「たくさん勉強してすべて忘れるのが価値が高い」
オフィスリノベーション
2021@阿倍野
元々のオフィスの建具や床材との調和もしくは摩擦をどう考えるかが今回のテーマで。
パーティション素材のスケール感で印象に残りやすいのが60mm幅×30mm幅の縦軸でそのスケール感は既存のガラス上の帯や間仕切り幅や床上げの見付の厚みから引用しています。
「馴染ませる」は作為的に行わなくては生まれないですし。
パーティションで使っているトドマツは香りを重視したくて素地の部分は塗装はせず石鹸で洗って終わってます。
ヤスリがけも800番→1000番→1500番→2000番→2000番で撫でるみたいな感じで赤子の肌くらいの手触り感です。
トドマツの木目の品が既存の建具のメープル材と近い反射率になって職人さんの技術の尊さ感じてます。
海外投資家の目線も意識されてる代表で「日本っぽいデザインを」と言うリクエストとともに麻の葉の和柄を見せられたりしましたがメープルとの調和が取れず。
メープル材は国産材少ないですし。
日本とは?と調和とは?を考えた結果障子に行き着きついてます。
既存のオフィスの空間軸が水平線だったので横繁障子のデザインを踏襲しています。
22ヶ月計画で規模拡大してさらに大きなオフィス にする構想もあるみたいで移設も視野に入れた設置計画です。
松だからとても軽い。
伝統やカルチャーは2周すると意味が変わると考えてます。
過去の伝統的な建築工法からシミュレーションすることが多いですが過去の伝統の意味を学んで且つそれをすべて忘れてイメージだけを荒越ししてみたいなことをするのがマイブームです。
過去を遡っても伝統や文化は2周すると意味合いが変わってるのでリサーチする意味はあるのか?と考えたりもします。
写るんですが分かりやすくて1980年代の写ルンですはそれまで高価だったカメラが安価で一般化されたムーブメントでした。
それに対し最近の第三次写ルンですムーブメントはスマホによる解像度の高さによってすべてが明確で美しいアウトラインを備えるようになってしまったことに対するダダイズム的なムーブメントだと考えるわけです。
結論リサーチや勉強は行うが普遍だけを抽出して全て忘れるのが概ね正しい。
「価値があるものが残るのではなく残ったものが価値がある」
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