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「他人からの視線を感じる」は本当か?

脇見恐怖症の方とお話ししていると、
「周りの人からの視線を感じる」という話をよく聞きます。
「周りの人が自分の視線を不審がってこっちを見ている」というようなパターンが多いです。

私自身も脇見恐怖症がひどかった頃は、よく人の視線を感じて「見られているな…」なんて思って体をこわばらせたりしていました。

これが辛いんですよねぇ。一度「見られている…」と気にしてしまうと、体が思うように動かなくなって仕事に集中出来なくなって。
でも仕事は間違っちゃいけないし、集中したいのに意識はどうしても視線を送ってくる人に行ってしまう…すごく、すごく疲れますよね。。

脇見恐怖症仲間とオフ会で色んな話をしていると、他人から見られているという感覚に悩んでいる人が沢山いることが分かりました。

それと同時に、その「見られている」という感覚自体が勘違いであるというパターンが大変多いことに気づいたのです。

現実=あなたの意識(思い込み)

その前に一つ大切な前提があるのでお伝えしておきます。

それは、私達の目の前に現れる現実は、自分の思い込みを通して現れるということです。

現実=あなたの意識(思い込み)

あなたの目の前に現れる現実は、すべてあなたの脳を通して見える現実です。

例えばもし「自分は魅力的で異性によくモテる」というセルフイメージを持っていたAさんがいたとします。
そんなAさんのことをジッと見つめる男性がいました。その時「自分は魅力的。モテる」というセルフイメージを持っているAさんの脳には「自分は魅力的フィルター」がかかっています。「自分は魅力的フィルター」越しに世界を見ているAさんにとって男性の視線はとてもポジティブで熱いものに感じられます。ですから、「あら、あの男の人私がかわいいから見てるのね」と「自分は魅力的、モテる」という思い込みに基づいた解釈をします。

それとは反対に「私には魅力がない。みんなに軽く扱われる」というセルフイメージをもつBさんがいたとします。
先ほどのAさんと同様に、Bさんのことをジッと見つめる男性がいたとき、Bさんはどんな風に感じるでしょうか?
Bさんは、「自分は魅力がない。人から軽く扱われる」というセルフイメージを持っているので、脳に「自分には魅力がないフィルター」がかかっています。そんな「自分には魅力がないフィルター」越しに世界を見ているBさんにとっては、男性の視線はまるでBさんを小馬鹿にしてるように映ります。

AさんとBさんのことをどういう気持ちでその男性が見ていたのかは、その男性本人に確認しない限り分かりませんが、AさんとBさんのセルフイメージ(自分に対する思い込み)によって解釈がまったく違ったものになるのです。

「視線を感じる」も思い込みであることが多い

たくさんの脇見仲間と話していると、「他人からの視線を感じるな」そう思った時に、思い切って相手を見てみるとただの勘違いであったというパターンが多いことに気づきました。

私も昔、「上司にめちゃくちゃ見られてる…」そう感じて緊張しながら仕事をしていたことがあります。
あまりに気分がよくなくて、思い切って上司を見て確認するとそこには誰もいなかった。ただただ自分の勘違いだった。ってことがありました。(無駄に緊張して辛かったなぁ…)あなたにも心当たりはありませんか?

それから、「誰かがこっちを見ているな」と思ってそちらの方を見てみると、実際は人間ではなく物だった。なんてこともよくありました笑
これも脇見仲間の中ではあるあるで、よくそんなエピソードをみんなで紹介しあっては笑っていました。

これらの現象は、「自分の視線はおかしいから、周りから変な目で見られる」という思い込みがベースになっています。

「自分の視線はおかしい」そう思っているからこそ、誰もいないのにそこに人が居て不審な目で見ているとか、人間ではなく物なのに「見られている」と感じるのです。

真うしろからも視線を感じる?

脇見恐怖症の症状が重い時は、目の前や横などの視界に入る人だけでなく、視界に入らない後ろに入る人の視線までも感じるという人もいます。
しかし、これは紛れもなく勘違いです。

今子供にも大人にも大人気の漫画「鬼滅の刃」の中には、こんなシーンがあります。
伊之助という猪の毛皮をかぶったキャラクターが登場するのですが、伊之助は、人の殺気を肌で感じ取り、後ろにいる人物が自分のことを見ていることを感じとることができるそうです。
主人公の炭治郎は、そんな伊之助の能力をすごいすごいと絶賛しています。

この漫画に登場する伊之助も炭治郎も常人では考えられないような肉体と精神の鍛錬を乗り越えてきた人たちです。(ごめん、知識が薄くて語彙力がイマイチ)

そんな2人が、「後ろの人が自分を見ているのが分かる」という能力について驚き、興奮して話し合っているのです。

これは、作者の人が「普通の人間の能力では、後ろの人の視線を感じとることなんてできない」ということを理解しているからこそ出来たシーンです。

そして、それを読んでいる読者のほとんどの人も「後ろの人の視線など普通なら感じられない」と思っているからこそ読んでいて「すごい。鬼滅おもしろい!」となるわけです。

「後ろの人の視線を感じる」というのが当たり前の世の中であったらこんなシーンは成立しないのです。

他人からの視線は自分が作り上げたもの

「他人から視線を感じる」という時、たいがいの場合は勘違いが多いです。
つまり、「他人からの視線を感じる」という状況を作り出しているのは自分自身なのです。

そしてそれは、「私の視線はおかしいから、周りから不審な目で見られている」という思い込みが原因です。

対処法は?

では、実際に他人からの視線を感じるような気がして怖いと感じている時はどう対処したらよいのでしょうか?

そんな時は、思い切ってキョロキョロしてしまうと案外楽になりますよ!

「やばいやばいこっち見てるよ…」と体をこわばらせて、相手を見ないようにしている時が一番辛いです。
そこで勇気を出して首を動かして、思い切り別の方を見たり、視界を広げてあちこちみるとこわばりがほぐれます。

あちこちをキョロキョロするしぐさなんて人間は普通にしてますから、不審になんて思われませんよ。
むしろ固まっている方が不自然なのかも知れません。

脇見恐怖症の人にとってあちこちをキョロキョロすることはとても難しい事かも知れません。しかしぜひ試していただきたいなと思います。

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