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アマチュアが棋書を書く意味

今回はアマチュアが棋書を書く意味について考えてみます。その前に、プロ棋士が棋書を書く意味を書き出します。

プロ棋士が棋書を書くメリット

1.収入が増える

棋書を書けば印税が入ってきます。
棋書の市場規模は良く分かりませんが、将棋世界の公称発行部数は70000部です。印税の相場は大体5%から10%です。

税別1500円の本を1万部出版して完売した場合の10%印税を考えます。
1500×10000×0.10=150万円
こんなに売れるかなあ…。実際に多いのは50万~100万くらいですかね?まったくわかりません。執筆に数か月~半年くらいかかると思うので、それくらいは欲しいですよね。

2.将棋の普及・発展のためになる

プロ棋士は将棋の普及・指導をする努力義務があると思います。いくらプロがすごい将棋を指しても、観てる我々アマチュアが意味わからないのではもったいないです。そこで、新しい戦法・難しい戦法をアマチュアが理解できるように本として出版するというのは重要な気がします。

プロ棋士が棋書を書くデメリット

次に、プロ棋士が棋書を出すデメリットを考えます。

1.将棋の研究の時間が削られ、成績悪化の恐れがある

研究内容を棋譜ファイルや個人的なテキストに落とし込んだ段階でもう研究は完成しています。本を出す作業は余計な手間になるので、その分研究の時間が取れなくなってしまいますね。

2.他の棋士に研究内容が漏れる

出版された本は誰でもみることができるので、当然他のプロ棋士がみることもできます。「羽生の頭脳」とか「島ノート」は当時プロ棋士も読んでいたようです。そうなるとトーナメントプロは虎の子の秘蔵研究内容を書くのは難しいですね。タイトルホルダーのストックしてる研究内容全部書いてもらうには年間対局料の数千万円~1億円を払わないと割に合わないかもしれません。
 なので、最先端の定跡本は新進気鋭の若手か、トーナメントプロより普及活動メインのプロの先生の本が多いのでしょうね。所司先生とかすごいですよね。本も多いし教室もやってるし、弟子も多いし。

アマチュアが棋書を書くメリット

最近はトップアマの棋書も増えていますね。アマチュアが棋書を書くメリットはプロ棋士とほぼ同様です。更に以下のメリットが追加されます

1.将棋史に名を残せるかもしれない

アマチュアの棋譜は基本的に世に出回りません。アマチュアが棋譜を世の中に残すには、アマ主要大会で優勝してプロ公式戦に出て結果を出すしかないと思います。それができる人間は非常に限られています。
しかし、kindle出版なら誰でも研究内容を世の中に披露することができます。いつの日か日の目をみて升田幸三賞が貰えるかも…!

次に、アマチュアが棋書を出すデメリットを考えます。

アマチュアが棋書を書くデメリット

1.将棋の研究の時間が削られ、成績悪化の恐れがある

ほとんどのアマチュアはもともと空いた時間に趣味で将棋をやっており、基本的に将棋を指してお金を貰っているわけではないです(もちろん大会の賞金はありますが…)。なのでプロ編入を狙うレベルならともかく、通常のアマ強豪ならそれほどデメリットではないと思います。

2.他の棋士に研究内容が漏れる

これも上記と同様、将棋の成績と収入が直結しているわけではないので、思う存分秘蔵の研究を書くこともできます。

上記から、アマチュアが棋書を出すデメリットはプロ棋士より格段に少ないといえます。

ということは、プロの棋書よりアマの棋書の方がより高度な内容になっている可能性もあるのでは…?

まとめ

アマチュアの棋書はすごいかもしれない。
当サークルのすごい棋書はコチラ


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