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【日本語教師あれこれ話#13】学習者とのラポール

春は新しい学生が日本語学校に入学してくる時期ですね。新しい学生が入ってくると、「学生は私を受け入れてくれるだろうか?」と初めての授業では緊張してしまいます。

私は、過去の職歴(合唱指導、地域施設への訪問コンサートなど)のおかげで、子供や老人と仲良くなるのが比較的得意です。また、3年半の留学経験があるので、日本人以外の方と仲良くなることも抵抗がありません。

それとは逆に、ゴリゴリのビジネスパーソンと話すのは苦手です。ストイックで、意識高い話なんかは「す、すごい!けど、私とは違う世界なんだろうな〜」なんて思ってしまいます。夫以外のビジネスパーソンとは、ぼーっと生きてるのがバレそうで…怖くて話なんてできません。

要するに、私は「お茶の間タイプ」の人間なんだろうな…と思います。お茶の間でお気楽に話すようなことしかできない、呑気な人なんです。

お茶の間タイプの特徴として
・明るい
・嫌なことはすぐに忘れる
・よく話す
・よく笑う
・都合が悪いことを聞き流すことがしばしば
・声がでかい
・人の話を聞くのが好き
・よく食べる
・よく飲む

こんなことが挙げられるのではないかな?と思います。いいんだか、悪いんだか…一昔前に流行った「オバタリアン」というか、典型的な中年女性の特徴かな?と思います。もちろん、私は中年女性ど真ん中です!

お茶の間タイプの人は、国際的に見ても「わかりやすい人」だと認識されるようです。考えていることが、全部顔に出るからです。「楽しんでいるんだな〜」「ご機嫌みたいね」とか、「あ、こいつ、この前言ったこと忘れてやがるな」とか、「今、私の話、聞き流したでしょ」「笑って誤魔化したな」などなど、いいことも悪いことも、ぜ〜んぶバレバレなんです。本人、隠す気もあまりないという…。ちょっとは取り繕えや!と思われているんだと思います。すみません💦

が、
そんなお茶の間タイプの私には、向いている仕事があります。
それが「日本語教師」です。

後述しますが、日本語教師には専門の知識と技術が必要です。その専門知識と技術がなければ日本語教師にはなれません。それは後から磨くとして…そもそもの特徴として「わかりやすい人である」という特徴がプラスに働く職業だということです。

理由はご想像通り。学習者にとっては、ノンバーバールによる情報収集が非常に重要だからです。言葉=バーバルコミュニケーションが難しいのに、ノンバーバルコミュニケーションができない相手なんて、難しいし、わけわかんないですよ。

言葉が分からなううちは特に、顔の表情や雰囲気から相手の考えていることがわかることで、安心できるんです。これは私が留学したときに、自分自身が体験したことでもあります。

「わかりやすさ」は「安心感」につながる。

私のように、わかりやすい「お茶の間タイプ」は日本語教師に向いています。

性格の特徴もさることながら、日本語教師にとって大切なのは「知識」と「わかりやすく伝える技術力」です。
どちらもまだ、私には足りていません。
おそらく、知識が基礎であり、基礎である知識を踏まえた上で「わかりやすく伝える技術力」を磨く必要があります。

もう少し具体的にいうと…

  • その日、自分が教える文法事項について不足なく理解し、関連する文法事項を理解しその違いを押さえ体系的に理解する。(知識)

  • その上で、これまでに教えた学習者にとっての既有知識で伝える方法を考える。(わかりやすく伝える技術力)

こういうことだと思います。
これを日々繰り返すことで、「知識」と「わかりやすく伝える技術力」が向上するのだと思います。そうすることで、学習者にとって「わかりやすい授業」が出来上がる。多少時間がかかっても、「知識」と「わかりやすく伝える技術力」は向上させる必要があります。だって

「わかりやすさ」は「安心感」につながる。

話をまとめると、日本語教師にとって大事な要素は、「人としてのわかりやすさ」と「授業のわかりやすさ」なのではないでしょうか。

さらに、

「わかりやすさ」は「安心感」につながり、そして、それは信頼(ラポール)へ発展する。

私の個人的な考えではありますが、私はそう考えています。

例えば、私の考えが正しいと仮定しても、
人としてのわかりやすさは、個人の努力?特徴?によるものなので私がどうこうできることではないでしょう。しかし、「知識」と「わかりやすく伝える技術力」については多くの皆さんと共有できることだと思っています。
そんな想いを込めて私のチャンネルでは、「みんなの日本語文型分析まとめ」という動画(緑シリーズ)を作成しています。
ぜひYouTubeでご覧ください。

これからも、「日本語教師」としてどんどんパワーアップしていきたいと思った4月でした。

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