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【5/2追記】万年筆ボトルインクがちっとも減らない件

万年筆インクには使用期限があります。たとえばセーラーならカートリッジは製造から2年、ボトルは3年です。

私がボトルインクを買ったのは2022年4月、セーラーの四季織で2022年3月製造です。(箱の底に製造年月日が書いてあります。買うのは実物を手に取れて確認できる店舗がいいかも)

2024/05/02追記
書店に行ったついでに確認したところ、2023年産は箱底の製造年月日表記がないくさいです。2022年12月20日までは確認できました(ちなみに常盤松)。2021年産も表記があります。それより前はわかりません。(まあそれより前は期限切れなので、店頭に並んでいるかわかりませんが)
つまり、2021年と2022年と無刻印がある状態です。

なので期限は2025年3月、もう1年切っている! なのにインクはまだ半分も減っていない! やばい!!

期限を迎えたらすぐ固形化するとか爆発するとか即わかりやすくダメになるわけではないでしょうけど、できればちゃんと期限内に使い切りたいですよね。
少しでも多く消費できるように実践していることや他の提案などをまとめてみました。

「もったいない」と思うことをやめる

「お高いし初めてだから大事に使お〜」と、ここぞというときにしか使いませんでした。そりゃ減らんわ。使わないまま期限が切れた方がもったいないぞ!!

100円くらいのボールペン1本買うのに比べると、一度に出ていく金額が大きいので「お高い」判定になっている。普通、同じ色のボールペンを一度に13本も買わないじゃん……。まだ感覚がわからんのよ。

字幅を太いものに変える

プレピーの02(極細)に入れていましたが、もともと持っていた03(細)に変更しました。
字幅が太ければインクの消費も増えます。微々たるものですが、チリも積もれば〜というやつです。

⚠️万年筆とインクのメーカーは揃えるのが原則です。他社インクを入れて万年筆が壊れても保証の対象外です。自己責任で、壊れても泣かない覚悟をキメるか、ガラスペンやつけペンで使いましょう。
私はセーラーの万年筆も持っているのですが、まだまだ初心者ゆえ「多少ほったらかしても安心」を取ってプラチナのプレピーに入れています。壊れても500円でお釣りが出るし。

字幅は細いより太いほうが濃淡や遊色/揺色が見やすいので、その点でもおすすめ。ガラスペンなら寝かせ気味にすると太く書けます。あとは海外産(同じ字幅表記でも国産より太い)とか「インクフローだくだく」とかで探すといいでしょう。
「ボトルインクを買ったけど、万年筆向いてなかった。とほほ」という人は、万年筆インクが使えるローラーボールを調べてみるといいかもしれません。からっぽペンもありますね。

プレピー03で書いた線は0.5ボールペンより太いですが、5mm方眼マス目に収まるように書けています。さすがに憂とか躇は潰れるけど。

インクを満タンにする

インクはコンバーターに目いっぱい吸引することにしました。吸引量が少ない→こまめに吸引することになる→めんどくさいと思うんですよね。
吸引回数が増える分だけ拭き取りティッシュに吸い取られるインクが増えるし(捨て切れないもったいない精神)。そりゃインクを消費したいけど、拭いて捨てるより書いて使いたいじゃん。
あとは、インク量が少ないと水分の蒸発とか変質が顕著だろうから、「早く使わねば」の意識も地味に植え付けます。

ひたすら書く

ここぞ以外の場面でも、ちょっとしたメモ書きも万年筆でするようにしました。こうなると紙が問題になってくるんですよね。物によっては滲んだり裏まで染みたりするから、ストレス!

ダイソーの旧プレミアムシリーズの綴じノート・天糊メモは万年筆インクとの相性がいいと評判です。

が、「旧」って書いたように、たぶん廃番です!
今のプレミアムシリーズはこんなデザインのやつです。

新プレミアムは裏に「高級筆記用紙のクリーム上質紙を使用している」の表記がないため、旧とは紙質が違う可能性があります。どちらもクリーム色だし、触り心地も似ていると思いますが、はたして。
「新プレミアムはインクが滲む」と言う人を見ましたが、私はそんなに気にならなかったです。

(「そりゃボールペンのインクよりは限りなく水っぽいんだから、滲んだり染みたりはしやすいだろうよ」と思うので)許容範囲は人それぞれ、実際に試してみてください。他の万年筆向けの紙より安いし手に入れやすいから、たとえダメでもダメージは少なく済むはず…!

