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エアコンの設定温度は「業務が快適に行える温度」へ

2022年6月7日、政府は家庭や企業に対して節電要請することを決定し、その期間は7月1日から9月30日までとなっています。

節電が必要な理由は、電力の安定供給のために必要な最低限の予備率を守るため。電力の予備率とは、電力需要に対して供給余力の余裕がどの程度あるかを示したものです。

電力需要は3%ほどの”ブレ”があることから、安定供給には3%の予備率が最低限必要だとされています。これを下回ると需要過多な状態となり、急な停電や電気料金の高騰につながってしまうわけです。

この予備率を守るために政府は、上記の通り家庭や企業に対して節電を要請しますが、具体的な節電の数目標は定めない方針です。数値目標は定めはしないものの、電力需要が逼迫している状態であることに変わりありません。

節電、と聞くと夏や冬に最も活躍するのはエアコンでしょう。エアコンの設定温度が各メディア等を通じて「28℃」というのは聴いたことがある方も多いかもしれませんが、なぜ28℃なのかまでは認識されている方は多くないのではないでしょうか。

そこで今回は、この「28℃」について考えてみたいと思います。

「28℃」はエアコンの設定温度ではない

政府の節電要請で求める「28℃」とは、エアコンの設定温度ではありません。では何の温度なのかというと「室温」のこと。これは環境省のゼロ・カーボンアクション(脱炭素)推奨するための情報発信をするサイト「COOL CHOICE」内でも<どうして「28℃」?>ページ内で説明されています。

では、なぜ室温28℃なのか。

「建築物における衛生的環境の確保に関する法律施行令」及び労働安全衛生法の「事務所衛生基準規則」で定められた室温設定の範囲(17℃以上28℃以下)に基づいて「冷房時の室温28℃」として、平成17年の「クールビズ」を推奨しはじめることとなったことが背景にあります。

環境省の熱中症予防情報サイト内の「暑さ指数」を説明するページでは、暑さ指数(WBGT)を人体と外気との熱収支(熱のやりとり)に着目した数値であり気温とは異なる数値であることを前提にしつつも同じ摂氏度(℃)で示されています。

図1_熱中症情報予防サイト>暑さ指数について>暑さ指数とは?より抜粋

同ページ内で掲載されている「日常生活に関する指針」では28以上31未満ではすべての生活活動で起こる危険性があるとしつつ、「外出時には炎天下を避け、室内では室温の上昇に注意する」とあるため数値の見方は室温としてよさそうだといえるでしょう。

図2_熱中症情報予防サイト>暑さ指数について>暑さ指数とは?より抜粋

上記の情報を踏まえると28℃は「熱中症の警戒温度」であり、これを超えると温度基準では厳重警戒の範囲に入ってきますので、暑さ指数、室温のどちらを基準にしても28℃以下にしたほうがよさそうなことがみえてきました。

兵庫県姫路市の例

室温の設定やエアコンの設定について参考になる情報として、兵庫県姫路市が働き方改革の一貫とし行った労働環境における室温制御によって業務効率などにおよぼす影響についての検証を紹介します。

こちら、2019年7月16日から8月30日の間、姫路市の庁舎内にあるエアコンの設定温度を28℃から25℃に下げることで業務効率が向上するのかどうかを検証したものです。

結論として、省庁全体で光熱費は月額7万円上昇したものの職員の残業時間をのべ17,000時間超の減少し、金額にすると4,000万円の人件費削減に成功しました。

令和元年10月7日市長記者会見内容(姫路市)

上記している環境省の暑さ指数で示されているのは28℃以上は厳重警戒が必要な数値として扱われていますが、その理由は空調を28℃に設定したからといっても建物に対する日照状況や時間によって室温や湿度といった要因から体感温度が28℃を超えてしまうことも十分に考えられるといったことから設定されているものです。

残業時間が減少することは空調の稼働時間を減らすことにも繋がりますから、総合的な観点でみると業務効率や生産性を向上させるために室温を28℃よりも低くすることは試して見る価値がありそうだといえます。

姫路市の例からいえることは、盲目的に「空調温度は28℃」とするのではなく、各事業所や職場での生産性が高く、業務効率の高くなる設定温度を模索することが必要だということです。

電力利用は単一の機器だけでなくトータルでみよう

空調温度で電気料金を調整することに影響を与える要因として、オフィス内の電灯や照明も影響してきます。

照明の明るさを絞ることでも消費電力を減らせます。現状のオフィスや事業所に設置されている電灯や照明を効率的な商品に変更することで消費電力を減らせることができ、空調温度を下げたとしても統合的にみて利用電力が下げることになり結果的に電気料金が低くなることも十分に考えられます。

電力価格は今後も原油価格の高騰は継続していくことが予想されますが、エネルギーは電気料金のみをコストとして捉えるのではなく事業活動の中で生じる全体的なコストをみながら削減することが必要です。

具体的な例でいうと、事業所内で利用している電灯を蛍光灯単位でLED化するのではなく根本的な発電する装置(安定器)から変更する工事をして根幹LED化することによって発電効率を高めることなどが挙げられます。

新潟でんきは電力事業者として電気料金を最適な価格で提供するために供給元を複数用意しつつ、法人・個人問わずエネルギー利用に関するコストをトータルで削減する支援を行っています。

自社電灯の根幹的なLED化によって電気の発電効率が下がり、長期的な視点でみると大きなエネルギーコストを削減することになったお客さまの事例も徐々に増えてきています。

「詳細について知りたい」「契約する際に試算してもらいたい」といったご相談はもちろん、現状把握と試算を合わせて無料診断も行っていますので、ぜひ以下へ気軽にご連絡ください!

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