化学そのものの話

皆さまはじめまして。私は大学院で化学系の研究をしている者です。名前は二ヒコテとでも呼んでいただけると嬉しいです。国語は苦手なので文章作成にはあまり自信がないですが優しい目で気楽に読んでいただければ幸いです。

さて突然ですが皆さまは「化学」はお好きでしょうか?化学=暗記教科という認識が強いので得意不得意ははっきり分かれるかと思います。分野にもよりけりですが暗記でどうにでもなる部分もあるのでその認識は強ち間違いではないかと思います。ですが、せっかくなので中学高校では恐らく触れないが中学高校の化学と関連性の深そうなトピックを掘り下げていこうかと思います!

今からは「そもそも化学という学問はどのようにして発展したのか」という話をしていこうと思います。実は化学の起源は紀元前に遡ります。

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古代ギリシャ・エジプトではそれぞれ別々のアプローチで化学という学問を探究しました。ギリシャは「万物の根源は何か?」という哲学の観点から、エジプトは「錬金術」の観点から捉えました。両者に共通するのは世の中に存在する物体に着目したことです。

ギリシャでは自然哲学(イオニア学派)の一環として、万物の根源は何か?についてさまざまな論を提唱した哲学者がいました。有名なのは万物の根源=水としたタレスや万物の根源=数としたピタゴラス辺りでしょうか。今回注目したいのは万物の根源=原子としたデモクリトスです。時代としてはソクラテスの全盛期辺りです。デモクリトスの唱えた原子論とはざっくり言えば目には見えないこれ以上分割できない最小粒子(アトム)が空虚(ケノン)の中で運動しながら世界を構成しているのだ、という考え方です。

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この考え方は現在の原子の考え方にも共通する部分があります。現在から2400年も前の人間の発言とは到底思えないほど核心を突いたものだと私自身は感じています(ただ現在とは違う部分もあります)。しかしデモクリトスの原子論は賛否両論で賛同者もいれば異論を唱える者もいました。

賛同者で有名なのは快楽主義を唱えたエピクロスや禁欲主義を唱えたゼノン辺りです。異論を唱えたのはアリストテレスやプラトン辺りです。アリストテレスは自然界に空虚は存在せず、原子はいくらでも分割可能であると考えました。プラトンは理想主義者なのでデモクリトスの現実的な思想に強く反発し、デモクリトスの書物をほとんどすべて焼き払ったとまで言われています。ただせっかくの原子論なのに確かめる術がなかった事は非常に惜しいです。まあ当時は電子顕微鏡などあるはずもないので当然っちゃ当然なのですが。。。

ギリシャの化学の起源に関して私はデモクリトスの原子論が最古なのかと思います。エジプトの化学の起源の話とその後の話は次の記事で・・・

皆さまとの出会いに感謝、略してC₁₀H₂₂です!

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