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胸におかれた重いフタ

明日 私は誕生日を迎える
誕生日前の数日間は気分が重くなることは今までもあったこと

今年は今までとは違う
とてもとっても重くて
すごくすっごく深くて
進もうとする足や手を縛り付けるようなフタが胸の上におかれたような気分が何日も続いている


先月には願っていた犬との生活を手に入れ
新しい家族との幸せな生活は
忘れていたハナコとの楽しい思い出を次々と身近なものにしてくれている

この新しい家族のことは改めて書こうと思うけど
きっと今年は楽しい楽しい誕生日を笑顔でハナコに報告できる
そう思っていたのに

だからこそ、早く心から手放しで新しい生活を満喫したい!
焦れば焦るほどにフタは重くなり、取り除く方法が見当たらず
フタをしたままの気持ちと過ごしている

どんより空

小雨が降り出した今朝
キラ君(新しい家族)に誘われるままに外にでた

空には灰色の雲
どんよりした空は私の気持ちとおんなじ
でも、足元ではふさふさのしっぽの毛を左右になびかせながら
早朝の空気を匂いながらアッチへコッチへ何かを追いかけるように軽快に歩く子がいる

私は何に悩んでいるんだろう
何を恐れているんだろう

「恐れる」
この言葉が浮かんだ途端に思い出した
私が恐れていること
私の身に起こるんじゃないかということ
そうなったら、どうしたらいいんだろうということ

重いフタはこの「恐れ」なんだ

母とロイとある年の私の誕生日

私は仕事や恋愛をして自分の人生をこれから作っていくと思っていた時に、考えてもいなかかった現実を突きつけられ、夢見ていた自分の人生とは真反対のような道を歩むことになった

『壊れていくんだよ、私が壊れれる』
母がチラシの裏紙に書いて、壁に貼り付けていた言葉が浮かぶ

几帳面な母がするわけがないような言動がみられるようになり、一緒にいた私はイライラすることが多くなり母に対して大声を出し、言ってはいけない言葉を吐き、奇声を上げる母を抱きしめてただ泣いていた私

私が狂ったと思い心療内科へ行き、そのときに母も診察を受けるように勧められ「認知症」と診断された

その時の母の年齢に 私は明日なる

母の描いた絵手紙

年齢でなる症状でないことなんて分かってる
遺伝するものでないことだって分かってる

だけどね、思ってしまうんだ
あの年齢になったら、私も壊れ始めるんじゃないか って

ずっとずっと側で見てきたから
母がどれだけ怖かっただろう、不安だったろうと
周囲はどんだけ振り回されるってことも
知っているだけに、怖いんだ

何をきっかけにそうなっていったのかも分からないから
同じ年齢になるということが恐ろしいんだ

絵手紙を描く母とロイ

『なんで どうして そこまで介護をするの?』
会社をやめ、結婚もあきらめ、自分の時間のほぼ全てを母に向けていた私に何度この質問をされてきたことだろう

ぴったりする答えは、当時も今でも見当たらない

強いて言えば
 そうしたかったから

それなのに、始まりだった母の年齢に私がなることが怖い

甘えるヒナコ

あーだ、こーだとウダウダしていても
時間は過ぎていき
あと6時間位で私は誕生日を迎えるんだよね


重くフタされたようであっても
何事もなく無事に誕生日という日を迎えられることができるって幸せだよね

家族も増えて
ずーっと望んでいたワンコとニャンコとの生活もしているって幸せだよね

お線香をあげて、黙って私の愚痴や泣き言を聞いてくれる
母やハナコたちが見ていていくれる仏壇があることって安心するよね

散歩帰りのハナコ

少し大げさな言い方だけど
 なんのために生まれてきて、なんの役にたっているのか
なんて考えてた

重い気分のままでも
私には毎日ハナコ飯としてお空にいる子たちにお供えすることは続けられた
誕生日まで近づくカレンダーの数字を追いながらも
天使記念日への気持ちも忘れずに届けられた

私だって、ちょびっとだけど役にたっているって思えてきた
大きなことなんてできないけど、自分が辛かった痛みが誰かの安らぎにつながるキッカケになれば、側にはいないけど誰かに寄り添えるような自分で居たい
改めて思うんだ


母の描いた絵手紙

母は認知症と診断されたとしても
とっても笑顔がすてきな存在でありつづけてくれた
介護している私は、どれだけ助けられてきたかわからない

母は最後まで私を娘として覚えていてくれた

そうだよね
同じ年齢になったとしても
もし同じ症状になったとしても
それが終わりじゃないんだよね

うまく言葉にできないけど
今日一日 忘れかけてた様々なな光景が言葉が思い出されて
勝手に流れてくる涙を好きなように流していたら
フタが軽くなったような気がしてきた


自然と時間とともに封印し、閉じ込めてきた不安や怖れ
今年の誕生日前にくくっていた紐がゆるんで、隙間から流れて出てきたのかな

でも、でも、
それは決まったことじゃないし
そうなるわけじゃないんだし

そう私は元気!
ヒナコというキュートなニャンコとキラ君という甘えん坊のワンコと念願の毎日を過ごして幸せなんだ!


私の足の上で寝るお二人さん

Twitterに投稿するも、リプを見ることさえ不安だったんだ
人にどう思われるじゃなくて、自分自身が怖かった

今まで通りに浮かぶアイデアを形にしながらも、こんなもの…という思いがよぎって解いたり、捨てたりしてた
もっといいものが世の中にあるのに、私の作るものなんてと自信なかった


今までご依頼くださった方々
お手伝いを快くしてくださった方々
そんな皆さんからいただいた手紙やメッセージを読み返しました
たった2年で、こんなに多くのありがとうという言葉をもらったことは事実

誕生日が来たとしても
私が変わるわけじゃないもんね
1日1日を一生懸命生きている子たちの姿をみて、新しい1年を身の丈にあったやり方で自分らしく生きていこう
これが書きながら出た答え


長々とお返事を返さずに失礼しました

お会いした方も、お会いしたことがない方も
みなさんに支えていただいていることを感じながら
今晩はゆっくり寝られそうです

ありがとうございます
よろしければ、これからもよろしくお願いします


また誰かと一緒の影を見ることができる幸せ

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