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大学入試用の日本史教材(GMARCH)

 [目標大学]

 大学入試のために日本史の教材をどれにするべきなのか。どの教材が1番効率的に習得できるのか。誰しも持つ疑問だと思います。大学入試は高校1年生から高校3年生までの合計3年間と考えますと悠長に勉強できません。高校生は部活動もあり丸々3年間を大学入試の勉強に当てられません。受験生にとって勝負はやはり高校3年生からだと思います。つまり約1年間です。想定大学はGMARCHにします。学習院大学、明治大学、青山学院大学、立教大学、中央大学、法政大学です。

 [選択教材:実況中継]

 そこで私が選ぶ教材は「実況中継」です。スピンオフ作品を脇に置いておくと合計で4冊になります。4冊重ねますとボリュームが凄くてへこたれそうです。ボリュームのある「実況中継」を選ぶのには理由があります。

[実況中継の理由]

 それは「史料」が載っているからです。さらに史料には訳もついていますので内容把握が容易です。これだけなのかと思うかもしれませんが、この史料が掲載されていることが重要です。GMARCHになりますと史料解読の問題が出てきて、史料での並び替え問題もあります。史料の勉強を「史料の勉強」というカテゴリーに入れて勉強することは厳しいです。とにかく面倒です。よって普段から使用している教材「実況中継」で史料に触れることはアドバンテージになります。史料集を別に買いますと、「実況中継」と「史料集」が別々となってしまい、史料集を開くという工程が加わってしまいます。しかもこの開くという行為にはかなりのエネルギーを必要とします。これは1日の合計やる気量を削げ落とす最悪の工程です。勉強部屋の空間占拠にもなってしまいます。

※「資料集」は重要です。史料と資料は別のものです。「資料集」は後述します。

[日本史の取り組み①(問題集)]

 いきなり「実況中継」から始めるのはキツい方もいると思われます。別の教材を1周してから移るのはどうなのですかと思われるかもしれません。例えば「山川の日本史教材(教科書)」「金谷先生シリーズ」「センター試験用教材」などが挙げられますが、これらのどれかに手をつけてからはどうなのかと。それならば、「レベル別問題集1(東進)」「レベル別問題集2(東進)」を答えを書きこみながら進めるのはどうでしょうか。それぞれ45単元で量はそこまで多くありません。問題集を1周目の教材にしてしまうのです。「レベル別問題集1(東進)」は問題量が少なく取り掛かりやすいです。「レベル別問題集2(東進)」は基礎固めに良いです。重要なのは問題集だから問題を解くという考えを捨てることです。答えを見ながら書き込んで、こんな用語があるんだという感想を持ちながら進めましょう。1周目に暗記作業を入れると面倒ですし、やる気を失わせます。「暗記しなきゃ」と自分にプレッシャーをかけてはいけません。「レベル別問題集1(東進)」はさっさと終わらせて、「レベル別問題集2(東進)」はやや長い付き合いをして下さい。答えを書き込んだら該当単元の「実況中継」も読んでみましょう。自分が書き込んだ用語を探す感覚で良いです。ウォーリーを探せの要領です。自分の知っている用語に分厚い「実況中継」の中で出会うと嬉しくなります。(と思います)

[日本史の取り組み②(過去問)]

