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二次元好き女子を前のめりにした社会科授業

2次元大好き女子の会話


掃除終了後、棚の上に上がって習字を教室に掲示していた
私がいないものと思って教室に入ってきた2次元大好き女子の会話
「次の授業、なに?」
「社会」
「えー?いやだな」
素の二人の会話が聞こえてきた
これまで力を入れてきた社会科授業
あくまで「がんばってきたつもり」だったのだろう
「社会科いやだな」と言ったA子が前のめりになる授業をしようと決意した


貿易の学習


5年生の社会科
「工業生産を支える輸送と貿易」
日本の工業生産に必要な物資の確保を支える輸送と貿易を学ぶ
ここで、日本は他の諸外国に支えられて工業生産しているという関連性を実感的に気づかせていく
この社会科嫌いの女子を前のめりにさせるために、「貿易ゲーム」を活用した
貿易ゲームは、ネットで検索すれば素材が出てくる
まずは班を作ってそれぞれに封筒を選ばせる
封筒には具体的な国名が書かれている
中身が重要

途上国であれば資源である「紙」
発展途上国であれば技術である「えんぴつ」「はさみ」が少々と資源である「紙」
先進国であれば高度な技術である「コンパス」や「はさみ」が入っている
そこで、決められた形や色どおりに製品を作っていく
難しい形であればあるほど、高い商品になる
一番売り上げたチームが勝利


貿易ゲームで


子どもたちは、必死に頭を使って高い売り上げを目指していく
やってみればわかるが、技術がある方が圧倒的に強い
技術力である「はさみ」「コンパス」がなければ、高額の商品を作れないのである
先進国の子どもたちは、自分たちの売り上げをあげる
しかし、自分たちだけ売り上げていれば、ほかの国から非難を浴びるという展開になる
A子は途上国の班になり、先進国ばかりが売り上げることにいら立っている様子であった
そうした周囲の状況を見て、先進国の子たちはうまくバランスを取り始める
自分たちの技術を上手に貸し始めるのである
A国に貸したら次はB国、というように、みんなが満足してくように考える
そして、うまく資源である紙を手に入れていく
そのために、あらかじめ先進国には、はさみを二つ渡しておく
一つは自国用、もう一つは貸し出し用、というように
そこで、みんなでバランスよく成長していく実感をしていく


上手に他国と交流するには?


貿易ゲームが終わり、振り返りの時間
他国と上手に交流していくためには何が大切か?という問いを投げかける
それぞれ、意見を出していく
「ほかの国と、うまくバランスを保つこと」
という意見が出てきた
すると、二次元大好き女子が前のめりになった
「そうそう!自分たちだけじゃあだめじゃん!!」
つぶやき始めた
後進国だったいらだちが、情動になって表出したのである
「何が言いたいの?」
すかさずA子に問う私
「だって、自分たちだけもうけてもダメ、みんなが成長しないとうまくいかない」
と、その子から意見が出た

やった!という実感が私の中で生まれた。


「みんなでwin-winにならないと、うまくいかない」
と最後はキーワードづけてまとめられた
これで、日本は資源がないとうまくいかないことも理解させることができた


まとめ


ゲームを中心に実感をともなった理解にしむけていくことは有効であった
そして、勝ち負けの中で、情動的に学習に向かわせることができた
総じて、社会科は女子に人気がない
研究授業で男子ばかりが話している授業を散見する
そこで、ゲームを使うのは全員を授業の舞台に上げるために、有効であると感じた
これからも、全ての子が前のめりになる授業を目指していきたい

                    三浦健太朗


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