見出し画像

【日本遺産認定地域インタビュー】交流あふれる街 小田原

執筆:日本遺産普及協会インターン 高瀬

日本遺産「旅人たちの足跡残る悠久の石畳道~箱根八里で辿る遥かな江戸の旅路~」には、神奈川県小田原市、箱根町、静岡県三島市、函南町の4市町の構成文化財が含まれています。
今回は小田原市観光課の方に観光の課題や取組についてお話をお伺いしました。小田原市の魅力がたくさん感じられました。

小田原城天守閣。「小田原城跡」は日本遺産構成文化財のひとつ

観光に関して課題はありますか?
過去に行ったアンケート調査では、小田原の観光客は40代以上の方、特に女性が多いという結果が出ています。イメージを伺っても「小田原城」がダントツで強いので、歴史の印象が強いのかなと思います。もう少し若年層やファミリー層にもお越しいただけるような取組が必要であるのかなというところです。

ファミリー層や若年層に訪れてもらうために取り組んでいることはありますか?
最近ですと、駅前にミナカ小田原ができて、その中にはフードコートやお土産屋、そして、展望台付きのホテルができました。また、三の丸ホールという市民ホールが誕生し、そのそばに観光交流センターという新しい施設を設けました。お城の目の前ですので、お城以外のところにも回遊してもらえる案内ができる施設になるよう現在取り組んでいます。

小田原市観光交流センター

小田原は住みやすい街である印象がありますがいかがでしょうか?
小田原駅は交通の便がとてもよく、5つの鉄道会社が乗り入れています。箱根方面、静岡方面、東京方面にも行きやすい、西と東の拠点になっていると思っています。新幹線で東京まで約30分ということもあり、居住地としても選ばれやすいのかなと思います。

アクセスがいい分、観光の経由地点となってしまうのでしょうか?
箱根の経由地という印象は持たれていると認識しています。行き帰りに立ち寄ってもらうよう、小田原駅の外に出てもらうようなコンテンツを揃えていきたいと思っています。

日本遺産構成文化財のひとつ「かまぼこ通り」

交通の便が良すぎるが故に起こっている問題なのですね。
いかに駅から外に出ていただけるかが大事になってくると思います。

小田原駅の認知度はとても高いはずですが、駅の外まで行って観光するとなると、一つハードルがあるのですね。
はい。小田原城は小田原駅から徒歩10分程度なので、お城をきっかけにいかに街なかを回遊してもらえるかというのが課題になっています。

八棟造りのういろう本店。「ういろう」も日本遺産構成文化財のひとつとなっている

降りてもらってもお城と小田原駅の行き来というケースが多くなってしまっているのですね。
本当は小田原を目当てに来ていただいて1日遊んでいただくのが一番良いと思っています。ですが、せっかく近隣に箱根や湯河原などの観光地があるので、そこと合わせて回っていただくアピールもしていきたいと思っています。

済生堂薬局小西本店店舗

小田原に来てもらうための取り組みは何かありますか?
令和4年度・5年度の取組として2つあります。
一つ目が「美食のまち小田原」という食をコンテンツとした事業です。
二つ目は「小田原 eスポーツ」といって、小田原でeスポーツを行うという事業です。
eスポーツといったら室内での実施をイメージしますが、小田原eスポーツでは小田原らしさを出すために、小田原城址公園内などでオフラインで開催し、実際に小田原に来ていただく取組として行っています。
地元の方達がチームを組んで参加してくださったり、いろいろな地域の方々が参加してくださったりしています。
今、小田原駅前のミナカ小田原内にeスポーツを無料で体験できる「e-zone」を開設しており、水曜日の午後4時から8時まで自由に利用できます。

そこで地域の方の交流ができそうですね。
そうですね、チームを組んでもらえるといいなと思っています。ゆくゆくは小田原市からプロゲーマーが出て、小田原をPRしてくれるという繋がりも面白いのかなと思っています。

美食のまちの取組についてはどうですか?
小田原はかつての街道沿いにあり、城下町や宿場町としても盛んだったので、文化と産業が結びついている街です。
さらに、森里川海が「ひとつらなり」となった豊かな自然環境にも恵まれています。これらの特徴を活かした小田原の食や食文化、そして食にまつわる人や体験などの地域資源をさらに磨き上げて、小田原の食のイメージを広め、地域経済の好循環化に繋げていく取組です。
これまで、美食のまち市民サポーターの設立や、地場産フェアの開催、食育の推進にも取り組んできました。

かまぼこ
小田原梅干し
小田原提灯

最後に小田原市に興味がある皆様にコメントをお願いします。
豊かな自然環境に囲まれ、歴史と文化がちりばめられた街です。近隣には箱根・湯河原といった温泉地もあり、日帰りでも宿泊でもお楽しみいただけます。旅行気分を味わいたい方にも、いろいろな時代の文化を深堀りしたい方にも、何度でもお楽しみいただけると思います。

終わりに
地域の方々の交流の場を作ることでさらにコミュニティが作られ、地域活性化に向けて進むことができると思いました。

小田原市を含む日本遺産「旅人たちの足跡残る悠久の石畳道~箱根八里で辿る遥かな江戸の旅路~(ストーリー62)」

運営:日本遺産普及協会


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?