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小学校の卒業式ではかまを着ることの是非

卒業式

現場を離れて何が悲しいかというと、卒業式へ参加できないことである
個人的には、卒業式が一番好きな行事だ
誇りをもって卒業する子どもたちの姿に、これまでの成長の日々を感じる
人生でかけがいのない時期を共に過ごせる教師として仕事に、私自身誇りを感じるのである

はかまを禁止したわけ

コロナが増えて来賓としてよばれないので、しょうがない
卒業式で最近、男子も女子もはかまを着る児童が増えてきているように思う
私が以前勤めていた学校でも問題になった
職員会議で話し合い、今年の卒業式からはかまを着ないようにお願いすることになった
理由は以下のとおりである
① 卒業式の予行後、慣れないはかまで転んで、起き上がれなくなった児童がいた
② 着たくても着られない子への配慮
③ 予行にはかまを着てもらうように依頼しても、保護者に断られるから、ぶつけ本番でどんなトラブルが起きるか予測できない
以上である

なぜ禁止なのか

しかし、小学校の卒業式に何を着なければならない、というきまりはないから難しい
昔のブラック校則のようにならないようにしたい
「なぜそれをしてはいけないか」
ということを、根拠をもって保護者に伝えなければならない
あくまで私個人の意見だが、練習を重ねてきた卒業式
慣れないはかまを着るという、ぶつけ本番状態になることは避けたい
実際、予行ではかまを着てきた女の子が、階段でつまずいて自力で起きられなくなった光景を見たとき、血の気が引いた
その子は自分のはかまの長いすそを自分で踏んで、バランスを崩してしまった
もし本番で、慣れない子供が転んでけがをしたら、全員の晴れの舞台が台無しである
実際に、はかまがひっかかって、立ち上がったと同時に椅子がくっついてきたケースもあるようだ
はかまがずり下がってきて、ステージの上で直すようなケースもあったという

予行の意味

実際に、予行でこのような失敗があれば、その子が考えられるようになればよいのだが、そうでもないことが増えてきている
「予行でレンタルができない」
と保護者が断るケースが増えてきた
そうなれば、学校としては安全上、禁止にするべき、という声が上がる

保護者から見たはかま

では、保護者から見た場合はどうか
小学生、かわいらしい子供に、かわいい服を着せたい、と思うのは親心だろう
中学校、高校と制服で卒業式に参加するから、はかまは着せられない
そうなるとおめかしできるのは成人式か
やはり、小学生時代のかわいらしい時期に、かわいい服を着せたいと思うのは納得である
また、ほとんどの公立の小学校には制服というものがない
卒業式だけ服装を制限するのも、どうなのだろうかと思う

ここまで読んできていかがだろうか
今、結論を出すことは避けたい
ただ卒業式がみんなにとって幸せの形になるのを現場から離れて祈るばかりである

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