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素晴らしきシャニマスのサブタイトル(コミュタイトル)の世界


こんにちは。
突然ですが、僕は生粋の『サブタイトル厨』です。漫画やアニメなんかの各話タイトルがとにかく好きで、語感もさることながら、話の内容とバッチリはまってると最高です。

古くは『SLAM DUNK』で桜木が初めて試合でダンクを決めるも、反則で無効になって退場になる回の『マグレだとしても』とかめちゃくちゃ好きで、あとは『Re:ゼロから始める異世界生活』の原作サブタイトルは全体的にとんでもなく良いです。
最近だと『忍者と極道』は邦楽の曲名をサブタイトルにしてるのですが、『同じドアをくぐれたら』はシチュエーションにハマり過ぎててグッと来ました。

話をシャニマスに戻しますが、シャニマスのサブタイトル、つまり各コミュのタイトルは……天才的です。
冗談抜きで、天才的です。
でも、あんまりそこにスポットを当てた記事とかは見当たらなかったので(スレとかはたまにあるみたいですが)、自分でランキング形式にして書くことにしました。
しかし何というか、名作が多すぎてランキングにするのがマジで大変でした……。
下手したら好きなコミュを選ぶより難しいんじゃないですかね、これ?
とりあえず頑張って選んだので、良ければ見てください。
なお、僕は全然全てのコミュを見てるわけではないので、あくまで僕が見た中の個人的なランキングです。あしからず。

第10位

水面の虚像は掴めない/【リ・リフレクション】三峰結華

いきなりこんなバケモンみたいにキャッチーなフレーズを10位にして息切れしないのか心配になるほどに素晴らしいです。
語感だけなら本当にトップクラス。
しかも、このカードを知らない人にコミュタイトルだけ見せて誰のコミュか当ててもらったとしても、10人7人くらいは「……三峰?」って言いそうなほど三峰とマッチしてませんか?
明らかに湿度が高いんですよね、もうタイトルからして。
ちなみに、残りの3人は冬優子って答えると思います。

第9位

4文字、あるいは7文字/【×トリック/◯____】黛冬優子

おしゃれ系タイトルの筆頭です。
一見、「あ、カード名の『◯____』にあたる言葉が最後のコミュで明らかになるんだろうな」と思わせておいて、全然明確にはならないというのがシャニマスの恐ろしいところですよね。
通説(ソシャゲの記事で出てくる用語か?)では、少なくとも7文字の方は『ストレイライト』ではないかと言われています。
このコミュはカードのイラストから分かるとおり(ふゆがサインで隠してるので上の画像だと分かりにくいですが)、トリック写真を撮ろうとしたのにあさひが写り込んできて失敗する、というものです。
しかし、冬優子はこの失敗トリック写真をすぐに削除していませんでした。
つまり、この写真は『トリック』(これが『4文字』にあたると僕は思っています)としては『×』ですが、『ストレイライト』の写真としては『◯』だった、というオチですね。

……あまりにもおしゃれ過ぎるだろ。

第8位

時間なら止めなくていい/アフター・スクール・タイム

まずこのイベント自体、とんでもなく良かったんですよ。
シャニマスというゲームは、キャラの年齢を除けば『時間が進む』ことをひとつのテーマとしています。
メインシナリオであるW.I.N.G.編→ファン感謝祭編→G.R.A.D.編→Landing Point編という流れも明らかに時間が進んでますし、『Dye the sky.』の歌詞なんかにもハッキリと現れてます。
そこへ来てこの『アフター・スクール・タイム』は、産休に入る教師を送り出したいとある学校のクラスの物語で、放クラにもいつか来る『終わりの時間』を予感させるものです。
時間は有限であり、放課後だって永遠じゃない。
でも、だからこその『笑って、笑って、笑って』からの『時間なら止めなくていい』。

シャニマスを象徴するようなイベントであり、コミュ名であると言えるかと思います。

第7位

今、風野灯織になる/G.R.A.D.編 風野灯織

エモさの塊のようなタイトルです。
このタイトルにしても、これから語っていく他のタイトルにしても、該当コミュの中での絶妙な説明の足りなさがたまらないんですよ。
このコミュは、いつのまにか他のアイドルが『研究対象』や『ライバル』としてしか見えなくなっていた灯織が、アイドルを目指したきっかけを思い出すというものですが、どうして昔の気持ちを忘れていたんだろう、と言う灯織に、プロデューサーが言うわけです。
「灯織がアイドルになったからじゃないか?」と。

