡/放射線的・臨床学的・生物学的進行がイベント)
※生物学的進行は 25%以上のPSAの上昇、もしくはnadir+2
セカンダリーエンドポイントはテストステロンが保たれた
(150ng/dL以上)状態でのPFSと新規病変

探索的なものとしてはQOLとT細胞状態

オリゴメタへの治療で
観察期間中央値22か月の時点でPFSがHR0.25で優位に延長
テストステロンが保たれたPFSはHR0.32で優位に延長
新規病変も少なくなった
すべての患者特徴でオリゴメタ優位

G4以上の有害事象なし
G3以上の有害事象はオリゴメタ治療群3人、ホルモン治療のみ2人

QOLは差なし

T細胞レセプターはRT追加群で
T細胞が活性化し/増加し、
レセプターのクローナルエクスパンジョンが起こっていたとのこと
→筆者らはいわゆるオリゴメタへの治療が
 それなりの免疫活性化を惹起し、病勢制御に役立っているかも、
 と推察している

筆者らはオリゴメタの治療で現在コントラバーシャルな
間歇的ホルモン治療が進行なくできる可能性が上がり
患者のQOLが改善される、と主張

前立腺がんはオリゴメタの治療はかなり有望そうです…

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?