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山本義隆「リニア新幹線をめぐって 原発事故とコロナ・パンデミックから見直す」みすず書房, 2021.4

斜め読みしてみた。

リニア新幹線は政官財による巨大利権。
「コロナを契機としたリモートワークシフトによる遠距離移動の必要性の減少」「人口減少による巨大インフラ維持の困難」
「首都圏集中による格差拡大・災害脆弱性」
などなど、リニア新幹線は過去の遺物、不要な存在となっているにもかかわらず、それが巨大利権であるためにプロジェクトが維持されてしまっている。原発と同じように。

と、こんなところだろうか。

戦後の日本の高度成長に対する分析は興味深い。

焼け野原から個人がゼロから頑張って高度成長を成し遂げたというのは事実ではない。戦時統制経済の元で作り上げられた技術・生産設備(工場)と優秀な技術者・生産者が、朝鮮戦争・ベトナム戦争などによる特需で活用されたことで高度成長が成し遂げられたのだ。

山本義隆には、一般庶民を踏みにじる政官財支配層に対する怒りの炎がともり続けている。


日本の危機を広く知ってもらうため日々noteで投稿しています。あわせて日本復活に必要と考えている新しい技術・産業についても書いています。