▲ずっとじんわりMDノートが気になっている。

▲ロフトに試筆用紙が置かれていたので、ありがたくいただいてきたけどまだ試していない。置かれていた紙の種類は以下。
・ガルバスCoC 91.9g/㎡
・新奉書風 104.7g/㎡
・SUKEKAKE 77g/㎡

書くネタがなければ、書写しましょ。Xでお題を提供しているアカウントがいくつもあります。著作権的に青空文庫から抜粋=言葉遣いがちょっと古くても気にならなければ。かえって新鮮という見方もできるぞ!
食や美しい描写、探偵ものなど、ジャンル特化しているアカウントもあるので、好きなジャンルがあれば、まずは目を通してみてもいいんじゃないかな〜と思います。面白いものに出会えるかも。

描く、塗る

書くより描く、描くより塗るで、インクを多く消費できます。
「絵なんて描けない」という人は、万年筆インクを塗ると絵が浮き出るバチックプリント(バチプリ)のカードを使うといいでしょう。個人やサークルでも作っている人がいます。絵が描けない人でも楽しめるし、インク見本にも使えます。

⚠️バチックプリント(バチプリ)とは
バチックという技法を用いた印刷物のこと。ここでは主に、紙に水(万年筆インク)を弾くインクで絵や字を印刷すること、またはそうして作られたものを指す。(子どもの頃にロウソクやクレヨンで描いた上から絵の具を塗ると、ロウソクやクレヨンは絵の具を弾くから、描いた部分に絵の具の色がつかない…みたいなこと、やりませんでした? 雑にいうとそれです)

某塗りたくると絵が浮き出るカードを製作している企業の発言がきっかけで、有志によって生み出された言葉……と認識しています。「スポドリを全部『ポカリ』って呼ぶのヤバくね?(アクエリアスをポカリと誤認させる恐れがある、ポカリが一般名称だと思って手作りスポドリをポカリの名で販売するなど=権利の侵害が発生するかも)」みたいな。
この騒動の外野視点です。

スタンプ台にする

専用のものが売っていますが、スポンジで自作する人もいますね。

染める

レースペーパーを染めてコラージュ素材を作る人がいますね。

色分離実験をする

たまに「万年筆インクを拭いたティッシュですごい色が出てきた!」みたいな話題があるじゃないですか。それをわかりやすく&意図的に行うのがペーパークロマトグラフィーです。雑にいうとペーパーが紙、クロマトグラフィーが分離法という意味なので、「紙を用いた分離法」で、対象物がインクの色なので「紙を用いた色分離法」ですかね。

こちらは水性ペンでやっていますが、万年筆インクでもできます。検索すると、やってみた人の記事が出てきますので参考に。調べるときは複数の情報元にあたって比較検討するのだ!

お裾分けする

自分1人で使い切れないなら集団戦を展開します、分けられる仲間がいれば、ですが。(ぼっち)
仲間がいないからってフリマアプリで小分け販売はNGです。素性のわからん人、信用する奴いる?いねーよなあ!!(元ネタよう知らん)
水で薄められてるかもしれないし、変なもんが混ざってるかもしれないし、カビ生えてるかもしれないし、腐ってるかもしれないし、製造日で嘘ついてるかもしれないし、それを使って万年筆が壊れるかもしれないし……。何か不具合が起きても向こうは責任取りませんからね。わざわざお金を払ってまで危険を買いたいとは思わんよ。
インク交換やお裾分けは素性がわかっていて信頼できる人と、金銭を交えないでやろうね! これも自己責任だけど!!

期限内に使い切れなかった場合

素直に捨てればそれで終わりですが、使用するなら何が起きても自己責任です。ギリギリまで使うとしてもインク中に浮遊物や沈殿物があったり、変なにおい(通常とは違うにおい)がしたらアウトです。今までと違うってことは変質してるってこと。
期限内でも↑のような異変があったらアウトです。保管状況がよくなかったら起こり得ます。

インクを捨てるときは排水溝に流してはいけません! 不要な紙や布に吸わせて可燃ゴミとして出すのが一般的ですが、分別は自治体によるので確認してください。瓶は不燃ゴミだったり、花瓶や文鎮に利用する人もいますね。

そして現在

毎週インク吸引するレベルでひたすら書いて、現在のインク残量はヘッダーに載せたけど改めて、こちらです。

わかりにくいですが、1/3使えたかなという感じです。この調子なら期限内に使い切れそうな予感!
使い切れたらまた同じボトルを買うつもりです。他の色を試したい・増やしたい気持ちももちろんありますが、「たった20mlの消費にここまでかかるのか……」という気持ちが大きいので……。
えーん、「ふでdeまんねんが気になるけど、放置せず使えるかわからないからhocoroを触ってみようかな〜。どうせだったら限定仕様とセットのDiptonでいっとく〜!?」とか考えてたんだけどな〜!!

四季織ならカートリッジも出てるので、2色目はカートリッジから攻めるのもアリ。

そのためにはスリップシール機構がなくても問題ないレベルの万年筆使いにならないといけません。精進します。
(カートリッジからシリンジで吸い取ってコンバーターに移し替えるテクもあるっちゃある)

最後までお読みいただき、ありがとうございました!