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都内の自治体多言語対応HP増える

鶴田知佳子

大型連休にはいってすぐの5月1日、NHKの朝のニュースで「東京 港区は区内に住む外国人が母国語でワクチン接種や子育て支援など、行政サービスの情報を把握しやすくするため、ホームページで対応する言語をこれまでの4つから108の言語に拡大しました。」と聞いた。NHK NEWS WEBでも閲覧できる(2022年5月1日10:54配信)。

https://www3.nhk.or.jp/shutoken-news/20220501/1000079511.html

確かに港区には外国人が多いイメージがあるが、「17,000人ほどの外国人が暮らしていて、どのように区の情報を得ているか区が去年アンケートを行ったところ、区のホームページなどで入手するという声が多かったということです。」とある。そこで、気になってあるいは都内の他の自治体でもそういう動きがあるのでは、と検索してみたところ、「都内自治体、増える多言語対応HP100カ国語以上で情報提供も」という産経新聞の記事がみつかった(2022年5月4日22:50配信)

https://www.sankei.com/article/20220504-SQLCQNEX55IT7JPU47RQTLDMHM/

「ベトナム人約1700人、ネパール人約1100人が住む北区のホームページは4言語の対応だったものを4月からITシステム開発会社Welltool の自動翻訳システムを利用して108カ国語に対応する仕様にした」という。「同システムは昨年以降活用が進み、都内では新宿、葛飾、港、足立の各区などが導入している」「全国の自治体で同システムを初めて導入した江戸川区は、区在住の外国人が増加傾向にあり、令和3年時点で約36,000人が暮らす。昨年4月から導入したところ、外国籍住民から好評だという。」と、この記事では説明されていてこの自動翻訳システムが活用されていることがわかる。

さらに、システムにはウクライナ語も含まれているという。江戸川区の広報課の担当者は「区役所内で『この情報をウクライナ語で発信してほしい』と言う指示があってもすぐ対応できた」という。

再びNHKのニュースに話を戻すと、「NHK、国際放送にウクライナ語字幕」というニュースが3月3日に出ている。「NHKワールドJAPAN」のインターネット配信にウクライナ語の提供を始めた。NHKによると、3月2日から、ライブストリーミング英語放送のAI自動翻訳字幕にウクライナ語を追加し、さらに3月14日からは、ウクライナ語でのニュース原稿配信を開始したという(いずれも英語原稿の翻訳)。局内に2人いるウクライナ語話者がフル回転で原稿のチェックを行うが、そのもととなる最初の英→ウクライナの翻訳は大半がAI翻訳だという。国際放送では日本発のニュースなどの番組を英語で放送していて、約3年前からはネットの同時配信にAI(人口知能)が自動翻訳した9言語の字幕をつけている。それにウクライナ語が加わった。記事の中でNHKは、「厳しい状況の中で、ウクライナの人、ウクライナから避難された人にどのように情報を提供するかを考えた」とある。

このように刻々と変化する国際情勢の中で日本発の情報を多言語で発信できる体制にするのに自動翻訳システムやAIを活用するのは、理にかなっている。人が訳出するよりタイムリーに発信できるしコストもかからない。多言語で発信していくという動きが加速している。

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