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別の市長の市民になったよ

4年前、東京の声優養成所に通うことになった僕は、兵庫から単身夜行バスに飛び乗って新居を探した。

「男二人でルームシェアできて、麻布十番まで通えるところ。仕事はこっちに来てから探します。」

パワプロで言うと「三振」「エラー」「ムード×」が全てついているような悪条件。

そもそも初めて実家を出る僕は、世間のことをあまりに知らず、「正社員だと偽装してくれるダミー会社があるのでそれを使うしかないです。」という不動産屋の言葉を信じるくらいの危うさだった。

不動産屋をいくつか巡って、その日の夜に申し込み。

紆余曲折を経て、選んだのが小金井という土地。

どこか加古川を思い出させるようないい感じの田舎さは、とても住みやすく、しかし終わりの時は来るもので…

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じっくりことこと時間をかけて引越した話

というわけで、引っ越しました。

既に引っ越してから2週間経ちましたが、仕事やら舞台の稽古やらで忙殺されており、ダンボールと僕、どちらが家主なのか分からないような状態です。

前述の通り、前の家は朝から探して夜には申し込みの超スピード物件探しだった為、今回初めてじっくり家探しという経験をしました。

なのでまぁ備忘録というか、色々使ったものとか使えなかったものとかを、落ち着いたこのタイミングでまとめておこうかなとそういうあれです。

あ!ここ進研ゼミでやったとこだ!

めちゃくちゃ大前提として、みんな大好き両学長の動画を参考にしました。
もしかしたらYouTubeの使い方を知らない方がいるかもしれないので、ざっくり内容を説明すると、

●日本の不動産仲介業者は死ぬほどぼったくってる。
●オプション料金は全く必要ない。
●仲介手数料は基本家賃一ヶ月分の半額までしかとれない。

こういうのとてもかぶれやすい僕は、「絶対無駄なお金は払わないぞ!」という意識を高め、「ルームクリーニング費用」とか「消化器代」とか書いてある物件を見つけるたびに、「あ、ここ両学長のYouTubeでやったとこだ!」とはしゃぐことになります。

高まった意識は「仲介手数料も払いたくない!」という領域に達し、家探し初期はずっとウチコミ!で物件を探していました。

ウチコミ!は大家さんが直接募集するから全物件が仲介手数料無料の賃貸情報サイトです。大家さんに直接お部屋探しで相談ができます。
〜公式HPより〜

大家さんが直接入居者を募集しているサイト。当たり前ですが何も仲介しないので、仲介手数料も発生しません。

…なのですが、とにかくサイトが使いづらい。

大まかな場所や沿線の検索は出来るのですが、最寄駅検索が出来ない、設備検索が出来ないと、検索機能の使いづらさが半端じゃないです。

この後、suumoで家探しをするようになって、使いやすさにびっくりしました。
多分、100円ライターを渡された北京原人はこんな気持ちなんだろうなと思います。

◆メリット
・仲介手数料が発生しない。
・大家さんと直接家賃や設備の交渉が出来る。

◆デメリット
・物件掲載数が少ない。
・とにかくサイトが使いづらい。

Yeah!サンキュー!

別に頭がおかしくなったわけでも、パンサー尾形の真似をしているわけでもなく、次に使ってみたサービスがyeah!39roomsでした。

イエー!は賃貸物件の不動産屋比較サービスです!

ご存知ですか?
賃貸物件はどこの不動産屋で契約をするかで、初期費用が大きく異なります!
気になる物件を見つけたら、不動産屋比較のイエー!にご連絡ください!
イエー!がお客様にかわり、最も安く契約できる不動産屋をお調べ致します。
ご利用は完全無料です。
〜公式HPより〜

当初、ホテル検索サイトのトリバゴみたいな、サイトにちょいと情報を入れたら比較情報を出してくれるみたいなものを想像していたのですが、実際は完全に人力です。

suumoとかで調べた物件情報をラインで送ると、最安値で紹介できる料金を送り返してくれるというサービスで、基本的に大量に内見さえしなければ無料なのと、ラインでやりとりできるという手軽さが魅力的でした。

