冥府魔道映画紹介365日‥2020年7月中旬
7月11日は「世界人口デー」。
そこでおすすめ映画は『ソイレント・グリーン』(1973)です。監督はリチャード・フライシャー。
人口爆発後のディストピアを描いた作品。SFの黄金時代というのは間違いなくあって、この映画もその時代の濃厚な雰囲気をまとった作品。「あの頃はよかった」と思えます。
7月12日は「ラジオ本放送の日」。
そこでおすすめ映画は『恐怖のメロディ』(1971)。クリント・イーストウッドの初監督作品であります。
ラジオDJが女性のストーカーにつきまとわれる話ですが、イーストウッドモテモテ期の作品なので、女性への怖れとマゾ的に惹かれる気持ちが見え隠れします。
7月13日は「生命尊重の日」であると同時に「もつ焼の日」。
多少の諧謔も込めて、おすすめ映画は『羊たちの沈黙』(1991)。監督はジョナサン・デミ。
散々言及されていますが、フランシス・ベーコン的な美術がやはり素敵。映画というのは、現実と様々な虚構からの引用の集積であると実感できます。
7月14日は、水谷豊さんの誕生日。
おすすめ映画は『青春の殺人者』(1976)です。監督は長谷川和彦。
親殺しを題材に、当時の雰囲気が濃厚な作品。水谷豊さんはナイーブないいお芝居をしていますが、原田美枝子さんは魅力的ながらやや棒なセリフ回し。調べたら原田さん当時17歳で、これは仕方ないかも。
7月15日は「盂蘭盆会」。
おすすめ映画は『異人たちとの夏』(1988)。大林宣彦監督作品です。
山田太一の原作がよかったのか、大林監督、いつものふざけもなく、結構直球で演出しています。自分と世界の境界が曖昧になってしまうような、甘いノスタルジー。つい泣いちゃいますよ。
7月16日は「虹彦の日」おっと違う「虹の日」なんです。
おすすめ映画は名曲「虹の彼方に」でおなじみ、『オズの魔法使』(1939)。監督はヴィクター・フレミング。
ジュディ・ガーランドが大変魅力的ですが、この映画の後、彼女は薬物に溺れ、人生がボロボロに。魔法の国から戻れなくなるのです。
7月17日は「漫画の日」。
そこでおすすめ映画は『トキワ荘の青春』(1996)です。監督は市川準。
主役は本木雅弘演じるテラさん。青春時代とその終わりを切なく描いていますが、彼らが一番情熱を燃やしたマンガを描くシーン、新しいマンガ表現を発見していくシーンが少ないのがやや物足りないかも。
7月18日はシド・ミードさんの誕生日。
おすすめ映画は彼がスピナーと都市のデザインを担当した『ブレードランナー』(1982)です。 監督はリドリー・スコット。
この映画、複数のバージョンがあるのですが、私が好きなのは劇場公開版。ディレクターズカット版は、ちょっと説明がクドいのです。ヴァンゲリスの音楽は素晴らしい。
2018年7月19日は、橋本忍さんが100歳でお亡くなりになった日。
そこでおすすめ映画は、脚本を担当した『八つ墓村』(1977)。監督は野村芳太郎。
渥美清が金田一耕助ですが、特筆したいのは萩原健一の醸し出す「居場所がない感じ」と、山崎努演じる多治見要蔵が桜の下を走るド迫力です。素晴らしい。
7月20日は「月面着陸の日」。
おすすめ映画は『月に囚われた男』(2009)です。監督はダンカン・ジョーンズ。
まずまず最近の作品ですが、古き良き時代のSF映画のテイストが感じられます。「自分は一体何者なのか?」という実存的な問い掛けで進んでいく、ドキドキするストーリー。
読んでいただき、ありがとうございます。
7月下旬の映画紹介は、こちらに。
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