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内田浦安市長に拍手-ホームページの英訳の問題に即座に反応!素晴らしい!!

                   白木 聖代

日本にはヘンな英語がはびこっている。特に公の知らせや看板などだ。
なぜ、そこに掲げる前にこれでよいのかどうか確認するというひと手間を省くのだろうか?
少し前に話題になった新国立競技場の`Hello, our stadium’についてもそうだ。これでよいのか英語を母語とする人に見せれば、一発でヘンだと思うだろうに。これでよいと思う日本人の英語に関する感覚もとてもおかしい。

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また、おかしな英語は、時にして外国人の生活に大きな不便をもたらす。
命が危険にさらされることもあり得よう。その顕著な例が自治体のホームページの翻訳である。今回、私の住む浦安市のホームページの英訳を見てみた。??という箇所がいくつもある。そこで、早速、浦安市の内田悦嗣市長に連絡をした。内田市長は即座にそれは問題なので、一度説明を聞きたい、と返答してくれた。そこで、先日、以下の資料を携え、市長に会ってきた。

資料1

<①現在浦安市のホームページに掲載されている日本語文章>

「現在、市では、市内に災害などが発生したときに、防災行政無線やジェイコム(ケーブルの地上波デジタル放送11チャンネルを使って、その情報をお知らせしています。
浦安には、日中仕事などで市外に出ている方がたくさんいます。このような方たちも含め、より多くの方にこれらの情報を迅速に、わかりやすくお知らせすることが、必要だと考えています。」


<② 現在浦安市のホームページで使われている翻訳>

”Using 11 channels of terrestrial digital broadcasting which are disaster PA radio network and Jay com (cable TV) when an accident occurred in the city at a city at present, the information, news.
There are many people who have gone out in the suburbs to the daytime work in Urayasu. In the one which depends including such ways and is much, these information, news, I'm thinking it's necessary.”

<③ ②の現在使われている英訳を日本語に訳し直したもの>


「現在、市内の都市で事故が発生した際の災害PAラジオネットワークとジェイコム(ケーブルテレビ)の11チャンネルの地上波デジタル放送を使用して、情報、ニュース。
浦安の昼間の仕事に郊外に出かけた人はたくさんいます。 そんなやり方も含めて依存しているもの、こういう情報、ニュース、必要だと思います。」

おわかりだろうか?③をご覧いただきたい。一目瞭然、英訳を日本語に直したものは意味をなさないし、文になっていないし、間違った情報だ。元の英語がそうだからである。その英語を外国人は目にするのだ。

この機械翻訳はどうやら全国で大変多くの自治体が使用しているようだ。つまり、それらの自治体がこの翻訳を公のものとして外国人の為に発信している。それは問題かもしれないけれど、ホームページの日本語をすべて人が訳すのは大変なことだよ、という声も聞こえてきそうだ。それは正しい。しかし、現在では他の機械翻訳で精度の高いものもある。


資料2では、同じ日本語を浦安市のHPで使用されているものとは別の機械翻訳で英語に直したものを記載した。(①)さらにそれを英語を母語とする人に訂正をお願いした。

資料2

〈①別の機械翻訳によって訳出された英文〉

Currently, when a disaster occurs in the city, the city uses 11 channels of terrestrial digital broadcasting of disaster prevention administrative radio and J-COM (cable TV) to notify the information.
In Urayasu, there are many people who go out of the city for work during the day. We believe that it is necessary to provide this information to as many people as possible, including such people, in a prompt and easy-to-understand manner.

〈② ①に英語のネイティブスピーカーが手をいれたもの。〉

Currently, when a disaster occurs in the city, the city uses channel 11 of terrestrial digital broadcasting of disaster prevention administrative radio and J-COM (cable TV) to relay any information.
In Urayasu, there are many people who work outside the city during the day. We believe that it is necessary to provide this information to as many people as possible, (including such people)*(no need to write this, it is understood, この部分は必要ない)in a prompt and easy-to-understand manner.

②をご覧いただきたいが、ネイテイブが訂正したのは太文字で示した箇所だけだ。このように、一般人が普通に使える機械翻訳でも、最近ではこれだけ精度が高くなってきているのだ。自治体が採用している機械翻訳も、もっと精度を高められるはず、と考えるのは理不尽なことではないだろう。

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結局、浦安市の内田市長はこの問題を真剣にとらえ、今後何とかしないといけないと考えていただけたようだ。私は自治体、例えば市は、そこに住む人々の快適で安全な暮らしを約束する必要があると思う。それは日本人、外国人居住者すべてに対してである。したがって発信される情報も日本人、外国人に対して公平なものであるべきだ。それが、正確な翻訳がされていないのであれば外国人にとっては大変な不利益である。今の自治体のホームページの翻訳を見ていると、多言語化した事実にのみ満足していて、中身が吟味されていないように思う。今後、私の住んでいる浦安市のようにその問題に気が付く自治体が増えていくことを願っている。私は日本人も外国人も共存できる街を夢見る。そのためにはこのような問題の改善がはじめの一歩ではないかとも思った。

                  (2020年10月17日)


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