つまりこのコミュは、逆に『アイドル』から『風野灯織』になるという話です。
でもあえてそこまではコミュの中で説明せず、このタイトルで分かるようなっている演出が憎いですよね。
しかも、この次のコミュを読めば分かるのですが、『風野灯織になる』というのは『昔に戻る』という意味ではなくて、あの時とは違って、少しだけ自分のことを肯定できる自分になるというのが答えです。
だから、『今』風野灯織になるなんだと思います。
考えれば考えるほど深い、そんなタイトルです。

第6位

汽水域にて/海へ出るつもりじゃなかったし

『汽水』とは、淡水と海水が混在した液体を指す用語であり、『汽水域』とはその汽水が占める区域、つまり川と海の境界です。
この用語について該当コミュの中では全く説明がないので、知らない人は調べる必要があるのですが、検索結果を見ると愕然とするでしょう。

この時のノクチルそのものだからです。

川がこれまでの日常、海がアイドルとしての世界だとすると、中途半端なこの時のノクチルはまさに汽水域にいるとしか言いようがありません。
よくもまあこれだけ的確な言葉があったものだと驚くくらいです。
『海へ出るつもりじゃなかったし』はノクチルの転換点として最高のコミュで、それをたった一言で表した最高のコミュタイトルだと思います。
特にこのあと透はG.R.A.D.の『息してるだけ』『息したいだけ』というコミュに繋がっていくわけですからね。
ノクチルの中でも、川にいた頃は一番楽に生きてきたであろう透が、海に出てからは一番泳ぎ方が分からなくなってるというのが、また……。
ということで、これ以上話すとコミュタイトルの話じゃなくなるので、この辺でやめておきます。

第5位

ねえ、アンティーカ/ファン感謝祭編 アンティーカ

非常にシンプルなタイトルで、『コミュタイトルそのものの良さ』だけを追求するランキングだとしたら少し掟破りな感もありますが、それでも入れざるを得ないくらい素晴らしいタイトルだと思ってます。
何かの呪文のような変わったそれまでのタイトルから、満を辞して『ねえ、アンティーカ』と来られるのは卑怯極まりないです。
プレイしててめちゃくちゃ頭に残ったという人も多いんじゃないかと思います。
コミュの内容とタイトルの親和性についてはもう、既プレイの人には語るまでもないでしょう。
5人でアンティーカ、ただそれだけです。

なお、のちにイベント『見て見ぬふりをすくって』で『ねぇと呼んだらなぁにと笑って』というコミュも登場します。
このコミュタイトルに対するアンサーですね。

ちなみに、僕は先ほど呪文のようだと言ったタイトル達について、基本的には逆から読むと意味が通じるわけですが、恋鐘の台詞である『ヤケン・イウトヨ』だけまっすぐ読めるところも好きです。
それでこそ恋鐘ですよね。

第4位

おぼえて よ/【つづく、】浅倉透

これに関して言えば、この『おぼえて よ』単体というよりも、上記画像の5つのコミュタイトルを含めての評価ということになりますが、一方でこのタイトル単体の凄さもあるので、その話もしたいと思います。
まず概要から説明すると、このタイトルは暗号のようになっていて、各コミュのタイトルの抜けた部分を繋ぎ合わせるとメッセージが浮かび上がる仕様です。

『“ま”わる時間』
『見“た”ことある』
『リバ“ー(ア)”ス』
『日誌出“し”ます』
『おぼえて“た”よ』

『またアした』です。

これだけだとよくある普通の暗号という感じもしますが、僕が凄いと思ったのはそこじゃありません。
ところで、この『おぼえて よ』というタイトルだけを見た時、どう思いましたか?
『おぼえて“て”よ』だと思いませんでした?
実際、このコミュの内容は10年後に向けてカセットテープでメッセージを録音するというもので、その点を踏まえても『おぼえててよ』に思えます。
でも、『またアして』では意味が通じませんし、このカードのガチャの演出は逆再生すると透の言葉が聞き取れるようになっていて、そこでは「また明日」と言っています。
何より、このコミュのラストは「おつかれ、また明日」という透の台詞で締められているので、暗号の答え自体は『またアした』で間違いありません。

