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Pentamerone 〜5日物語〜 #2

第2日目 アップデートすべきラクイラの基礎知識

ローマからイタリアに入り、すぐに拠点となるアブルッツォ州の州都ラクイラへ。ラクイラは2009年1月から4月、特に4月6日に発生したイタリア中部地震によって壊滅的な打撃を受け、309名が犠牲になり、6万人を超える人々が避難生活を強いられました。市街の重要な建造物も倒壊し、15,000もの建築物に影響があったと伝えられています。

 郊外では未だに4,000世帯が避難住宅で暮らしながら、市街地の店舗や住宅の修復に通う方も多く、街の建築物の多くは金具で一時的な補強がされたまま、静かに復旧のときを待っています。近年のイタリアの経済危機も相まって資金が不足し、復興の目途がなかなか立たない状況が続いていますが、震災から十年を迎えて加速度的に復興が進むようになったという話も聞きました。

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 ラクイラについた際は震災から十周年の記念イベントが行われていて、街全体がフェスタムード。ブースや横断幕、のぼりなどが目立ち、多くの人で賑わっていました。

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▲ 震災十周年を記念するイベントで街は賑わっていました。教会や街のホールでのイベントや、地震を含め災害に対する知識を高めるためのワークショップなども数多く開催されていました。

復興作業は、市街の中心部にある「フォンタナ・ルミノーサ(Fontana Luminosa)」から同心円状で進んでいるというイメージで、中心部から少し郊外方向に進むと建設中や修復中の店舗などが徐々に増え始め、郊外に移ると、クレーンが林立しているのが目立ってきます。

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▲ ラクイラ市街地の中心にある「フォンタナ・ルミノーサ」その名のとおり噴水(フォンタナ)で、夜になるとライトアップされ、一日中人の通りが途切れることがありません。

一般の人が震災前の生活を取り戻せるのは、早くとも2024年頃とみられており、まだまだ時間を要しますが、それでもラクイラの人々は明るく、そして少しずつですが、着実に前に進んでいました。(つづく)


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