月刊ビミー編集部員

「月刊ビミー」は、1985年創刊の日本酒酒専門誌です。400号以上を毎月10日に、欠号…

月刊ビミー編集部員

「月刊ビミー」は、1985年創刊の日本酒酒専門誌です。400号以上を毎月10日に、欠号もなく発行し続けています。酒なんてなくても済むものですが、されど酒で、日本人の叡智が生んだ産物でもあります。そんなことをいろんな角度で伝えたい「月刊ビミー」編集部員からのnote。

最近の記事

お弁当

しばらく、駅弁がビミーの表紙を飾っていたが、「このお弁当美味しそう」と何回となく読者からの声が届いた。店からのお持ち帰りが日常化した今だけれど、駅弁には郷愁をそそるものがある。明治5年に鉄道が初めて開通し、明治18年には駅弁が発売されたらしい。今では3500以上の種類があるというから驚き。車内での駅弁模様は様々で、出張のプレゼン資料を読みながらかっこむ人もいれば、仲間と楽しくワイワイと楽しむ人々もいるね。私の場合はそこにいつも日本酒をお供させる。 美味しい地酒を買って栓を開

    • 日本酒の香り、わかりますか?

      「チョコがカメ虫様に、生野菜は仁丹のにおいに変わった」と、あるコロナ感染者のコメントだ。人間には鼻の奥にある約400種の受容体でにおいを捉え、嗅神経を介して脳へ伝えるが、嗅神経の数や受容体の能力は人によって異なるという。個人差があり、匂いの感じ方は様々。さらに嗅覚情報は脳の感情を司る部位に働きかけるため、コロナによる嗅覚障害で、うつ症状を併発する例もあるそうだ。においは嗜好性が高く、その人の人生を彩るものだと言う人がいる。 確かに、と日本酒に鼻を近づけてみる。 この香しい

      • 酒蔵のジェンダー

        「酒蔵に女は入れられないよ」と10年前に言われたと、つい先日の取材で聞いた。そう言えば、酒蔵って女人禁制だったという事実を思い出す。そもそも口噛酒から始まる日本酒の醸造には女性が関わってきた歴史があるのだけれど、酒蔵は江戸時代以降から男性の世界になっていった。 本格的に日本酒を醸造をするようになったために、女性の手に負えなくなったからとか、月経によって穢れるからなど、女性を追い出した理由は諸説あるが、男性ばかりの世界になってからはそこに女性が入ることによって物議をかもす恐れ