つまり、この暗号は『またアした』という解答が先にあり、その解答によって『おぼえて“た”よ』というコミュタイトルの意味が確定するという、いわば逆転の発想で作られているんですよね。
この台詞が、10年後にこのテープのことを覚えていたPの台詞なのか、それとも10年後も『テープに貼り付けた今の気持ち』を覚えていた透の台詞なのか、はたまたテープのメッセージの内容として「ジャングルジムの出会いをずっと覚えてた」ことが語られているのかなどは解釈が分かれそうですが、いずれにせよ究極にエモいです。
こんなのもう僕の負けです、許してください(?)。

第3位

ひっくり返して生きていく/【ドゥワッチャラブ!】桑山千雪

僕がシャニマスをこうして記事を書くまでに好きになったきっかけである衝撃のイベント、『薄桃色にこんがらがって』。
そのイベント報酬sSSRです。
このタイトル、『ひっくり返して』までは分かりますよ?
『薄桃色にこんがらがって』の鍵となる部分ですからね。
でも、そこに『生きていく』という言葉が繋がったことには脱帽です。
反対ごっこの本質がそこにはあります。

『薄桃色にこんがらがって』は、一言で言うなら『奇跡の起きない』物語です。
ご都合主義的なことは何一つなく、予定調和へと進む……その流れの中でも実はみんなこんがらがってもがいてるという話だと僕は思っています。
だからこそ反対ごっこで精一杯ひっくり返してやるわけです。
でも、そこで終わらないというのがこのタイトルです。
ひっくり返して『生きていく』。
そうすれば、何か良いことがあるかもしれない。
『奇跡の起こらなかった』物語の締めとして、これ以上は考えられないタイトルではないでしょうか。

第2位

月は裏側を見せない/Landing Point編 月岡恋鐘

タイトル自体の語感やキャッチーさ、コミュ内容との親和性、そして何より見ただけで叫び出したくなるほどの『月岡恋鐘』が詰まっていて、心臓を撃ち抜かれます。
次に紹介する1位は僕の中で不動だったので惜しくも2位になりましたが、もう正直1位なんですよね、実質は。

恋鐘のLanding Point編は本当に驚かされる内容で、僕は読んでる時は絶対に恋鐘が夢追いガールに自分もオーディションに中々通らなかった頃のことを語るのかな、と思ったんです。
ある意味では、それはそれで彼女を勇気付けられる話になるでしょうし。
でも、そうはならなかった。
恋鐘は最後まで裏側を見せないんですよね。
これには理由があって、恋鐘がアイドルだからです。
恋鐘こそがアイドルなんです。
もう、書いていて泣きそうです、僕が。
黛冬優子は自分の意思で裏側を隠してアイドルをやっているわけですが、月岡恋鐘は根っからのアイドルなんだと思います。
逆に言えば、僕はこのタイトルが恋鐘のキャッチコピーにもなって欲しくないわけです。
ファンとして見ると、裏側を意識すらしないでいたいんですよね。
プロデューサーとして見ると、月にも裏側があるってことを忘れないでいたいんですけど。


第1位

動点Pとの距離を求めよ/【NOT≠EQUAL】三峰結華

『動点Pとの距離を求めよ』。
三峰結華のコミュです。
こんな問題提起を自らに課す女は三峰だけですからね。
基本的にそんな計算をするより距離を詰めて接近戦を挑む女の方が多いですし(卑しか!)。
怪しいとすれば甘奈と円香くらいですが、流石にここまで恐ろしい設問を考えるのは三峰だけでしょう。

『点P』ではなく『動点P』なところも芸術的ですよね。
シャニマスのアイドルの中で、プロデューサーを『P(たん)』と呼ぶのは三峰だけというのも、このコミュタイトルの良さを引き立てます。
デレステなんかには結構いますけどね、『P』とか『Pくん』とか『Pサマ』とかが。

このカードのコミュ自体は、かなり物議をかもす内容になっており、語るには暗闇の荒野に進むべき道を切り拓くかのような『覚悟』がいるので、深入りはしません。
アイドル育成ゲームとしてはだいぶ一線超えた内容であることは疑いようがないです。
そんな恐怖のコミュであることが、このコミュタイトルからはひと目で分かり、それでも読まずにはいられないほどに人を惹きつける、そういうタイトルですよ、これは。
僕の中では文句ありません、こいつが1位です。



いかがでしたでしょうか。
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