逆を返すと、ちょっとでも気になる物件があれば、気軽にバシバシラインが送られてくるということなので、3月の担当者はさぞ地獄だったろうなーと思います。実際、催促しないと一週間くらい返事が返ってきませんでした。

ここでは一件だけ内見もしたのですが、コロナ対応ということで、「ここに鍵が置いてあるので、勝手にどうぞ!」というまさかのフリースタイル。

「ここなら手数料半額でいけますよ!」という内容での紹介だったので、ある程度住みたい家が決まっていて、繁忙期以外に家探しをするのならとても良いサービスなんじゃないかと思います。

◆メリット
・手軽。
・最安値を教えてくれる。

◆デメリット
・繁忙期には中々返事が返ってこない。
・コロナ中は内見フリースタイル形式だったので、相談とかが出来ない。

yeah!のデメリットは中々返事が返ってこないことなんですが、その上位互換が39roomsです。

39roomsはyeah!同様、suumo等で探した物件をHPから送ると、「仲介手数料無料もしくは3万9千円」で紹介してくれるサービス。

早速、suumoで調べた物件のURLを送ってみましょう!

他の人に取られたらやだし、早く返事来るといいなぁー

(^ω^)


(^ω^)


(^ω^)


…そして、週が明けた


…えーと、結論から言うと、返信きませんでした。

クチコミを調べてみると、同じような状況が結構多いらしく、取り扱える物件以外はサイレントで受付拒否しているのかもしれません。

そもそもよく考えたら、仲介手数料3万9千円ってめちゃくちゃお得って訳でもないよなぁと思ったので、載せておいてあれですがこのサービスは個人的には微妙かなぁと。

◆デメリット
・そもそも返事が返ってこない。
◆メリット
・返ってきたらすごくラッキーな気分になれる。

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青い鳥は家にいた

なんやかんやといろんなサービスを使ってきた僕なんですが、最終的に餅は餅屋ということで、不動産屋に行きました。

行ったのはここ。

ヘヤギメ!とは?
お客様のイメージする不動産屋を楽しいものに変えるために「ヘヤギメ!」という名前をつけました。「!」びっくりマークがつくぐらい素敵なお部屋に巡り会えるように精一杯お手伝いさせていただきます。
〜公式HPより〜

お部屋探しCAFFEを謳っている店舗でお洒落な内装に、HIP HOPが常に流れている店内。

ぶっちゃけ良い物件さえ探してくれるのなら、汚い雑居ビルで白湯でも出してくれたら十分なんですが、本当にメニューが置いてあって、「ご注文何にしますか?」と聞かれました。

ちょっとお得かなくらいのサービスですが、入居物件が決まって以降は、一度もメニューを出してくれなかった徹底ぶりは少し好きです。

あと、ここの良いところは全てのやりとりをLINEで済ませることが出来ます。
電子メールとか電話とか現代っ子の我々からすると、面倒くさいじゃん?

というわけで、とりあえず要件定義。
今回、不動産屋に伝えた条件は以下の通りでした。

・無駄な金は払いたくない。
・家賃上限6万円くらい。
・特に住むところに拘りはないけど、職場から電車で40分以内くらい。
・住居と寝室を分けたいから、2Kもしくはロフト付き。
・バス・トイレ別。室内洗濯機置き場。駅から10分以内。
・近くにスーパーかコンビニがある。
・無駄な金は払いたくない。

自分で調べてる時は、「小岩・行徳」辺りが候補だったんですが、その旨伝えると、

「朝の東西線のラッシュのヤバさ知ってます?」

と新情報。

全然知らなかったんですけど、朝の東西線ってマジでヤバいんですね。

「物事の程度が甚だしい」ということを表すのに「マジでヤバい」って普通に書いてしまった自分にも今ちょっとヤバみを感じてるんですが、こういう一人で調べていたら中々気づけないような情報を知ることが出来るのはやっぱ対面不動産屋の良い点だなと思いました。

経緯をぐだぐだ書いてもしょうがないので、最終的には

場所:千葉県 駅から徒歩3分
家賃:45,000円+共益費5,000円
間取:1K + ロフト
クリーニング代:3万円くらい
害虫駆除費:4万円くらい → 無料
消化器代:7,000円 → 無料
火災保険:月々2,000円 → 2年で18,000円
仲介手数料:家賃1ヶ月分 → 家賃0.5ヶ月分

