【第478回】2022年どうする?どうなる?表現の自由(2022/01/12)【山田太郎のさんちゃんねる】文字起こし風要約
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ニュース
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対サイバー犯罪で国際条約制定へ、国連総会で決議 言論封殺の懸念も
山田さん:
これは重量なニュースでありまして、まさに外圧になるんじゃないかということで非常に危惧するニュースです。
小山さん:
今日の特集でも取り上げますけれど、この記事は昨年の5月くらいに(サイバー犯罪を取り締まる国際条約の草案が)採択されましたという記事なんですけど、その後アメリカとかが反対してたみたいな話が書いてあったんですけども、いやその流れでいいんじゃないか、みたいな動きもあるかもしれないという話も聞いてまして、かなり油断ならない。
特集 2022年どうする?どうなる?表現の自由(外圧編)
山田さん:
今日の話は外圧編ということになりますが、5つあります。
小山さん:
女子差別撤廃条約につきましては、赤松さんも入ってレクを受けた経緯がありますけど、いよいよ今年どうなるか。
もしかしたら新型コロナの関係で来年にずれ込む可能性もありますけども、例年通りであれば今年中に何か動きがある可能性が高いです。
サイバー犯罪条約は先ほどのニュース記事の通りで、色々と各国の思惑がある中で、児童ポルノとか児童の虐待を名目にすると、色々と今できないことを捜査機関にできるような体制がとられやすいというのは実際問題あるので、そういう児童の保護にかこつけて、どんどんと表現の自由や通信の秘密、プライバシーが侵される可能性がある内容になりかねないのが、このサイバー犯罪条約の改正・改定です。
インターポール決議はやはりプロバイダーが中身を見れないエンドツーエンド(end-to-end)暗号化の通信について、いやプロバイダーは中身見なさいよぐらいのことを言いたいというのが多分主旨だと思ってまして、日本の通信の秘密に真っ向から反するような話かなと思ってます。
欧州委員会規則については、今でも児童の性虐待についてちゃんとプロバイダー等が責任持ちなさいよという話になってるんですけど、ある意味自主規制に任せる、取り組み自体は各プロバイダーさんに任せていたものを、検出・報告・削除までを義務化するという話なので、これはけっこう日本企業への影響が大きくて、日本国民への影響も大きいんじゃないかと思っています。
これらに通じるのが、世界的なフェミニズム関係の団体ということで、イクオリティ・ナウというところが、国際的には非実在に関しても児童ポルノだと言ってる国が多いので、日本もその通り法律を制定しなさいと言う話になりかねないという懸念があると思っております。
女子差別撤廃条約
山田さん:
まず女子差別撤廃条約ですが、これは去年の末にもお伝えしたんですけど、今回9回目の報告提出ということで改めて説明します。
小山さん:
気になるのは問9の女性に関する暴力というところで、この「ポルノ製品」の中に非実在に関するものも含まれるのかどうかは、場合によっては対面審査で聞かれるかもしれない。
グローバルスタンダードに沿えば、それも「ポルノ製品」だと女子差別撤廃委員会のメンバーが言ってくる可能性もありますが、外務省も内閣府の男女共同参画府も、日本としては条約上(非実在は)含まれない、留保しているということで、「ポルノ製品」には非実在は含まれないというスタンスで対応しますと言ってくれています。
山田さん:
これいつも言いますけど、私がやった閣議決定の質問主意書が活きているということで、たぶんあれがなければ政府もどう解釈するかは相当揺れてたと思います。
小山さん:
先ほどの問9への日本の回答として、非実在児童に関して何か正面から書いてるわけじゃないですけど、今の日本の法律で非実在に関しては取り締まり・処罰の対象にならないことを前提に、本当に(実在の)児童の保護に必要なことはやってますよというのが日本の回答です。
山田さん:
ということで詳細は去年の末にやりましたので、この件についてはこれくらいにしますが、残念ですがジェンダーの問題に関しては前も言ったんですけど、国会議員は支持している人が多くてやばい、ジェンダーの嵐がすごいんですよ、行き過ぎたジェンダー論というかですね、このあたりはしっかりやっていかないといけない。
そして海外については今後、赤松さんが議員になれば動くと?
赤松さん:
そうですね、日本の漫画アニメの独自性みたいなのって重要なので。
こういうもの(女子差別撤廃条約)があると、いくら我々が非実在は対象外であると言っても、根拠にされて苦しむじゃないですか?