 問題集も1周終えた後はどうするのかですが、「偏差値50以下の大学の過去問」に取り掛かってしまいましょう。過去問に取り掛かるのは冬とは限りません。他の科目の勉強もしなければなりませんので日本史は作業ゲームにしてしまいます。なぜ過去問が良いのかと言いますと、狙われる箇所が大体一緒、もしくは似ているからです。自然と繰り返せます。また偏差値50以下の大学の問題は非常に良い問題が多いです。どういう意味かと言いますと、基礎問題が多いということです。「レベル別問題集2(東進)」で見たことのある用語がそのまま答えになっていることが多いのです。しかも記述ではなく選択肢問題が多いので何となく解ける問題も出てきます。解いた後は過去問自体でも勉強をしてしまいます。過去問を教材として使いますので復習分析をします。答えを当てはめて文章を読みます。そして「実況中継」で該当箇所を読みます。さらに「レベル別問題集2(東進)」も読んでみます。単純接触効果を使います。たくさん触れれば親近感が湧くというものです。覚えられない用語をいつでも簡単に見られるように紙切れに書いて机に貼っていませんか?それは自然と単純接触効果を実行していることになります。何回も繰り返せば、何回も同じ用語に触れれば、自然と自分の中にその用語が入ってきてくれます。「問題集」「実況中継」「過去問」で何回も触れてみましょう。過去問ですが、パズナビで印刷すればお金がそこまでかかりません。解説があったりなかったりなのですが、選択肢問題であれば答えとなっている選択肢だけ分析しましょう。問題文の空欄に用語を入れる問題であれば、答えを書き込んで読みましょう。これだけで良いです。解説がない選択肢を自分で調べるのは面倒です。深追いはしてはいけません。過去問はパスナビに沢山あります。ブックオフで年度が古いものであれば100円から200円で購入もできます。年度が古くても全く問題ありません。

[年号暗記]

 さて、日本史でも気合を入れて暗記をしなければならないものもあります。それは「年号」です。年号暗記は大変だというイメージがあると思いますがやり方がしっかりしていれば非常に簡単です。まず、心の折れる暗記方法ですが、出来事と年号を同時に覚えることです。これは英単語の意味を2つ同時に暗記していることになります。1900単語載っている単語帳で1900✖️2=3800単語のイメージです。萎えませんか?ではどうするのかと言いますと、「年号を見ながら出来事を書けるようにする」です。まずは出来事を覚えます。年号暗記で私が好きな教材は「元祖日本史の年代暗記法」です。理由としまして、前後関係のまとめがあるからです。ある程度暗記が進みましたら(ここでは100個中50個ほど暗記できたら)年号も暗記します。やり方としまして、年号を書きながら出来事も書きます。例えば、50個の年号を暗記する際に50個の年号と共に出来事を書きます。何も見ないで書けるようになったら終了です。ただ単純に年号を暗記するだけではなく、出来事の流れも自然と理解できる強い味方となる方法です。出来事の並び替え問題を流れで解くと考えている方は、年号暗記をしてみて下さい。数字(年号)で選択肢解釈ができるようになり正解率が上がります。何よりも、年号を暗記することにより「実況中継」がさらに読みやすくなります。「実況中継」を理解することにより合格が近くなります。

[資料集の重要性]

 資料集ですが、こちらの活用なしでGMARCHの合格は難しいと思います。資料集は何でも良いのですが、よく分からなければ「山川の資料集」を選んで下さい。なぜ資料集が必要かと言いますと、画像認識により知識を定着させることが出来るからです。特に「地図系」です。江華島の場所、澎湖諸島の場所、樺太、サイパン島など分からなければ、これらがわかる受験生と比べて差がついてしまいます。また日本史受験生には戦国マニア、文学マニアなど局所的に凄まじい知識を持っている方が存在します。明治文学、大正文学に興味を持っている生徒をかつて担当していましたが、「破戒」「父帰る」などをすでに読んでいて作者も普通にわかっていました。ここですでに文化、文学嫌いな生徒との差を作っています。こういった差は必ず生じています。しかし、悲観しなくても資料集にはありがたいことに簡易な解説で載っていますので理解に苦しみません。「資料集」と「実況中継」を活用すれば網羅率に関して心配は無くなります。気をつけることはただ1つ。資料集は丸暗記をせず、理解に使うということです。実況中継を読んでいて、問題集、過去問を解いていて自分の中で「ん?」となった箇所を調べる癖はつけておいて下さい。何事も調べる工程を挟まない限り知識の向上は難しいです。ここで工程が再度登場しました。勉強で工程を少なくする必要があるのは先ほども少し記述しましたが、勉強エネルギーを確保するためです。どの科目でも「調べる工程」を必ず入れますので、無駄な工程が増えていかないように、日本史では「史料集で史料を読む工程」は省きましょう。史料と資料は別物です。重要ですので再度同じことを記しました。

