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「カエルの楽園」が地獄と化す日:百田尚樹(著) おススメ本【勝手に宣伝!】

「カエルの楽園」を読んだ石平さん(中国生まれ。現在は日本に帰化)が百田さんに対談を持ちかけ実現した対談本。内容は「カエルの楽園」をベースに対談が進んでいるが、寓話ではなく現在の中国の本質と日本の特徴を鋭い視点で照らし合わせている。日本の将来に警鐘を鳴らしているのも見逃せない。2016年後半の作品にもかかわらず2021年現在に読んで色あせていない。当時の状況からジワジワと悪化している現況に危機感が増すでしょう。
※本作品は小説家ではなく、言論人の百田さんの一面が味わえます。

こんな人にマッチするかも

・カエルの楽園を読んだ人
・カエルの楽園と現在、未来とを照らし合わせたい人
・2016年後半、日本と中国で何が起こっていたか振り返りたい人
・日本が中国に占領されたらどうなるか、石平さんと百田さんの鋭い見解を知りたい人

ストーリー、構成、読みどころ

[文庫本裏表紙の内容紹介]
中国の軍事冒険主義はエスカレートする。
軍艦、戦闘機の次は何が来るのか。沖縄独立後の中国の出方は?
『カエルの楽園』の予言はすでに半ば的中した、次はどうなる?
ベストセラー作家・百田尚樹と、中国人の本心を知りつくす石平が最悪の日本侵略シナリオを警告。
軍事衝突、巨額の損害賠償請求、クーデタ、虐殺・・・戦慄のシミュレーション!

2016/11/11の発売。トランプ大統領の当選直前の対談なのでまだトランプ大統領が日本に対して「在米駐留費をもっと払え」と演説していたり、中国の不道理な行いに意識が向いていない状況下。
日本のマスコミ・テレビは依然「中国の尖閣諸島付近の領海侵犯」を報道していない時期。

2021年現在は、パンデミックもあり、中国の脅威や言動が色々と表に出て、欧米各国の対中国への硬化態度が鮮明化。日本のマスコミ報道も少しずつ中国の実態を映し出しているので、本作品はスッと入りやすい内容なのだが、上述の2016年発売当時でここまで鋭く見解を述べている事は両者の先見力に改めて驚かせられる。

「カエルの楽園」「カエルの楽園2020」では、いわゆるバッドエンドが描かれているが、本対談ではその現実版、よりリアルで詳細な中国と日本の状況について書かれている。
中国の脅威に危機感がない人、平和ぼけしている人には、本作品はササラナイかもしれないが、そうでない人にはとても興味深いはずです。

本作品での私が主にピックアップしたいトピックス
・日韓問題、いわゆる従軍慰安婦問題について
・GHQの日本への占領政策について
・中国の侵略方法について
・中国の占領政策について
・中国の尖閣諸島への具体的な占領方法について
・中国が侵略してきた際の日本のマスコミの動きについて
・中国のチベット、ウイグルの植民地化政策について

色々具体例が書かれており、特に「通州事件」の残酷さや、ジワジワと占領をしてくるやり方(「日本が武装解除したら攻撃しない。なので平和条約を結ぼう。」と騙し打ちをしてくる等)は、性善説が根強くある日本文化にとって現実味があり末恐ろしく感じさせる。

「はじめに」を石平さん、「おわりに」を百田さんご自身が書かれているのも必見です。

アメリカの占領政策は、指導層の戦争犯罪を除いて公職追放を基本としていましたが、中国の占領政策は、粛清によって物理的・肉体的に消滅させるという大きな違いがあります。

私が『カエルの楽園』という寓話を書いた動機も、マスコミを支配する異常な空気にあるんです。そもそも寓話小説というのは、直接批判したら政府や教会などの権力、権威に睨まれて、許されない内容を表現するためのものでした。

二〇一五年に安保法制が可決され、ドイツもフランスもイギリスも、これを歓迎しました。いいことだと。それから東南アジア諸国も、もちろんアメリカもカナダもオーストラリアも、世界各国がほとんど賛同した。あかーん! と言った国は韓国と中国だけ。

もともと戦後四十年近く、韓国は慰安婦を問題にしてこなかった。ところが、朝日新聞がいわゆる吉田証言を大々的に取り上げて初めて、韓国は、日本で騒いでいるからこれに乗って外交カードにしようということになった。
本多勝一はまったく裏取りの取材をしていないんです。二日か三日の南京滞在で三、四人程度の証言者に会っただけ。彼らの言い分をそっくり受け入れて、日本軍はこんな悪行をした、と書き散らした。呆れたことに本多はのちに、「『中国の視点』を紹介することが目的の『旅』であり、その意味では『取材』でさえもない」と語っています。
飛鳥新社 (2016/11/11)
Kindle版 1027円
単行本 1220円

飛鳥新社 (2020/3/26)
Kindle版 693円
文庫 770円

※他の百田さん作品集、マガジンにしています。

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最後までお読みいただきありがとうございました。
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Best of luck

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