チンパンジー⑥（食事と狩猟）

チンパンジーは雑食ですが肉も食べます。食事の話ですので、野生動物が肉を食べるということは栄養のために食べることだという先入観が我々にはあります。もちろん栄養とカロリーを摂取することも目的の1つですが、それ以外の要因もあります。それは肉が政治的は役割を持っているということです。捕獲した肉をグループ内で配分する際に不公平なことが起こっています。肉を捕獲したチンパンジーは身内びいきな配分を行うのです。つまり血縁度などの社会的要因が関係しているのです。このことは人間である我々も理解できてしまうのではないでしょうか。さて、その肉狩猟の方法ですが、「果実探しをしていて偶然獲物に遭遇した場合」と考えられています。つまり、その他の肉食動物は肉を捕獲することを念頭に徘徊しますが、チンパンジーは違うと言うことです。狩猟に関して適当に見えますが、その狩猟成功率はなんと54％～82％と高いのです。例えばライオンの14％～46％、チーターの11％～23％を見れば一目瞭然です。また面白いことに獲物と遭遇しても3回に1回しか狩猟を行わないと観察されました。この事実から、本来の目的から派生した目的の方がうまくいくのかなと思ってしまいました。