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【昨日の授業】コナンのエピソードを作ろう!

学習自体の目的は、語彙の増強と漢字の確認でした。
その手段として、何かみんなが楽しく取り組めるもの・・・と考えて、生徒たちが小学校のころ(たまたま私が補習校1,2、5年生と中学生年代で担任をしている子たちなので)よく読んでいた名探偵コナンにしてみました。
補習校の図書室にコナンのマンガがあるので、はまっていた子は毎週借りて読んでいました。
うちの子も小3くらいで、
「お母さん、『みっしつさつじん』ってなに?」
と聞いてきたのが懐かしいです。

さて、まずは一番端的に「どんな話」かあらすじを話してもらいました。
興味がありそうな同級生に
「何読んでいるの?」
と聞かれるなら、ある程度詳しく話してもいいですが、興味はなく、ただコミュニケーションとして声をかけた祖父母なら、一番骨子になるところだけを伝えればいい。
その反応を見て、必要に応じて少しずつ足せばいいのです。

余分な言葉はないか、逆に不足している言葉はないか。
例えば、「薬を飲まされて子どもになって」とか「黒ずくめの組織が」というのは、どうしても必要なのか・・・とみんなの意見から削ったり、合わせたりして、考えました。

次に、作者が「来週のアイディアないなあ! 何かない?」と聞いたと仮定して、私たちでエピソードを作る、という設定で進めてみました。

まず、どんな「事件」にするか。
世の中にはどんな事件があるのか、あげてもらいました。
殺人、強盗、窃盗などに始まり、パワハラ、痴漢、贈収賄、麻薬取引なども出て、バラエティー豊かな「事件用語集」が出来ましたw
1つずつ訓読みを確認したり、同訓異議語を挙げたり、部首(痴はやまいだれとか)を考えたりします。

強盗と窃盗はどう違うのか、他にどんな類義語があるのか。
すり、泥棒、空き巣、万引きなどが出ました。
高校生だと思いつかなかった置き引きも追加しておきました。
これで、「すり・置き引きに注意!」と書いてあっても、これで何に注意すればいいか分かります。
そんな感じで、そこを入口として言葉を増やし、漢字を確認してきます。

次にエピソードとして、どの事件を取り上げるか。
やはりコナンなので、殺人で行くということになりました。
パワハラとか視点は新しいけど、謎がないとコナンくんの活躍の場がないからね。

今度は「死因」を集めます。
どうしたら人は死ぬか。
一番最初に「打ち首」って出たのが面白かったです。
私の趣味(ミステリー読書)で、絞殺、扼殺、縊死はちゃんと分けましたw
「絞める」と「閉める」の違いは何か(部首から想像できる)とか、「縊れる」とか「扼」は手へんだとか。

それから「凶器」がいるものは、どんなものが凶器として使えるか。
打ち首は刀と言われた。
フランス革命みたいなギロチン台も使えるよ!(どっちにしても刃なんだけど)
また、特別な「犯行現場」が必要か。
「凍死」という意見が出たので、それなら冷凍室とかが要りますからね。

ある程度情報が出たところで、じゃあこの中で、トリックを使えそうなものは何か考えました。
謎を埋めそうなもの。
犯人の視点にたって、自分だとばれなさそうなやり方、凶器を隠したり、なくしたりできる方法を考えてもらいました。

みんなで相談して、死因は「撲殺」。
凶器は堅い木。(どの種類が堅いか分からないけど、調べよう、と)
それで最後は燃やしてしまって、証拠隠滅というアウトラインを決めました。

じゃあ、どんな場所だと「燃やす」ということができそうだろう?
―キャンプファイヤー!
キャンプファイヤーに行きそうな人は誰?
―学生とか。

それは遊び(サークル?)、勉強(ゼミ?)、バイト仲間?
誰が誰を殺す? 動機は??

という感じで、決めていきました。
コナンくんはきっと、キャンプファイヤーの燃えカスで、この部分だけ、燃え切ってないとか、消し炭の感じが違うとかって気づくんでしょうね。

ちなみに世界で一番堅い木材は、ハマビシ科の広葉樹「ユソウボク」だそうです。
カリブ海の木らしい。

不穏当な言葉のオンパレードでしたが、「コナン」を免罪符にして、まあ生徒たちも面白く漢字学習ができたのではないかと思います。

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