「神様は生の米を食べるの?」と幼い子が
米、塩、水を供えて神祭りをする。幼い子がそれをみて言った。
神様は生のお米を食べるの?
お供えの素饌(そせん、米塩水酒)や五穀は神様がお食べになるのではない。米の力、塩の力、水の力、酒の力をお使いになるのである。
米にはコメの力がある。
一粒の米が出来上がるには、大地の力、水の力、日の力が必要である。
夜には月の光が射す、星が響きを伝える。風が吹く、雨が降る。
そういうもの一切を凝縮して一粒の米となる。
それを神前にお供えして祭りをお仕えする。
神々がその供え物の力を使って祭りをなさる。そのために素饌や五穀をお供えするのである。
その他のお供えをミケツという。
ミケツも同様に、海のものを供えて海の力を祭りに用い、山のものを供えて山の力を祭りに用いる。そのためのお供えである。
したがって、重要祭事にあたっては、祭りの力を大きく発揮していただくためにも、豊かなミケツをお供えするのがよい。
神様がお食べになるというのではなく、ミケツに籠められた力をお使いになるのである。