見出し画像

大阪弁(にほんごどうぞ!#3)

皆さんは大阪弁にどんな印象を持っていますか。

私は生まれも育ちも大阪なので、ネイティブの大阪弁スピーカーです。家族や関西人の友人にはLINE も関西弁で書いています。が、仕事は日本語教師なので教師養成の講座を受けていた時に、標準的な日本語の発音を学んで発音できるようになり、徐々に伝わりやすい話し方ができるようになりました。今では、少し自分の話し方に自信をつけることができました。
しかし、実はそれまで大阪弁しか話せないことに劣等感を感じたことが何度もあったのです。

その最初の経験は大学1年生の時でした。私の大学は大阪にある大学だったのですが、クラスメートの半分以上が他府県からきた学生達で、彼らの話す日本語を聞いて「まるでドラマの中から出てきた人みたい!」と感じました。つまり、彼らの話す日本語が私にはとても標準的で通じやすい日本語に思えたのです。

実際には日本各地からの出身者がいて、それぞれの地域の方言の影響を受けた日本語だったのでしょうが、とにかく、私には彼らの発音や話し方がとてもスマートで、伝わりやすい話し方だな、と感じました。そんなクラスメートたちも大学3年生、4年生になってくると次第に大阪弁を話すようになったのですが、それはさらに、1.出身地の方言+2.大阪弁+3.標準的な日本語を話せる『トリリンガル』みたいですごいな、とも感じました。

大阪駅1

一方、私はずっと大阪弁のモノリンガルのままでした。もちろん大阪弁で一番素直に自分を表現できたのですが、複雑な気持ちもありました。大阪弁の特徴としてよくあげられることが、「擬音語・擬態語」が多いという点です。例えば、道案内で「この道をまっすぐ行って、右へ曲がったら、すぐ右側にその店が見える」と言う場合、カジュアルな大阪弁なら「この道をたーっと行って、右に曲がったら、パッと右にその店、見えるで」 と言ったりします。この「擬音語・擬態語」の使用の多さが劣等感を感じる理由でもありました。それまでずっと違和感なく聞いて話していたことが、なんだかちょっと「バカっぽい」話し方だと思えてきたのです。それなのに自分の言いたいことを標準的な表現で正確に言い換えることができず、モヤモヤとして、そんな自分に劣等感を持つようになったのです。

それを克服するために、私は少しずつコミュニケーションについての本を読むようになりました。擬音語・擬態語に頼らずに、正確に伝わる話し方はどうすればできるのか、どんな言葉を選んでどんなフレーズで、どう話せばいいかなどを少しずつ学び始めました。

日本語教師となった今、ようやく標準的な日本語と大阪弁のバイリンガルであることに自信が持てるようになってきました。
皆さんは、日本語を学びながら、自分が日本語を話すときの自信をどうやって増やしているのでしょうか。ぜひ、聞かせてください。

#多読  #日本語の勉強 #JLPTN1 #方言 #大阪弁 #コンテンツ