[GMARCHと偏差値50以下大学の違い]

 GMARCHの勉強で常に意識したいことは、「なんか面倒だな」と感じた時代、例えば奈良時代の政権交替、室町時代の一揆や戦いなどは、その場での暗記も大事ですが、長期的に見ていくことが必要だということです。その場で暗記が出来ていても時間が経って再度類似問題が出たときに解けなければ、偏差値向上は難しいです。偏差値が上がる生徒は自分がミスした問題を必ず習得しようという意識が常にあります。この意識を受験までずっと持っているのです。では対策としてどうするのかと言いますと、過去問が役に立ってきます。偏差値50以下の大学でもこういった受験生が苦手とする時代、出来事の流れが出題されています。GMARCHと何が違うのかと言いますと、「選択肢の複雑さ」だけです。曖昧な記憶ですと、「どれも見たことのある用語だし、どれも同じ時代だったな」となり、正解率が下がってしまいます。一方、偏差値50以下ですと、選択肢の選別が2つほどに絞れます。その他の選択肢は時代が違うなと消去できるのです。よって、そこまで知識量がない受験生でも練習になります。私が過去問を勧める理由はこういった気づき、練習が出来るからです。

[日本史なのに政治・経済・倫理]

 日本史という科目にも関わらず、政治・経済・倫理の知識も日本史には必要です。インフレ・デフレ・関税などの用語理解にも努めなければなりません。こちらは学校で政治・経済・倫理の授業もしっかりと受けることが重要です。自学ですと「現代社会」が広く浅く網羅されていますので手助けとなります。「現代社会」の教材は「センター試験 現代社会の点数が面白いほどとれる本」が読みやすかったです。調べる用に持っておくには良いのではないでしょうか。調べることも面倒でしたら私が作っている「実況中継補強プリント」を見てみて下さい。こういった政治・経済・倫理など随所に解説を加えています。実況中継の該当箇所のページを参考にして下さい。

[実況中継補強プリント]

 私は実況中継が大好きですので補強プリントを作っています。また「実況中継」だけでは理解がすんなりいかない箇所があったのでプラスになればと思い作成しています。受験では確かにそこまで詳細に暗記しなくても良いだろうと思われる箇所も独自に調べて追加説明を記載しています。なぜ追加説明を記載しているのかと言いますと忘れにくくするためです。これにつきます。単純暗記には限界がありますので詳細、特に人物の詳細や用語の意味を深掘りしています。こうすることによりきちんと理解して用語自体の印象を強くしています。似ている用語、忘れやすい用語は時折復習できるように関連事項として追加しています。また、大学入試を私自身が解いていて「入試にこんな問題もあったな」「入試に出題されていたな」と覚えている範囲でも追加記載しています。前述の政治・経済・倫理知識関連も然りです。

興味がございましたら、「実況中継マガジン」を覗いてみて下さい。まだ全て投稿していませんが徐々に増やしていくつもりです。

[流れ重視か、用語暗記重視か、その次は]

 基礎が習得できていない受験生は「90%用語重視」です。基礎がある程度出来ている受験生は「70%用語・30%流れ重視」です・基礎がしっかりしている受験生は「50%用語重視・50%流れ重視」です。偏差値50以下の過去問で80%取れる受験生は「40%用語重視・60%流れ重視」です。これはあくまでも目安ですので、時代によって穴があるのでしたら、その時代は用語重視となります。例えば平安時代がほぼ完璧でしたら平安時代は流れ重視となります。時代と時代を重ねることの出来る受験生は「過去問重視」です。問題パターンの認識と自分の穴を見るける作業をして下さい。(時代と時代を重ねるとは、大化の改新と明治維新が似てると気づき、人物の重ね合わせが自分なりにできるということです。孝徳天皇が明治天皇、中大兄皇子は大久保利通といった具合です。