やっぱり元のところで、水際でなんとかしないとって思いますよね毎回。
山田さん:
ということで、今結構大変な状況にあるということと、ちょっと仲間と味方を増やさなきゃいけないんだけど、女子差別とかこのあたりは他の議員も乗りにくい。
まず野党はジェンダー(問題を)やってる人が多いですから、ジェンダーをずっと主張されている人は乗れません。
保守派も家族主義とか家庭主義というのがあるんで、特に宗教関係はそうですね。
ということで保守派もリベラル派も味方がいない。
赤松さん:
これだけ山田さんが「表現の自由」で支持されているのを見てるのに、ここまでやってくれる人がなかなか出てこないですね?
小山さん:
難しいところですが、ロジックがすごい複雑なところがあるということ、それを国民にアピールするのは難しいものなので、女性の権利守りますとか、子どもを守りますって言う方が、正直簡単なんですよ。
赤松さん:
「ポルノ議員」とか言われちゃうから、そこまで言われてやろうっていう議員はいないですよねなかなか。
(虹杜コメント:山田さんは実際にはも~っとひどいことを言われています、完全に事実無根の誹謗中傷を含む)
小山さん:
本当に児童の権利を守るとか、児童を犯罪から遠ざけるってことをするために、もっとやるべきことがあって、そっちの方が本当にやるべきことですよと。
そういう過剰な否定をすることによって、非常に大きな副作用があります、自由な表現が出来ないとか、通信やプライバシー、そういうものがかなり脅かされますよということを、ちゃんと言える議員ってなかなかいない。
女性の権利とか児童の保護がっていう話をされたときに、必要なのは分かります、でも本当にその規制のやり方でいいんですか?って。
何か必要性があるのなら何でも規制しちゃえばいいっていう乱暴な議論が最近多い気がしますので、そのあたりをしっかりと慎重に議論していく必要があると思っています。
サイバー犯罪条約
山田さん:
これが先ほどのニュースになるんですが、いわゆるロシア版をベースとしたものに、当初アメリカも含めて反対をするのではないかということだったんですけれども、どうも各国が乗りそうだということで、結構緊張感が走る状況であります。
小山さん:
新しいサイバー犯罪に関する条約、今年から協議が始まりますけども、この中に今のサイバー犯罪条約に対する留保の規定がなかったりすると、非常に大変なことになります。
小山さん:
日本は児童ポルノに関する留保をしています、これは山田さんが質問主意書でちゃんと言質をとっているところです。
選択議定書の児童ポルノの規定にはそもそも非実在児童は入りませんが、サイバー犯罪条約で規定する児童ポルノには、およそ実在しない児童を描写したものを含むとあります。
しかし我が国はおよそ実在しない児童については、サイバー犯罪条約に規定する義務を負うものではない、留保によって規定を適用しないということを、ちゃんと国として宣言しているんです。
この留保ができないとか、ちゃんと留保しなかったみたいな話になると、グローバルスタンダードでやりなさいという話になりかねないので、この議論は相当日本としてもしっかりと…
赤松さん:
誰がやってるんですか?
小山さん:
今担当の部署と思われるところと協議をしていまして、どこがどう動くのか、山田事務所の方で鋭意詰めているところです。
山田さん:
これも放っておくと、もし42条の留保が外れると、憲法の規定から言うと条約を批准したら法律の上なんです、条約を批准したらそれにそって法律を整備しなくてはいけない。
そうすると日本はどうなるか、児童ポルノにはおよそ実在しない児童を描写したものも含むと、これ漫画家どころか、コミケとかいろんなところで萌え絵を含めて大騒ぎになる。
小山さん:
日本の児ポ法の「性器等」が結構広くてですね、性器はもちろんダメですが、おしりもダメ、乳首および胸部もダメと、かなり性器等が広すぎますんで、例えば実在しない児童の男性の水着(上半身は裸)の場合も児童ポルノになる、大混乱です創作活動が。
山田さん:
ヨーロッパではこれが基準ですから、ロシアだけじゃなくてアメリカも支持するとなると、日本だけで対抗できるのかどうか。
海外からのプレッシャーで日本が負ければ、この条約に批准する可能性がある。
そしてほぼ、他の国会議員でこれを問題視している人がいない。
これはもう175条どころじゃないです、全部ダメになる。
