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搾取される女の子たち~映画【SNS-少女たちの10日間】を見てきました~(2021/9/18追記)

 先日、映画『SNS-少女たちの10日間』を見てきました。

 ミニシアター中心で上映されていて、今は一部の映画館でしかやっていないようなのですが、みんな見るべき!と思った映画なので、今回はその紹介をします。ちなみに、UNEXTで見られるようです。

どんな内容?

 ざっくり説明すると、SNSで気軽に人と繋がれるようになった今、女の子たちがどんな危険にさらされているか、というリアルを記録したチェコのドキュメンタリー映画です。

 公式サイトからあらすじを引用します。

巨大な撮影スタジオに作られた3つの子ども部屋で、幼い顔立ちをした3名の女優(18歳以上)は偽のSNSアカウントで12歳のふりをするという任務を与えられた。各々の部屋のPCで、連絡をしてきたすべての年齢の男性とコミュニケーションを取った。当初のプロジェクトと同様、大多数の成人男性はビデオセックスを要求し、自身の性器の写真やポルノのリンクを送信してきた。なかには恐喝する者も。精神科医、性科学者、弁護士や警備員など専門家の万全なバックアップやアフターケアを用意しながら撮影を続けること10日間。児童への性的搾取者が徐々に尻尾を出し始めるのだった…。

 とあるSNSに女の子たち3名が登録したら、2458人もの男性が連絡してきて、その多くがビデオセックスを要求してきたという、ホラー映画みたいな実話。そのSNSは、性的サービスを前提にしたものではありません。

 印象に残ったポイントを挙げていきます。

①多くの女の子が性的な嫌がらせを経験

 映画の冒頭は、今回のリアリティショーに協力してくれる人を探すオーディションです。企画側が、今回やろうとしていることを説明し、それが心理的に負担にならないか、応募者に確認をする場面から始まります。
 話を聞いてみると、集まった女優さんには子どもの頃に性的な嫌がらせを受けた経験を持つ人がほとんどでした。面接を行うまでは、企画の詳細は知らせていなかったようなので、そういう人を意図的に集めたわけではありません。
 
好奇心から手を出してしまったパターン、全く思いがけなく巻き込まれてしまったパターンと色々ですが、身近なところにいくらでも危険があることを再確認させられる場面でした。

②いきなり見せたり、見せろと要求したり

 実際に撮影が始まってから、12歳に扮した3人の女優さんには、成人男性から次々に連絡が来ます。
 普通、初めての人と連絡を取る時って、自己紹介とか、天気の話とか、当たり障りのない話題から始めて、距離を測っていくものだと思います。
 でも、この映画の中では、いきなり自分の下半身を映してきたり、胸を見せろと要求してくる男性が出てきます。
 しかも、何故かそういう男性たちは、女の子たちが見せられたり見せろと言われることに対し、自分と同じように「嬉しいと感じている」「そうしたいと願っている」という前提で考えているんです。

 性的サービスでも何でもない、普通のSNSです。女の子たちも、挑発・魅了するような投稿は一切していないですし、有名人でもありません。何なら、プロフィール写真をアップしただけで連絡してきて、そのような展開になることもあるのです。

 常識とは。マナーとは( ゚д゚)

 女の子側も普通なら、そんなことを言ってくる男性たちのほとんども、普段は普通に街中で働いているような人たち。ほとんどは小児性愛者ではないそうです。それなのに、その多くが、まるで女の子たちを性的サービスそのものであるかのように扱うのでした。

③ネット界は無法地帯状態

 男性の中には、女の子の写真を撮って、要求に従わないと裸の写真を拡散する、親にばらすなどと脅迫する人もいました。(ちなみに、実際に映画の中に出てくる裸の写真は、女優さんのものではなく、偽の合成写真です)
 また、写真と引き換えにお金を渡す、と誘ってくる人もいました。

 実際、映画に出てきた法律の専門家によると、そこで起こっていることは複数の犯罪に該当するとのことです。
 それなのに、そういった犯罪は見えにくいですし、SNSを提供している会社側さえ、そのような実態を把握していても、制限をしていない現実があります。広告収入が減ってしまうため、見て見ぬふりをしているのです。

 道端で女の子の裸の写真なんてばらまいていたら、捕まりそうなものですが、ネットの世界では、それがまかり通ってしまう現実があります。
 自分が犯罪に巻き込まれている自覚すらないまま、ばれるのが嫌だとか、お金が欲しいという理由で、従ってしまう女の子がいることも分かります。

④それでも全員が悪じゃない

 ここまでの内容だと、まるで世の中の成人男性が悪者みたいな感じになっちゃいますが、映画の中に出てくるのは悪人ばかりではありません。

 女優さんの一人に、純粋に賢そうな人と話がしたい、という理由で連絡を取ってきた大学生がいました。その人には彼女もいるとのこと。
 その人が全く性的なことを聞いたり要求したりしてこないので、女優さんは「いきなり胸を見せろと言ってくる人もいるよ」という話をします。
 するとその大学生は、「裸なんて、誰にでも見せるものじゃないよ」と、真剣に語り始めるのです。

 大学生が言っていることは至極当然のことなのですが、女の子たちを食い物にするような男性たちの言動を見た後では、まるで賢者の言葉みたいに聞こえました。女優さんも、まともな人に出会えたと泣いていました。

 この大学生みたいな考えの人が少数派だとは思いませんが、悪意のある人ばかりが目立って、男性は女性を食い物にするものだ、という目で見られてしまう現実もあると思います。
 自分が女性なので、こういう作品を見るとまずは女性が被害者的な立ち位置から考えてしまうのですが、巡り巡って、男性もまた被害者なのかもしれません。

意外性がないという怖さ

 これはチェコで行われた撮影でしたが、日本でも同じようなことは起こっていると感じます。
 やばい現実を見せつけてくれる映画でしたが、一番やばかったのは、それを見た自分に特に驚くような感情がなかったこと
 これじゃまずいと思いつつも、どこかに「やっぱそうだよね」って諦めている気持ちがあるんですよね。それでは世の中が変わっていかないのですが、そういう気持ちを抱いてしまう女性の方、多いのでは……。

 ぜひ、男性視点でこの映画を見た方の感想も伺ってみたいです。

(2021/9/18追記)
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