[実力をつける100題]

 この教材も答えを書き込んで、選択肢の分析をし、読むことで知識が身につくと思います。この作業は英文解釈の作業に似ています。英文解釈では全ての英単語、構文を分析し、スラスラ読めるまでひたすら繰り返します。読めるとは英語を前から読んでいって前から日本語が瞬時に出てくるまでとしています。日本史では、空欄補充問題に用語を書き込み、流れを覚え込みます。選択肢は何がどう違うのかを分析し、正しい答えを書き込みます。そして、それらの分析が瞬時に思いつくまで読み込みます。(この暗記方法は私が公務員試験の1次試験に合格した時に使った勉強方法でもあります)こういった作業から日本史の教材も英語と同じように扱うと捉えることが出来ます。問題を解くのは過去問を解けば良いです。パスナビ、赤本を活用して下さい。「レベル別問題集4(東進)」も分析用に使用して良いと思いますが、同じ分析作業となってしまいますので、過去問を解いていて自分が弱い時代を見つけ、そして「実況中継」で補強した後に再演習用に使用しても良いと思います。ピンポイント補強用ということです。

[一問一答]

「レベル別問題集2(東進)」が完璧になりましたら、一問一答で用語暗記に移ってみましょう。教材は「東進の一問一答日本史B完全版」が良いと思います。ただ、私はこの教材を完璧に仕上げたのかというとそうではありません。私は「実況中継」を読み込みその中で用語を暗記し、書けなさそうな用語をノートに殴り書きしていました。そして用語を殴り書きしたノートを復習に使っていました。直感的に自分に合ってそうな方法を試してみて下さい。

 なぜその他にも「一問一答教材」があるのにも関わらず、こちらの教材なのかを記します。A→Bという問題形式に加えて、B→Aという問題形式があるからです。つまり一方通行だけになりません。この形式は有効だと思います。

「東進の一問一答日本史B完全版」は量が多いので心が折れそうな方は私が作っている「実況中継補強プリント」を試して下さい。一問一答になっていますし、年号問題も掲載しています。実況中継の該当箇所を読んでからこちらのプリントで確認をすれば理解が進むと思います。合わなければ我慢せずに他の教材に移って下さいね。

[模試の活用]

 模試の何が良いのかと言いますと解説です。読むだけで色々と知識の整理が出来ます。非常にわかりやすい参考書を頂いたと思って下さい。ただ、読むだけではすぐに忘れてしまうと思いますので、模試の問題用紙に解説を要約しながら自分なりの分析を書き込みます。年号を書き込みながら因果関係の把握に取りかかります。ロシア革命→シベリア出兵→米騒動(越中女一揆)→寺内正毅内閣退陣→原敬内閣→政党内閣(陸海外務以外は立憲政友会)→○○○などです。日本史は何よりも因果関係が分かった途端に心が晴れます。すっきり感を味わえます。この因果関係把握を重点に置いてみて下さい。

[ナイジェリアチンパン]

 大学の過去問(主に私立大学)はここ数年で約400校分解きました。約400校分の計算ですが、「立教大学法学部2019年度日本史」を1つとして計算しています。これに「慶應大学商学部2019年度日本史」を解いたとすると合計2校分となります。パスナビに掲載していない大学の過去問は赤本を購入して問題を解いています。ブックオフは強い味方です。現在も少しずつですが過去問演習をしています。今後も過去問を解いて経験値を積んで新しい発見がありましたら、noteに書きたいと思います。今後ともよろしくお願い致します。





バナナを購入したいと思います。メロンも食べてみたいです。