コミケとかいろんな同人誌も大変な、エロはかなりもうアウトですよ。
小山さん:
そこを守っているのはさっき山田さんが言った質問主意書だけなんですよ。
小山さん:
(児童ポルノに関して)サイバー犯罪条約は留保しているからこそ義務を負っていないのでして、留保しなかったら負うことになっちゃいますので、日本政府にもこの姿勢を貫いてもらうしかないです。
山田さん:
だからこの答弁と閣議決定がなければ今頃大変だったし、これとて方針が変わってしまえばそれまでだから、国内だけじゃなくて海外でも国連の議論がどうなっていくのか重要な局面でありますので、頑張っていきたいと思います。
インターポール決議
山田さん:
次はインターポール決議です。
赤松さん:
まだあるのかやだな~
小山さん:
ちょっと今警察を含め外務省などと協議・確認をしているところでして、まだはっきりしたことは今日ここでは答えられないんですけれども、日本の憲法21条の通信の秘密はどうしたんだと、エンドツーエンド暗号化、通信の秘密上OKじゃないかと。
ただ国際的な批判をされる可能性もありますが、通信の秘密を守らないと安心して表現が出来なくなる。
よく通信の秘密ってプライバシーの問題でしょっていう人がいるんですけど、もちろんプライバシーもありますが、萎縮せずに表現ができる土壌でもあるので、表現の自由と同じ21条にあるんですって言われたりもするので、表現の自由を守るためにも、通信の秘密を守っていかないとダメですよと。
山田さん:
通信の秘密は結構大変な状態なんです。
これは前の木村花さんの問題が起こってから、誹謗中傷の件で一時期国会全体の議論としては開けちゃえと、いじめられたり、それで亡くなったりする人も出てきてるじゃないかと。
もう一方で国会議員から言うとフェイクニュースの問題というのもあって、誰が書いてるんだというような話もあったりするので、実名制でやるべきだとか、プロバイダーにもうちょっと中身を見せて、あなたたちが責任を持って通信の道路を提供してるんだから、検問して悪い奴がいたら協力しろみたいな話は強くありました。
当時僕くらいですよ、大反対したのは。
その中でこの通信の秘密っていうのが誹謗中傷とか情報発信者開示制度の中でも一応守られたんですが、こうやって次は海外から崩れていくと。
欧州委員会規則
山田さん:
さて次は欧州委員規則。
赤松さん:
まだあるの?やだな~
小山さん:
これがですね、自発的な報告はもはや十分ではありませんと、義務化しますということを強く言ってるので、もちろん欧州委員会の話なんですが、EUでの影響は日本にもかなり強く呼びますので、それに対して国内的に何か対応が必要なんですかというを、あらかじめ日本政府は考えておく必要があると思ってますが、まだ具体的にどういう中身が出てくるかも分からないということで、政府がどういう対応するのか今は分からない。
今の規則では、児童の性的虐待犯罪を犯した疑いのあるユーザーの事例をフォローアップするかどうかは各企業に任されていますが、もう任せておけないと、ルールで縛るという話をやってるので、仮に直接的に日本に影響がなくても次は国連の枠組みでやるという話になりかねない。
山田さん:
今いろんな国際基準をリードしているのはEUの欧州議会なんですよ。
EU指令ってものすごくスピーディーに実行されて、かなりエグイ厳しい規則を本当に実現するんですよ。
制裁金なんかも莫大、会社が潰れちゃうくらい徹底的にやりますので、日本みたいになんちゃって~とか、適用事例はございませんとか、そんな生易しいもんじゃない。
ただネットワークでつながっているので、日本だけの対応で済まない可能性があるんですよね。
小山さん:
デジタルの部分は世界に影響を及ぼしますし、日本もスピーディーに国際的なルールの見直しをリードするような立場にならないと、後手後手にまわって、大変なものを国内で作らざるを得ない状況に追い込まれる可能性もあるかなと思ってます。
山田さん:
結構そのヨーロッパ的正義っていうものを、もう一度真剣に我々は見直さないと、ヨーロッパの行っていることが、表面的に言うと極めて先進国で、ジェンダーとかそういったものに対する理解もそうなんですけど、裏を返すとそれを維持するための秩序系の仕組みだったり、ルールだったりというのはかなり強いということを知っておいてもらいたい。
イクオリティ・ナウ
山田さん:
次はじゃあ…
赤松さん:
まだあるの?
