盆栽を感じる|ナインチェ・プラプラウスの「いつかいなくなっちゃうかもだし」#38
苔は乾燥すると水を弾くそうです。
基本的に湿っているイメージの強い苔ですが、一度乾くと中々水を受け付けてくれなくなります。
水をかけて何度も揉み込んであげなくてはいけないそうです。
一度乾くともう一度潤うまで時間がかかる、信頼と同じですね。
どーもどーもナインチェ・プラプラウスです。ちんちんと同じではないですね。
ちょうど先週、二人は盆栽体験に行ってきました。
昨年末、1周年の記念にミフィちゃんがご主人にプレゼントした、体験系のカタログギフトを使用してのことです。
コロナ禍だったこともあり、中々タイミングが合わず、もう既に1年が経とうという先日、やっと使うことができたのでした。
色々ある中でしたが、ご主人のお眼鏡にかないミフィちゃんも乗る気になったのが、この盆栽体験でした。
盆栽体験、カタログに載っていなかったら中々手を出そうとは思わないものですが、意外と人気のようです。
予約をしようとしても埋まっていることが多く、実際参加してみても二人だけなんてことはなく、二人の他に、50代くらいの女性と20代くらいの女性、合わせて4人での実施となりました。
先生は、40代くらいの男性。いかにもという感じの空気をまとった方で、淡々と話をしてくれました。
体験の内容は、植物選択・土作り・容器入れ・苔と石で装飾、といった構成でした。
想像通りといえば想像通りの構成です。
まず、植物選択です。季節に合った植物を用意してくれており、その中から気に入ったものを一つ選択していきます。
さーてどれにしようかな・・・と思って選ばせてもらえるまでが、意外と長い。
一つ一つの植物について丁寧に説明してくださいます。
大体30分くらいしてた頃でしょうか、やっと順番に好きな植物を選ぶことが許されました。
続いて、土作り。植物を植える土壌を作ります。
よし、じゃあ手袋をして揉み込んで行くのね・・・と思って土を触るまでも、長い。
やはり30分くらいした頃、やっと土を触り始めることができました。
作業開始まで、約1時間かかりました。
この先生、いかにもという感じの空気はまとってはいるのですが、結構おしゃべり。
一つ一つのお話は、へぇ〜と思うものばかりなのですが、割と話が長いのです。
途中、先生が何故盆栽を始めたのかという割と個人的な話をし出した際は、店内にうっすら流れているヒーリング系の音楽も相まって、ご主人は虚ろ虚ろとしていたようでした。
土が出来上がると、そこからは、容器に植物と土を入れ、仕上げに苔と石を入れていきます。
しかし、これらの作業、結構先生がやってくれちゃいます。
必ず、生徒一人のものを使用して説明をされますし、巡回をされては、結構手直しをしてくれます。
ミフィちゃんは、植物を意図的に端に植えたのですが、「これは違いますね」と言い出して中央に戻されてしまいました。ナインチェ的には怒ってないかヒヤヒヤしちゃいました。
50代くらいのおばさんも、苔と石の仕上げ部分を先生にすべてやられてしまい、他の3人が作業している時間、完全に手持ち無沙汰になっていて目も当てられない状態でした。
逆にご主人が、ちょっと困っている時に限って、先生は何もしてくれなかったりして、世の中の理不尽さを感じたのでした。
「いやぁ、みなさんよくできましたねぇ」
いや、ほとんどやったのお前だろうがよ、と全員が心でツッコミを入れるということもありつつも、約3時間に及ぶ盆栽体験は終わっていきました。
とはいえ、この盆栽というやつの本質は、植えることにあるわけではなさそうです。
家に持って帰った盆栽を日々、自分なりに育てていくことに意味があるのです。
盆栽といえば、おじいさんが枝をハサミをパチパチ切っているイメージですが、まさにあれ。
今後、成長を見守りながら理想の形となるようにケアしていくことこそが盆栽の道のようです。
先生が並べてくれていた植物たちは、皆樹齢数年のものばかりでした。
赤ちゃんのような植物たちは、これからのケア次第でどんな形にも成長していくとのことでした。
店頭には、樹齢が数十年の植物もいくつかありましたが、意外とほっそり感じました。
植物の寿命は人の数倍以上。動物は大抵100年以内には死にますから、植物は、地球上で最も長い命を持っていることになります。
そう考えた時、地球の主役は植物で、わたしたちはその一部でしかないのかもしれません。
そんな偉大な世界を考えた時、自分の卑小さを感じてしまいますが、逆に手のひらの植物を見つめることで、一つ一つの輝きにも目を当てることができるのかもしれません。
眠い中長話を聞くのもたまには悪くないなと思ったナインチェでした。
そういえば、二人は、盆栽に、「猿丸」と「木」という名前をつけていました。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?