見出し画像

友達割引と友達課金

「ねぇちょっとお菓子作ってよ」
「ねぇちょっと似顔絵描いてよ」
「ねぇちょっと髪の毛染めて欲しいんだけど」

皆さんこんな一言を、何気なく
口にした事や、耳にした事が、あるんじゃないだろうか。

この言葉を、口にする時も、耳にする時もなんとも言えないもやもやを感じていた私は
やっと、少しだけ、この言葉から感じていたもやもやの正体が分かった気がする。
また気が変わるかもしれないので今のうちに言葉にしてみようと思う。

私が出会ったもやもやの正体は
『友達割引』と『友達課金』という
【真逆の本心】
のどちらを含んでいるのかわからないと言う不信感だと思う。

近所の飲み屋のママさんから
「常連さんの誕生日ケーキを作って欲しい」
と言われ、ケーキを作った時、後から金額を伝えると
「ちょっと高くてパッと払えないから領収書を持ってきて」
と言われました。
自分でもクオリティの割に高い金額設定をしてしまいましたが、それでも自分の時給に換算したり、諸経費を計算すれば、私の利益などほとんどありません。
安いケーキが良かったなら大企業の大量生産ケーキを買えばいいのです。
「あぁこの人は材料費だけでケーキが出来ていると思っているんだ、私じゃなくていいんだ」
とガッカリしました。
SMAPファン同士、SNSで繋がった友達から
「娘の誕生日ケーキを作って欲しい。形のいいケーキとかじゃなくニジのいつも一生懸命取り組んでるケーキがみたいし娘にあげたいから。ニジの取り分が多く取れるようにしたい。」
と言われました。
自分に自信がないのに、私の実力をまだ知らないのに、それでも私がつくるケーキに期待をしてくれている。
「私じゃなきゃダメなんだ」
と涙が出るほどに嬉しかったんです。

あの時感じた悲しみや虚しさを感じる人が少なくなって欲しい。
あの時感じた喜びや嬉しさを感じる人が多くなって欲しい。
そう願いを込めてこのnoteを書き進めようと思う。

『友達割引』

友達の働くお店に足を運んだ時
特技のある友達に何かをお願いする時
誰しもが考える事は

「ちょっと安くしてくれるんじゃないか」

という期待では無いでしょうか
正直、私自身、「友達だから」割引をしてもらえると期待してしまう事もあるし、あわよくばタダで…なんて思ったこともあります。

でもいざ自分が社会人になり、技術と知識で稼ぎ、生活をするようになってこの言葉から感じた不快感を、どう言葉にしたらいいのか。
今までなんと失礼な気持ちを抱いていたのか。
悔やんでも悔やみきれません。

「簡単そうに見えるから」
ならご自身でやって下さい。

これが私の考える一番シンプルな答えです。
でも自分では出来ないから、プロフェッショナルの力を借りるのでしょう。

とは言え、私も「友達の為なら」とタダで何かすることもあるし、その逆もあります。
この期待も0になる事はない気がします。

『友達割引』は何で成立するのでしょう

『友達課金』

友達だから安くして欲しい、と感じるのと真逆に
「友達だから応援(課金)したい」
と思う人も居るのではないでしょうか。

独立した友人のお店にお金を落とす為にお店に通ってみたり
売れていないCDを複数枚購入してあげたり

「どうにか収入を得て活躍してほしい」

という期待ではないでしょうか

期待と願いを込めた課金
赤の他人には払えない金額でも「友達だから」支払いたくなるなんて
不思議ですよね。

『友達課金』は何で成立するのでしょう

「ねぇちょっと〇〇してよ」

この言葉を使う時発言者の中にある本心が
「友達だから割引して欲しい」
なのか
「友達だから課金をしたい」
なのか
「真逆の本心」
どちらなのか、それによって
嬉しく感じる時、悲しく感じる時、があると思います。

その中で私が見つけたどちらの本意を含んでいても『WinーWin』になる法則、は
『金銭的負担を負う方が「投資」と感じられるか』
です。

金銭的負担を負わない側は言わなくともWinだが、どうしたら相手もWinになるのか。私なりに考え、見つけた答えが「投資」でした。

「友達割引」
で金銭的負担を負うのは依頼された側。
友達への感謝を表す手段や
依頼された側が経験を積む為の手段
として消化する必要があると考えます。
つまり『自己投資』

「友達課金」
で金銭的負担を負うのは依頼する側。
その友達への感謝を表す手段や
依頼した友達が成長する為の手段
として消化する必要があると考えます。
つまり『他己投資』

このように
『投資をしたんだ』
と思える関係性を築いていく事が「WinーWin」になる為に大切な事なのではないかと思います。
その投資から何を得たと感じるのかは人それぞれですが自分の投資に見合うだけの価値を自分で見出せば良いのだと思います。
そして、気付いた人もいると思いますが、
上記の両者共に「感謝」という言葉を入れました。
どんな関係であってもこれだけは欠かせません。


最後に

ここから先は、自分が気を付けたい事、
そしてもし良ければ皆さんにも意識して欲しい事です。
それは、相手に何かを頼む前に、ほんの少しでも相手に敬意を示して欲しいという事です。
「当たり前でしょ」と思った方もいると思います。
「余計なお世話だ」と思った方もいると思います。
そんな方には申し訳なく思いますが書かせてください。

あなたが何かを依頼する友達は
プロでもアマチュアでも、少なくとも自分には無い技術や知識を持ち合わせている友達なのです。
簡単そうにやっていても、当たり前そうにしていても、そして言葉にはしなくとも
沢山の努力をし、失敗をし、悔しい思いをし、そうして手に入れた技術や知識なのです。

幸い私の仕事は「目に見える製品」で「形に残る製品」を生み出す事です。
だから相手も価値を感じやすく金銭的負担を負う事に抵抗が少ないのだと思います。
ですが音楽や会話、時間といった「目に見えない製品」や「形に残らない製品」に対しては価値を見出しにくく金銭的負担を負う事に抵抗があるのだと思います。

でもどうか、友達だからこそ、友達の魅力に敬意を表して欲しいのです。
そして伝えてください。きっと励みになるはずです。金銭の支払いに限らず敬意を伝えてあげてください。

「友達割引」も「友達課金」も
「友達じゃないと生まれないから」
こそ、何かを依頼したいと思える友達が居ることに誇りを持ち、大切にして欲しいと思います。


毎度長いnoteを最後までお読み頂き
本当にありがとうございます
このnoteは私の友達への最大限の感謝と敬意だと思って頂けると幸いです

それではこの辺で

noteに共感頂けましたらサポートお願い致します