小山さん:
グローバルスタンダードみたいな話になると、一気に日本の創作物への規制が進む可能性もありまして、この団体の共同設立者は国連人権高等弁務官を務めるなど、国連との結びつきが非常に強い団体です。
そして日本のフェミニズム団体の方も理事になっていて、各国の女性の権利の団体との連携もしていて相当国連への働きかけが上手い団体でして、2009年には日本製のアダルトゲームソフト「レイプレイ」に対する抗議キャンペーンを展開した(※)団体でして、非常に影響力が強いわけです。
(※結果「レイプレイ」は販売中止に追い込まれる)
山田さん:
一方で日本は性的搾取・虐待に関してちゃんとやってるのかという話があって、山田さんは性的搾取や虐待について寛容なんじゃないかって言われるんですけどそうじゃなくて、実在のそういうものに関しては誰よりも国会で訴えて国の機関を整備しました。
赤松さん:
国連への働きかけに関して、フェミニズム団体とかすごい強いのはわかったんですけど、我々も漫画家協会の女性部みたいなのを組織して国連に働きかけていこうという動きがあるんです。
その辺に関して徐々に動きつつあるので、でもどう考えてもこれ劣勢なんですよ。
小山さん:
劣勢でも声を上げない限り賛同しているものと取られかねない。
山田さん:
最近僕のところに英語でメールが来たりとか、Twitterでも英語で返してくる人が増えてて読んでみると、自分の国ではすでに規制されてしまったから、日本のものを見て楽しんでいるんで頑張ってほしいという声がすごく多いんですよ。
赤松さん:
うちにも外国から来ますよ、外国から外圧に負けるなって言ってくるんです(笑)
山田さん:
日本はよく外圧に弱いって言うんだけど、でも表現に関してはよく守ってこれたと思います。
先ほどの条約の批准だってちゃんと留保してて日本独自の立場を貫いたり、TPPの著作権非親告罪化にしても日本は独自路線で原則親告罪というのを守ってきたし、通信の秘密というところもしっかりやって…
赤松さん:
全部山田さんがやったんじゃないですか。
山田さん:
一議員がいるだけでこれだけ違うんですよ。
だけどそこがいなければどんどん崩れていっちゃう。
各国の言論統制
山田さん:
今日は外圧特集ということで…
赤松さん:
え~まだ~?もうやめましょうよ。
小山さん:
かなり色々あります。
これに加えてGAFAもありますけど、巨大なプラットフォーム企業の自主規制等の問題も出てくるので、まあどことどう戦っていいのかわからん。
さらにクレカ問題なんですけど、取引を名指しして決済を停止しますみたいな案件が結構増えてきてます。
日本の省庁もある国際ブランドに対して相談・事情聴取もしたんですけど、塩対応されちゃったということで、国際ブランドのカード会社の力というのは、日本の一省庁では相手にしてもらえないくらい。
カード会社だけではなくて決済会社も含めてなんですが、何で規制されているかというのは正直わからないですが、カード会社や決済会社の意向でそうなっているのは間違いないようだというところまで我々のところには来ています。
ただ皆さんにこれだけは勘違いしてほしくないのは、山田さんが目指している理念と、フェミニズム団体が目指している理念、真の目的はたぶん一緒なんです、女性の地位向上だったり、児童が犯罪に巻き込まれない社会を実現する、そこは一緒です。
ただそこに至る過程で、なんで創作物の規制に行っちゃうんだっていうことなんです。
(漫画の)ダウンロード違法化の時や海賊版対策の時にブロッキングに反対したら、海賊版はいいのかって言われますけど、海賊版撲滅という目的は一緒です、ただその手段としてこれはダメですよねと、違うやり方で実現しましょうねっていうだけなので、なんか理念も違う目的も違うと思われがちですけど、目的や理念が一致していることが大半ですので…
赤松さん:
そうですね、実在の児童を保護しようというのは一致してるんだけど、ついでに創作物を規制したいというやつがいるので困っている。
小山さん:
嫌な表現潰しましょうみたいなのは違う、というところだけは勘違いなさらないようお願いいたします。
赤松さん:
今年からはちょっとクリエイターが主導して国連に対してアピールするみたいなのを目標にして、逆転していきましょう。
萌生さん:
私もクリエイターなんですけど、何をすればいいのか全然わからない。
赤松さん:
どう思ってるのか言うんですよ、日本がいかに素晴らしいかとかを訴えていきたい。
萌生さん:
とりあえず今BL見れなくなっちゃうのかなってすごく心配してます。
山田さん:
BLはたぶん、宗教的には受け入れられない、かなりタブーですよね。
小山さん:
ただ国民的にはたぶん中国とかでもすごいBL受けてます。
ただそれを禁止したい指導部というか、一種の権威層がダメだと言いたいコンテンツであることは間違いがないので、どうなっていくのか。
山田さん:
ということで、今年こういう形で始まりましたけど、毎週頑張ってやっていきますので、よろしくお願いします。
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