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吃音について

吃音ってご存知ですか?


みなさんは吃音症についてどんなイメージをお持ちですか?

吃音症といえば、有名な代表作『裸の大将』でご存知の方も多いかと思います。
主人公で作品のモデルとなった山下清さんをはじめとして、
ニュースキャスターの小倉智昭さん、女優の秋野暢子さんなど有名人の中にも多くいらっしゃいます。

それもそのはず。
吃音者は100人に1人いると言われているほど
吃音者は多く、身近にあるものだと思います。

そんな吃音について、
吃音当事者で言語聴覚士である私が
いまだからこそ伝えたいこと”
を内容別に書いていきたいと思います。

まずは吃音についての理解を深めましょう。


①吃音とはどんなもの?

好発年齢

おしゃべりが盛んとなる3歳〜5歳ごろに初期症状が出やすいと言われています。
まれに後発性吃音と言って、何かしらの病気や心的ストレスなどによって成人になってから吃音の症状が現れる場合があります。


吃音の症状


症状は大きく3つに分けられます。

・連発(ああああのね)→音の繰り返し
・伸発(あーのね)→音の引き伸ばし
・難発(…..あのね)→音が出ずに詰まってしまう

吃音は連発→伸発→難発と症状が進展していきます。


なぜ症状は進展するの?


症状が発展する原因はいくつかありますが、

①声を出そうと身体に力が入ってしまい、ブレスの状態や発声器官の状態が変わってしまうこと
②本人が症状に自覚を持ち、症状を隠そうとしてしまうこと

が原因としてあげられます。

難発では音を出すことに時間がかかり、時には数秒、数分も出ないことがあるのです。

一般的に連発の状態が一番自然治癒しやすいと言われており、難発にいくにつれて本人が自覚して隠すことが増えていく為、自然治癒が難しくなります。



自然治癒が難しいということは治らないの?


いえ、治る方もいらっしゃいますが
多くの方は吃音の症状をコントロールする方法を獲得し、症状を軽減させます。

私もそうでしたが、
普段は全く吃音の症状がでないのに
緊張したり大勢の前になると症状が出る、
または苦手な場面で症状が出る
といった方も多くいらっしゃいます。

本人がそれをどう受け取っているのか、
そしてどう思っているのかにもよりますが
日常生活に支障がないからと大丈夫!
という方がいる一方で、
支障はないが気になる、治したい…
という方もいる。


十人十色という言葉があるように吃音に対する
考え方も捉え方も人それぞれなのです。


吃音症があるから辛いね
吃音症があるから大変だね
吃音症だから何かあったら助けるからね


吃音症があるからと言ってみんながみんな
辛い訳でも大変な訳でもないんです。



吃音があっても堂々と話している人
吃音があっても頑張っている人
吃音があっても幸せに暮らしている人

だってたくさんいます。



私が言語聴覚士としての今があるのは、
まぎれもなく

【⠀ 吃音があるから  】【  吃音があったから⠀】


言語聴覚士として
たくさんのお子さんや人に出会えました。
そして話せるようになった喜びや成長を
一緒に感じられるこのお仕事。

わたしはこのお仕事と出会えてよかったなと
つくづく思います。
これも【吃音症】のおかげなのです。





吃音は辛いもの、苦しいもの…
確かにそうです。


でも悪いことばかりではないよ、
ということを伝えたい。知って欲しい。


だから私は希望の光を照らし続けます。

今も苦しんでいる、葛藤している貴方に
そして吃音のお子さんをもつ親御さんに
届くように。




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