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チンパン回覧実記(探索)20

[探索]

 おじい様の家は広く探索だけでも十分に楽しむことが出来ます。作業場を越えてたところに便所がございました。「用を済ませたい。」と申し出て、その便所を使用させて頂きましたがレバーがございません。「はて。」と思い友人に確認をしましたところ「ぼっとん便所だからレバーはないよ。」とのことです。溜まった糞尿は肥料に加工するようです。日本の室町、江戸時代にも下肥として農作業に使用しておりましたので古来より続く知恵を未だに実践しておられるのだなと感銘を受けました。この何から何まで利用するという考えを生み出すことの出来るヒトの脳に嫉妬をすることがございます。自然のものを最大限まで利用する、とても素晴らしいことです。

 さて、次に目にしました光景は豚小屋です。何と親豚、子豚を飼育されているのです。親豚は大きく「乗ってみたい。」と感じてしまいましたがここはぐっと我慢を致しまして、子豚に目線をずらしました。子豚は大量におりまして、どの子豚も「ぶーぶー」と何かを仰っております。どれどれと耳を傾けましたところ子豚曰く「ぶーぶー」とのことです。私たちはしばらく豚家族を拝見しておりました。ヒトが密集しております町には生きた豚を目にすることはそうはございません。商店で売っております豚は解体された成れの果て。とても美味しく頂いておりますが、改めて食材について考えさせられた時間でした。

「そろそろ家に戻ろうか。」友人が仰いますので、「承知致しました。」と返答をして歩き始めました。

「このような様々な体験ができる環境はとても素晴らしいですね。動物、植物、鉱物がそのままの姿でありとあらゆるところに存在し、それを自然と享受できる。都会と田舎は対立して議論されております昨今、この二項対立的に考える姿勢はいささか疑問を感じざるを得ません。都会が頭一つ優位的にリードしておりますが、霊長類、類人猿、その他生物は適地適応があると存じますのでそれぞれを体験すればいいと思うのです。そして自ら選択をすれば、それがその生物にとって最適解であると思うのです。」

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ナイジェリアチンパンが日本山中の生活を体験します。ヒト科ヒト属ヒトの友人の祖父に頼み居候をさせて頂くことができました。チンパンジーが日本の…

バナナを購入したいと思います。メロンも食べてみたいです。