にほんしゅ北井の【無濾過生原酒】#3『付加価値の前に』

こんにちは!にほんしゅ北井です。今回も北井の頭にあることをできる限り言葉にしていこうと思います。このシリーズを書くのは自分のためでもありますが、読んでくださった方々に生きていく上でヒントになるようなことが書けたらなぁという高望みをしています。

今回のテーマは『付加価値の前に』です。

「付加価値の高い商品やサービス」という意味を知ったり意識したりするようになったのはお酒の勉強をして「きき酒師の漫才師」という特殊なお笑い活動をするようになってからです。客観的にみると「そこそこ付加価値の高い漫才師」なのかもしれません。この活動のおかげで好きなお酒を飲みながら知りながら全国あちこちのお酒にまつわるイベントで司会や漫才をさせていただいたり韓国や台湾の日本酒・焼酎イベントにも出演させていただいたり、興味があった執筆仕事をさせていただいたり、、、漫才だけをやっていたころには考えられないたくさんのお仕事をさせていただいて本当に本当にありがたい限りです。僕は本当にお酒が好きで好きで飲むだけで毎日癒してもらって力をもらってるのにお仕事まで増やしていただきました。

『付加価値』という言葉は「特定の人・場所・施設や何かの商品・サービスなどに付け加えられた独自の価値」という意味で通俗的には使われることが多いと思います。経済的にはまた少し違った意味がありますが。

僕たちの活動をするにあたって日本酒や本格焼酎のことは毎日考え触れていますがそのお酒を語る上での「付加価値」はとても大切なものです。

4合瓶で1000円を切るけどうまい!というコスパのいい日本酒も当然重宝されますが、それとは逆に4合瓶5000円~30000円でも選ばれるような「付加価値の高い日本酒」も大切にされています。一本のお酒を売るときには酒米のストーリーや、独自の製法、蔵の歴史など様々な語り口がありますから、そうした付加価値に納得してワクワクしながら買って飲んでもらえるのもいいですよね。最近は「鯖に合う日本酒」や「このお菓子に合う日本酒」みたいに合わせるおつまみを指定するような銘柄も増えていて、こういうお酒の売り方やプロモーションもとてもいいなぁと思います。

「付加価値の高い商品づくり」これは大前提としてめちゃくちゃ大事だと思います。

でもそれと並行してもう一つ大切だなと思うことがあって、そもそも『価値』があるんです。日本酒や焼酎などの日本の原料で造る日本のお酒には。

普通に価値がある。なにも付け加えなくても。産業としてどうこうの前にそもそも価値があって、ありがたがって飲んで当たり前の価値がある。

日本はやっぱりお米の国で、無事秋に収穫出来てそれに感謝する秋祭りが今でも日本中にあるように、日本人の生活の中心にあるものはお米です。その貴重なお米を使って仕込んだどぶろくをお祭りに向けて神様に捧げよう!そのおこぼれは我々人間もいただこうぞ!みたいなお祭りは日本人にとってとても大切なものだと思います。

僕はお祭りが大好きで、地元の姫路市大塩町にも盛大な秋祭りがあるんですが、それも作物が豊かに実りますようにと祈ったり感謝したりというお祭りです。「五穀豊穣」というやつですね。

今年は姫路市の秋祭りも続々と中止が決まり本当に残念極まりないです。秋祭りが中止というのは人生で初の経験ですが、そもそも「秋祭りってなんのためにするんやっけ?」ということを考えるいい機会だったと思います。

付加価値の前のそもそもの価値。みたいなことを考えた方も多いんじゃないでしょうか。ここ半年、元々持ってたけど蓋をしていた自分の価値観に嘘をつけないようになって、本当に心地よく過ごせるように首都圏から離れたところに引っ越した方もいらっしゃるでしょう。

都会を離れた生活や仕事はオンラインの活用力やそれこそ「付加価値の高いサービスやものづくり」ができることが大事だと思いますが、全国の各地域の元々持っていた魅力をもとにした地域社会づくりがパワーアップすることを祈っています。

オンラインで世界中にも繋がりは持てますがそれと並行して、目の前にある繋がりやその土地で穫れる食べ物やその土地の神社で行われるお祭り、そしてそこで造られる日本酒や焼酎をみんなで楽しんでありがたがって触れるような、そんな繋がりがまた重要になると思っています。

地元の醤油やみそには馴染んでても地元のお酒には馴染んでない、という時代が変わる!!、、、かもしれません。地酒や酒蔵さんが持つ力や役割はその地域に根差す神社やお祭りと同じぐらい重要なものです。人が寄り合うパワーに満ちているはずなんです。

僕が地酒を好きな一番の理由は」その土地で飲むと一番美味しく感じるから」です。その土地の名物、調味料、ひいては酒場で聞くその土地の言葉。色んなものが相まってその地酒の美味しさを倍増させてくれると思います。

現代の日本酒はほんまに美味しいものが多すぎますから地元の人がもっともっと気づいて愛してくれるように漫才や講座などを通してこれからも微力ながら伝えていきたいと思います。

俺いつまで微力やねん!微力じゃなくて力を持てるように頑張ります!


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