新たなる一時預かり犬

犬のいる生活にすっかり慣れ、コロナ禍をのんびり暮らしていたところ、また一時預かりの募集が出ていた。

白い小型犬と黒い小型犬。黒い方はパグっぽい。もう片方はで、目がギョロッとして鼻が潰れていてものすごくブサイク。パグとチワワが混じっている感じ。そしてとても好みじゃない顔。でも犬。

どうしようかなあ…という気持ち半分、居場所がない犬の一時的な場所なら、一軒家だから大丈夫、という気持ち半分。家族と相談して引き受けることにした。何しろ愛犬はとてもおとなしくて動かないので、愛犬の遊び友達になってくれればいいと思ったこと、そもそもそれほど犬が好きじゃない愛犬が、他の犬に慣れてくれればいいと思ったのだ。

黒い大人の犬がだめなので、白い犬で子供なら大丈夫かも?という気持ちもあった。


愛犬の譲渡元でもあった保護団体に連絡してみると、それはそれは大変な遺棄元のようだし、犬も大変そうな子だった。運動神経がよく、やんちゃで暴れん坊。それなら何匹も拾ったし、強烈な子はいっぱいいたので大丈夫だろうと引き受けた。

愛犬の状態も相談して、大丈夫じゃなければ別の部屋に隔離しても平気かどうかも確かめた。一軒家はこういう時に余裕があってありがたい。


当日、それはそれは落ち着きのない白い子犬(7ヶ月)が来た。

話をしている間も飛んで跳ねる。騒ぐ。連れてきた方が常に叱っている。まあ子犬ならこんなものか、と巨大なゲージと一緒に部屋に入れた。


喧嘩をすると危ないので、ゲージに入れていると、絶叫。吠えるなんてもんじゃない。叫ぶ。傍から聞いたら虐待されているのでは?というような声。

怖すぎる。叫んで喉が切れて死んでしまうんじゃなかろうか、と思ってゲージから出すと、ピタッと静かになってあちこちいたずらを始める。

愛犬は困惑気味で、テレワークの私の部屋で大人しくし、白犬はリードをつけてケージに繋いだら、リードごと移動して絶叫する。リードもだめらしい。

どうしようかと悩みつつ、ちょっと目を離したらリード付きでゲージに登って、足を挟んでまた絶叫。

足は幸いなんともなかったようだけど、大暴れ。家族も私も仕事にならずに頭を抱えた。

とはいえ初日なんてこんなものか…と思っていたら、今度は下痢をした。しかも水下痢。ケージはうんちだらけ。壁もうんちが飛んで廊下も同様。


うわー、この子大丈夫かな、引き取り手見つかるかな…と思いつつあちこち掃除した。

アルコールスプレーは幸いたくさんあったけど、犬の糞便用スプレーをアマゾンでポチッとした。


下痢犬は、その後あちこちで下痢とおしっこをして、犬の下痢にトラウマがあった私は速攻で保護団体に連絡した…。体力なくなると子犬は死んでしまう。しかし、若くて元々そこそこ体力あると、死ぬちょっと前までは元気なんだよね…。


ドッグフードをふやかして食べさせ、缶詰を食べさせ、病院に連れて行き薬をもらい…。下痢以外は健康だったので安心しつつ、様子をみて暮らした。


下痢なので、ゲージのタオルケットはドロドロ。洗って干してを繰り返して力尽きつつ、それでもゲージに入れると泣き叫ぶので、半分あきらめてドアノブにリードを付けて、寝室にトイレシートを引きまくって同じ部屋で寝た。

夜、ゲージに入れて寝ようにも叫ぶし、いくらなんでも夜中に子犬特有の高い声の絶叫は近所迷惑すぎる。

ガッツがあるので、何時間でも叫び続けるのだ…。


案の定、寝室で下痢をして、私は下痢を踏み、そして布団に入りたいと叫ぶ犬をなだめ…初日は家族全員寝れなかった。


そして、それは一週間続いた。


テレワークだったからなんとかなったけど、朦朧としながら暴れておしっこうんちをあちこちにする犬を追いかけ、一日に6回くらい散歩に連れて行き…正直大分限界だった。


一日に6回散歩したのは、それまで散歩に連れて行って貰えなかったらしい白犬は、散歩が楽しいので散歩をせがみまくった上、散歩はちょっとまってね、といった瞬間に下痢便をするので…もう家族がノイローゼ状態だったのだ…。


私は、過去に拾った犬に一ヶ月部屋中おしっこ+うんちされていたので、ぶっちゃけ慣れていて、まあこんなもんか…と思っていた。

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