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新潟SFアンソロジー2024に寄稿しました

というわけで、このほど発行された「新潟SFアンソロジー2024」に寄稿させていただきました。

拙作は「オオカミをスクラップ」という短編でございます。ニホンオオカミ生存の可能性に振り回される地域を、新聞や雑誌の記事形式で俯瞰的に描くという。アシモフとかの論文形式の古典SFを日本人に馴染みのある感じにアレンジした、割とありがちなやつ。オオカミ犬の胡散臭いネーミングとかディテールにはこだわったつもりですが、あとはいつも通りです。(むっちゃ楽な作品で大まかな形を脳内で作ったあとは2時間ちょいで書けました)

他作品もみんな読みましたが、どれも面白かった。個人的に良かったのは萬歳さんの「ケサラン・パサラン」。ケサランパサラン云々より誇張された雪国が面白く恐ろしかった。怪談っぽいテイストなんですが、雪から這い上がれない絶望感やそれさえ受け入れる地元民の諦観が妙に生々しく、雪害と隣り合わせの雪国の人たちをデフォルメしながら巧妙に表現していて、これこそSFだよな、と。今回、新潟らしく雪をテーマにした作品が多かったんですが、こういうアプローチで書けるのはすごいなあ、と。すごく臨場感のある「新潟」を感じました。
あとは渋川さんの「春の亡骸」はとにかく巧みな文章で緊張感を作っていくのがすげえな、と思いました。レルヒさんのちょっと特異な部分を見事に掬い取ってきた感じもあります。小林さんの「203X年の草野球」はぶっちゃけアレっすよね、っていう感じでしたけど、それでも読ませる筋運びはとても良かった。
それ以外もみんな良かったです。「茶山さん、こういうの書くんだ」みたいなのもあったし。
今後も続けていって、もっと色々な書き手が出てきたら楽しいだろうな、と思いました。

なお、本については家に置いておくのも勿体無いので、後日、阿賀町の風舟さんに置く予定です。地元の若い子達はもちろん、津川温泉利用者にも楽しんでもらえれば、と思います。
夏休みも近いですしね。

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