にて契約。

クリーニング費用も戦いたかったんですが、まぁ、トータルで10万円くらいは安くできたので及第点かなと。

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その後

家探しでだいぶくたびれてしまったので、引っ越しは取り敢えず「くらしのマーケット」を使いました。
「安い!」と噂ですが、自分は引っ越しシーズンだったこともあって、4万5千円くらい。あんまり大手の単身パックと変わらないかも。

シーズンオフで最安値だと2万円くらいで使えるみたいなので、引っ越し費用にもこだわる方は利用してもいいかもしれません。

引っ越してみてからもうちょっと考えても良かったなと思ったこととしては

・スーパーの近さにこだわったけど、そもそも食料品を全てAmazonやネットスーパーに委ねる生活にすれば必要ない。
・バス/トイレ別にこだわったけど、近所に銭湯さえあればシャワールームでも良かったかもしれない。

くらい。逆に引っ越してみて良かったこととしては、

・寝室をロフトに移したことで、部屋が本当に広く使える。
・駅近まじ最強

ですね。
今までが駅から徒歩15分で、常に電車の時間-15分で考えなきゃいけない負担が大きかったので、出かけるのがほんと楽になりました。

というわけで、今回の引っ越しまとめは

・初期費用や火災保険は意外と安く出来るけど、こちらから言わないと何もしてくれないぞ。
・家なんて無数にあるから要件定義はしっかりしような。
・不動産屋も無数にあるから誠実に対応してくれるところを選ぼうな。
・「お洒落な喫茶店」や「スーパー」は本当に必要か?ネットで代用できないか?

です!

自分が不動産屋に行った時、隣のブースで中年夫婦が娘の家探し(多分、就職のタイミングか何かで、本人が来られないから代わりに来たんだと思う)をしてたんですが、

「いやね、バス・トイレ別で家賃5万円くらいがいいって言っててね!いや、でもそんな家ないですよねー。ユニットバスとかでも全然いいですいいです。」

と言っていて、「親の勝手な決めつけで家をグレードダウンさせられる娘さんかわいそうだなー」と思いました。
(家賃5万円、バス・トイレ別の物件情報の紙を眺めながら)。

色々と語りましたが、詰まるところ、「家の周りには◯◯が必要なはずだ!(お洒落なBARとか広い公園とか)」「◯◯な家なんてあるはずがない」のような固定概念を外して、「自分のライフスタイルから必要なものを考える」「要求はストレートにぶつける」ことが大切なんだなと思いました。

今後、引っ越しを検討している方にとって、少しでもこの経験談が役に立てば幸いです。

おまけ

他に使ったところとか使いたかったところとか。

グロービック株式会社
両学長おすすめの不動産屋。両学長が解説していた「仲介手数料は0.5ヶ月分まで」「無駄な費用は負担させない」を遵守している、と謳っている。
ラインで少しお世話になったけど、都内の物件のみ且つ今回の自分の希望に当てはまるものがなかったので利用しなかった。

ビレッジハウス
敷金・礼金・手数料・更新料無料。その上、どの部屋を見ても間取りに対して家賃がクソ安い。
もともと公営団地だった物件を買い取って賃貸として扱っているらしく、少し郊外の古い物件がメイン。Twitterなどの評判があまり芳しくなく、設備の不良の報告が多いみたいなので今回は見送り。怖いもの見たさも含めて次は一度使ってみても良いかもしれない。

イエッティ
スマホアプリから条件を入力して登録しておくと、不動産情報を送ってきてくれる。「引っ越し予定日」を入力する欄があって、「引っ越しまであと◯◯日!」という連絡をくれる。やっぱスマホで手軽に色々出来るのは便利。

minimini
ほぼ一律で仲介手数料が家賃の半額なのが魅力・・・、なんだけど、必ずオプションで「miniminiサポート」という月々3,000円のサポートサービスに入らないといけないので、実質は掲載家賃+3,000円で考えないといけない。
こういうのって法的にどうなんですかね?


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