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王羲之の末裔、孔子の末裔

東京都のオンラインマスタークラス「日本語のタネ」の糸川優です。
複数の大学で、日本語教育、キャリア支援、日本人のアカデミックライティングなども担当しています。

新学期、あるクラスの初日、アイスブレイクで名前の意味など尋ねていました。

すると、一人の中国人学生が、名前の中の「基」という漢字は順番だと言います。中国でそんなに兄弟がたくさんいるとも思えないが、とあれこれ尋ねてみると、彼女は「王羲之」と書いてみせ、26だと。
はい?あの王羲之?「永和九年」の?
私も教職課程を取っていたので、蘭亭序を書いたのを思い出しました。
どうやら、王羲之の末裔で、26代目だということでした。傍系ではあるけれど、26代目に当たるので、「基」という漢字が使われているという話でした。
なんと!自分が王羲之の末裔であるとわかっているんだ!
その場にいた中国人はさすがに王羲之を知らぬ者はおらず、「サインください」などと、ちょっとした騒ぎに。
じゃあ、「基」の次の代はどんな漢字を使うの?と尋ねてみましたが、彼女にはわからないそうです。また、彼女は書を嗜む人ではありませんでした。

王羲之がいつの時代の人かを考えると、なんだか計算が合わないなあという気もしましたが、そういえば、以前、孔子の末裔だという学生がいたのも思い出しました。その人も、同様に、〜代目だから〜という漢字を使っているのだという説明をしていたのです。
嘘だとは全く思いませんが、孔子の子孫は何千万人いるんだろうかという気もします。ともあれ、偉大な先祖を覚えて、名前に刻んでいるということに驚きます。

彼の国の長い歴史を思い、遠い彼方を見やって、呆然としたのでした。
(写真は王羲之も蘭亭序も見当たらなかったので、湯島聖堂の孔子像です)

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